テレビ局と聞いて皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?深夜勤務は当たり前、しかし高年収。そんなイメージを持っている人も少なくないと思います。
実際にテレビ局は業界平均よりも総じて年収が高く、年収1000万円を超えるテレビ局も珍しくありません。
今回は、テレビ局各社の平均年収ランキング上位5社を発表します!
また、テレビ業界全体の動向や売上高ランキング等もご紹介していますので興味がある人はこちらもご覧ください。
テレビ局の平均年収ランキングTOP5!
第5位 株式会社フジ・メディア・ホールディングス 1,117万円
- 売上高 6,465億円
- 営業利益 252億円
- 従業員数 連結7,484名
- 設立年 1957年
- 本社所在地 東京都港区台場二丁目4番8号
テレビだけでなく、都市開発や観光事業にも力を入れていて、着実に進行しています。
しかし、中核となっているフジテレビでは長寿番組の終了し、大きなダメージを受けました。
ニッポン放送、仙台放送などもフジ・メディア・ホールディングスの子会社です。
第4位 株式会社テレビ朝日ホールディングス 1,376万円
- 売上高 3,025億円
- 営業利益 186億円
- 従業員数 連結4,938名
- 設立年 1925年
高齢層に強いのが特徴です。「相棒」、「ドクターX」などのシリーズ作品は根強い人気を誇ります。
2015年からは好調を保ち、売上高、営業利益共に伸び続けいます。
第3位 株式会社テレビ東京ホールディングス 1,392万円
- 売上高 1,471億円
- 営業利益 240億円
- 従業員数 連結1,539名
- 設立年 1964年
- 本社所在地 東京都港区六本木3-2-1
テレビ東京ホールディングスは、地上波デジタル放送のテレビ東京、BSデジタル放送のBSテレビ東京、コミュニケーション事業(インターネット・モバイル)のテレビ東京コミュニケーションズの3社の経営統合により誕生した認定放送持株会社です。
近年は配信やアニメ事業にも力を入れ、着実に伸ばしています。
第2位 日本テレビホールディングス株式会社 1,461万円
- 売上高 4,236億円
- 営業利益 612億円
- 従業員数 連結4,425名
- 設立年 1952年
- 本社所在地 東京都港区東新橋一丁目6-1
バラエティ番組に強いのが特徴で、視聴率でもトップを走り続けています。
日本テレビの国内ネットワークは札幌から鹿児島まで全国に及び、2012年の時点で30社が加盟しています。
第1位 株式会社東京放送ホールディングス(TBS) 1,632万円
- 売上高 3,619億円
- 営業利益 188億円
- 従業員数 連結5,552名
- 設立年 1951年
- 本社所在地 東京都港区赤坂5丁目3番6号
不動産業が安定的に会社の経営に貢献しているTBS。
数年前まで視聴率不振に悩んでいたが、最近では、陸王や下町ロケット、99.9などの「日曜劇場」のヒットが続いています。
視聴率も着実に伸びてきています。年収ランキングでも見事第1位に輝きました。
テレビ局の年収は平均と比べて高い?低い?
- 40歳全体の平均年収・・・600万円
- 40歳時点でのテレビ業界の平均年収・・・879万円
40歳時点でのテレビ業界の年収は平均と比べて「279万円も高い」という結果になりました。
年収ランキンングTOP5全ての企業が1,100万円を超えており、高収入であることがわかります。
中でも年収ランキング1位のTBSは、他業界の比較的年収が高い企業と比べても特に高いです。
テレビ局各社の平均年齢、平均勤続年数は?【比較表あり】
次にテレビ業界の年収ランキング上位企業の平均年齢、平均勤続年数を見ていきましょう。
上記のどの指標を重視するかは人それぞれ違うでしょう。ここでは分析のポイントをいくつか紹介します。
平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | |
株式会社東京放送ホールディングス(TBS) | 1,632万円 | 51.5歳 | 25.0年 |
日本テレビホールディングス株式会社 | 1,461万円 | 48.6歳 | 19.6年 |
株式会社テレビ東京ホールディングス | 1,392万円 | 47.0歳 | 21.2年 |
株式会社テレビ朝日ホールディングス | 1,376万円 | 42.5歳 | 16.1年 |
株式会社フジ・メディア・ホールディングス | 1,117万円 | 45.0歳 | 12.8年 |
1.平均年齢は何歳か・・・年収が多少低くても平均年齢が低ければ生涯給与は高い可能性がある。
2.有休消化日数は何日か・・・有休取得可能日数と実際の消化日数を比べることが大切。取得率が低ければ有休申請しづらい社風の可能性も。
3.残業時間は何時間か・・・いくら平均年収が高かったとしても残業時間が多く、体を壊してしまっては元も子もない。
テレビ業界の市場規模・動向、今後の課題は?
