日本を代表するスポーツメーカーで、海外でも人気が高い株式会社アシックス。
スポーツが好きで、スポーツ関連の仕事に携わりたいと考えている方の中には、中途採用でアシックスへの転職を考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし、本当に転職を目指す場合、企業HPや採用情報ページの情報だけではなく、
- スポーツ業界全体の動向
- 競合他社との比較情報
など複数の観点からアシックスのことを知ることが大切です。
そこで、今回は第三者の視点から株式会社アシックスの企業情報・業界動向についてまとめてみました。
株式会社アシックスの事業内容・売上高・営業利益をはじめ、年収や企業文化に関する口コミ情報まで網羅しています。
アシックスへ転職を考えている人はぜひ本記事の情報を参考に準備を進めてください!
株式会社アシックスの会社概要!従業員数、売上高は?
項目 | 詳細 |
本社所在地 | 兵庫県神戸市中央区港町中町7-1-1 |
代表者 | 廣田康人 |
設立 | 1949年 |
事業内容 | スポーツ用品の開発・販売 |
従業員数 | 連結8,586名 |
売上高 | 4,001億円 |
スポーツ用品国内最大手です。ランニングシューズに強く、機能研究でアスリートの評価も高いです。
現在は欧米を軸に中国にも進出しており、海外売上高比率は8割近くになっています。
株式会社アシックスの事業内容まとめ
スポーツ業界の世界市場は、現在米ナイキと独アディダスの2強が他を圧倒しているため、目下の目標は「世界第3位」。
現在は売上高3位は、独プーマ、次いで米アンダーアーマー、アシックスと続きます。
営業利益ではアシックスが世界3位を死守しており、3位の座はプーマ、アンダーアーマー、アシックスとの争いになっています。
そんなアシックスは、以下の3領域で事業を展開しています。
- アスレチックスポーツ
- スポーツライフスタイル
- 健康快適
株式会社アシックスのコーポレイトサイトを参考に上記事業の詳細を見ていきましょう!
事業内容①:アスレチックスポーツ事業
ご存知アシックスの核となる事業領域です。
ランニング事業を中心に、テニス・ラグビー・バレーボールといったカテゴリーにフォーカスして、高機能・高品質なシューズやアパレル(ウェア)を世界の市場に供給しています。
中でもランニング事業は、売上高の半分程度を占めています。
特に、東アジアでのランニングシューズの伸びが好調で、EC販売を中心に今後も強化予定です。
また、テニスではフランス・スペイン・ドイツでNO.1のシェアを獲得しています。
ラグビーでもワールドカップでオフィシャルスポンサーになり、シューズやウェアの提供を通じてブランド価値の向上を図りながら、トップシェア獲得を目指しています。
事業内容②:スポーツライフスタイル事業
スポーツがファッションの一部になっている市場を対象としています。
アシックスでは、2つの有名なブランドがあります。「ONITSUKA TIGER」「ASICS TIGER」です。
ONITSUKA TIGER
ヨーロッパを中心に世界各国で爆発的な人気を博しているブランドで、1949年に鬼塚喜八郎氏が創業しました。
創業以来、バスケットボールシューズを皮切りに、高校の運動部を軸としてランニングシューズなどを販売していき、オリンピック日本代表のシューズを手掛けるまでに成長しました。
一時期ブランド名を社名の「アシックス」に変更していましたが、2002年に「ONITSUKA TIGER」の名前が復活。
現在では、アスリートからファッショニスタまで世界中で人気を集めるシューズブランドになり、日本国内の直営ショップは外国人観光客で連日盛況です。
機能性を追求した現代的なレトロデザインで、販売チャネルを直営店とブティックに絞り展開しています。
ASICS TIGER
2015年に誕生したブランドです。1980年代から1990年ごろに人気を集めたアシックス競技用のシューズに、カジュアルなデザインを取り入れてアレンジを加えました。
テクノロジーをユニークなスポーツライフスタイルとして体現する新たなブランドとして、他とは一線を画す仕上りが人気です。
スニーカーショップやフットロッカーなど、幅広い販売チャネルで展開されています。
事業内容③:健康快適事業
この事業の目標は「スポーツで培った知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」ことです。
代表的な商品だと、男性用ビジネスシューズ「RUNWALK」、働く女性の機能パンプス「GIRO」、キッズ用シューズ「スクスク」などがあります。
株式会社アシックスの経営成績!売上高、営業利益は?
2015年まで売上高・営業利益ともに堅調な伸びをみせ、2010年と比べてほぼ倍増の成長を遂げてます。
成長の大きな要因は、主力のランニングシューズです。「オニツカタイガー」加え「アシックスタイガー」のブランドが加わった影響が大きいといえます。
なんと、2015年の売上高比率では、シューズ比率が全体約80%を占める結果となっています。
しかし、シューズの売り上げに会社の業績が左右されやすく、主力のシューズの比率が高すぎることがやや懸念材料として挙げられます。
実際に2017年には、欧州や米国で主力のランニングシューズの販売数下落、ランニングデータを活用した販売手法の導入によりIT投資がかさんだことによって、営業利益が落ち込みました。
株式会社アシックスの年収、平均年齢、勤続年数、残業時間を競合他社と比較!
国内のアシックス競合他社スポーツメーカーと、いろいろな切り口から比較してみました。
平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 残業時間 | 有休日数 | |
アシックス | 728万円 | 39.7歳 | 12.7年 | ー | ー |
ミズノ | 621万円 | 42.5歳 | 18.4年 | 5.1時間 | 8.6日 |
デサント | 602万円 | 39.8歳 | 12.4年 | 9.2時間 | 8.8日 |
さすが国内最大手ということもあり、年収は業界内でずば抜けて高いです。
また、平均年齢も若いことから社員一人当たりの年収も高いと判断出来るでしょう。
平均勤続年数12.7年とミズノと比べて短いかもと感じるかもしれませんが、これは新卒採用に力を入れているミズノと中途採用も積極的に行なっているアシックスの違いと言えるでしょう。
株式会社アシックスの社長ってどんな人?
現在のアシックスの社長は、廣田康人(ひろた・やすひと)氏です。
廣田 康人(ひろた・やすひと)
愛知県出身。
早稲田大学政治経済学部卒。
1980年4月三菱商事入社。人事や法務など管理部門を歩む。6年間の英国駐在も経験。
2010年同社執行役員・総務部長。
2014年同社代表取締役常務執行役員。
2018年1月20日からアシックス顧問。
2018年3月29日付でアシックス社長就任。
事業拡大に伴うコーポレイト・ガバナンス(企業統治)の強化のために、当時の会長件社長CEOの尾山氏から直接打診されたようです。
現社長は三菱商事出身ですが、三菱グループとアシックスのつながりは、それほど強くありません。
三菱UFJ銀行はアシックスの第2位の大株主ですが、メインバンクは三井住友銀行です。またアシックスと商社との取引では、丸紅が実績を持っています。
廣田氏の社長就任によってアシックスは、2代続けて元商社マンの社長が誕生したことになります。
前社長の尾山氏も、新卒では1974年に日商岩井(現・双日)に入社後、1982年にアシックス社に転職し、2008年から社長を務めていました。
株式会社アシックスの口コミ情報まとめ!福利厚生や残業の実態は?
口コミ情報サイトは、退職者の書き込みが中心のためどうしてもネガティブ情報が集まりやすいです。そのまま鵜呑みにするのではなく参考程度に留めておきましょう。
給与・ボーナスは?
口コミサイトVorkersによると、30歳主任で550万程度、40代でマネージャーになると800万だとする記述がみられました。
ちなみに新卒で入社し、同期内でトップ出世を果たせば、35歳で年収800万円に届く社員もいるようです。
評価制度は公平感があるとの声が見られました。
社内の組織体制は?
年功序列ですが、近年グローバル会社に変身しつつあるようです。
中途社員を中心に外国人の社員も増加しているとのこと。社員は、グローバル化の流れに対応する必要がありそうですね。
また社内にはスポーツ好きが多く、アクティブな人が多いようです。さすがスポーツ会社といった感じですね。
一方で、社内の文化としては、体育会系の文化が少し残っている程度で意外とのんびりした文化だとする口コミもありました。
福利厚生や労働時間、休日は?
スポーツの会社ということもあり、昼の時間に走ったり、勤務時間後に会社のアトリウムで社員同士スポーツを楽しんだりすることも多いようです。
福利厚生としては、社員販売でスポーツ用品を割引で購入可能だったり、独身寮は30歳までは入れるといった口コミがありました。
基本的に自由に休みを取れ、有給取得に対しても寛容だという意見が多く見られました。
転職前後のギャップはある?
ギャップに関しては「グローバル化」に関するコメントが多く見られました。
例えば、会社としてグローバル展開をしているものの、日系の組織体性が強いという意見も見られました。
そのため、「外資系企業からの中途組は注意が必要だ」「若いうちから海外駐在のチャンスが与えられるのは、フットウェア・マーケティングの部署がほとんど」という口コミも散見されています。
また、会社に入ってみて「コネ入社が多い」ことに気づいたという意見も一部ありました。
株式会社アシックスが属するスポーツ業界の動向、今後の課題は?
スポーツ業界を取り巻く現状は?
国内スポーツ用品市場規模は緩やかに拡大を続けています。特に、ランニングブームによるスポーツシューズの伸びが目立ちます。
スポーツアパレル市場も好調です。
健康志向の高まりから、ランニング・登山・フィットネスなどをする人が増え、スポーツウェアやトレーニングウェアの人気が高まっているからです。
また、2020年の東京オリンピックは、各社とも売り上げ拡大のチャンス。
企業としては、有名選手とスポンサー契約を結ぶことで、商品や企業の認知度を高められる可能性があります。
スポーツ業界の今後の課題は?
ゴルフや野球などの球技系スポーツは、競技人口の減少で、売り上げも縮小傾向が続いています。
既存市場の縮小に合わせ、各社とも新たな市場を開拓する必要がありそうです。
その中で、最近注目されているのが「アスレジャー」です。
アスレジャー・・・アスレチックとレジャーを組み合わせた言葉で、スポーツウェアを普段着として着る米国発祥のファッションスタイル
まだまだニーズは多くありませんが、商品開発に成功すれば一気に主役になる可能性を秘めた分野です。
スポーツ業界の平均年収、売上高、営業利益ランキング!株式会社アシックスは何位?
国内売上高ランキングTOP3
《国内スポーツメーカー売上ランキング》
第1位 アシックス 4,001億円
第2位 ミズノ 1,853億円
第3位 デサント 1,411億円
国内では、アシックスがダントツでトップです。だからこそ、グローバル企業になり、世界に目を向け始めているのですね。
次に世界のランキングも見てみましょう。
世界売上高ランキングTOP3
《世界のスポーツメーカー売上ランキング》
第1位 ナイキ 3兆7,372億円
第2位 アディダス 2兆7,010億円
第3位 アンダーアーマー 5,414億円
ナイキとアディダスの2強の圧倒的な強さが際立っています。
アンダーアーマーとアシックスの差は1000億円なので、今後の戦略次第で世界第3位は十分目指せそうですね。
国内営業利益ランキングTOP3
《国内スポーツメーカーの営業利益》
第1位 アシックス 195億円
第2位 デサント 95億円
第3位 ミズノ 80億円
営業利益でも、アシックスは2位のミズノに2倍以上の差をつけています。
海外営業利益ランキングTOP3
《海外スポーツメーカーの営業利益》
第1位 ナイキ 4,613億円
第2位 アディダス 1,396億円
第3位 プーマ 172億円
日本を除く世界の企業ランキングでは、第3位にプーマがランクインしました。
アシックスの営業利益は195億のため、僅差ですがアシックスが世界第3位です。今後、世界第3位をめぐるし烈な争いの行方に注目です。
株式会社アシックスの中途採用情報まとめ!
中途の募集職種
アシックスの中途採用は、大きく分けて2種類あります。オフィス勤務と店舗勤務です。
それでは、具体的な求人を見ていきます。
具体的な仕事内容、募集条件は?
2018年12月現在、インディードに掲載されている求人をまとめました。
職種①:マーケティング(オフィス勤務)
渋谷でのオフィス勤務の職種です。仕事内容と、応募資格がそれぞれ英語で記載されていました。今回は、簡単に日本語訳をしました。
仕事内容
- オニツカタイガーのマーケティング活動における品質・デザイン・コンセプトチェック。
- 各国のオニツカタイガーのマーケティング管理。地域社員および地域行政機関との連携。
- 本四半期のマーケティング。ROI検証・予算編成など。
募集条件
【必須】
- 3年以上のマーケティング経験
- 英語による文章作成力
【推奨】
- ファッションビジネス業界の知識
給与
年収580万円~
休日休暇
週休2日
福利厚生
ボランティア休職・休暇制度、リフレッシュ休暇制度、社宅・独身寮制度・積み立て有給制度(最大80日まで有給休暇を積み立て、自己啓発や病気等のために利用可)
社会保険完備・通勤手当・単身赴任手当・社員持ち株・各種サークル・社員食堂あり・慶弔見舞金制度・確定拠出年金・プレミアムフライデー
職種②オニツカタイガー直営店・販売スタッフ
契約社員としての雇用ですが、契約社員後の正社員登用もあります。
仕事内容
「オニツカタイガー」・「アシックスファクトリーアウトレット」・「アシックスウォーキング」・「アシックスストア」・「ホグロフス」の5ブランドのいずれかの直営店での接客業務
募集条件
- 職種未経験・第二新卒歓迎
- 入社段階でのスポーツ知識不問
休日・休暇
完全週休2日制(月9日休・曜日はシフトによる)
10時 ~21時の間で実働7時間40分(休憩1時間20分)
残業(月10時間程度)代別途支給
その他休暇制度あり
- 有給休暇(勤務半年後から適用)
- 慶弔休暇
- 産前・産後休暇(取得実績多数)
- 育児休暇(取得実績多数)
福利厚生
社会保険完備、社員販売制度、交通費支給(月額10万円まで)、残業代全額支給、研修制度(新人研修、入社後3カ月・6カ月・1年等段階に応じた研修 など)、正社員登用制度(登用実績多数)、女性管理職登用実績有、ユニフォーム貸与、商品の購入義務はありません!
中途採用の選考フロー
アシックスの中途採用の選考フローは、ホームページ上には公開されていませんでした。一般的な転職のステップは以下のようになります。
【STEP 1】書類選考
▼
【STEP 2】面接(1~2回)
▼
【STEP 3】内定
▼
【STEP 4】入社
※入社日は相談に応じます。
おわりに
アシックスは、スポーツ業界で世界第3位を目指す国内トップクラスの会社です。
オフィス勤務として転職を目指す場合は、高い英語力が必要とされるように、今後は、海外展開も積極的に進めていく方針が見られそうです。
ご自身の英語力を示したうえで、今までの業務で得たスキルをアピールできると良いかもしれません。
アシックスへの転職を考えている方々の参考になれば幸いです。
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