テレビ業界の市場規模
- テレビメディア広告費 1兆9,478億円(地上波テレビ+衛星メディア関連+17年電通調べ)
2008年の景気悪化の影響を受け、スポンサー企業はいっせいに広告予算の削減へと乗り出しました。さらに、東日本大震災の影響もあり、テレビ局の広告収入は減少しました。
しかし、2014年に入り、景気の回復に伴いテレビ局の広告収入も順調に回復しています。
電通が発表した「2017年日本の広告費」によると、2017年の総広告費は前年比1.6%増加(6兆3,907億円)となりました。ですが、その内、テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)は0.9%減少(1兆9,478億円)と減少傾向とみられます。
テレビ業界業界の動向・トピックス
テレビとネットの融合化
インターネットがテレビに迫る勢いで大きなメディアへと成長し、それに応じてテレビ業界の状況も大きく変わってきました。各局では動画ポータルサイトの運営、ワンセグ放送の開始、テレビショッピングなどに力を入れ始めています。
テレビ局の強みとしては、高視聴率の番組や放送が終了したばかりの番組・ドラマをオンデマンドで配信すできることです。
例えば、「テレ朝動画」「TVer」「WOWOWオンライン」などがあります。
これらのネットを中心とした通信事業との融合が進んでいます。
多チャンネル化
衛星放送のBS局やCS局、市町村などの限られた地域で放送されるミニFM局など、地上波以外の様々な形態の放送局が存在するようになりました。
スポーツ中継においても、特定のファン向けの試合などをBSやCSで流し地上波と分けるなど、戦略的に多様な電波を使い分けるようになりました。
テレビ業界業界の課題
テレビ離れ
「全国個人視聴率調査」(NHK放送文化研究所)によると、1週間あたりのテレビの視聴時間は、平成18年が3時間58分であったのに対し、平成28年は3時間41分。年々、わずかですが減少し続けています。
ネットの普及が進んだことで内容や構成、世論とのズレなどが頻繁に指摘されるようになりました。
そのため、視聴者が納得するような番組を作らなければさらに「テレビ離れ」は進むことになると考えられます。
平成28年の媒体別広告費は、地上テレビは29.2%、インターネット広告は20.8%だが、テレビの増加率が+1.6%なのに対し、インターネットが+13.0%の増加を記録しています。
2022〜2025年ごろにはネット広告がテレビ広告を追い抜くのではないかとさえ言われています。
働き方改革
近年では「働き方改革」にも焦点が当てられます。
テレビ業界の年収は比較的高めですが、テレビのディレクターや営業などの仕事はかなり厳しいものとなっています。
厳しい環境の中でより質の高いものを求められるようになるのと同時に、社員の健康をどのように守っていくのかが今後のテレビ業界の課題となっています。
テレビ局の売上高、営業利益ランキング!【おまけ】
テレビ局の売上高ランキング
ここではテレビ業界の売上高ランキングをご紹介します。
《テレビ局の売上高ランキングトップ5社》
- 株式会社フジ・メディア・ホールディングス 6,465億円
- 日本テレビホールディングス株式会社 4,236億円
- 株式会社東京放送ホールディングス(TBS) 3,619億円
- 株式会社テレビ朝日ホールディングス 3,025億円
- 株式会社テレビ東京ホールディングス 1,471億円
売上高ランキング1位は、フジ・メディア・ホールディングスが輝きました。上記の5つのテレビ局を、民放放送局の系列ネットワークの中心となる局、キー局と呼びます。
主要テレビ局内でも大きな差があり、第1位と第5位との間には約4倍の差があることがわかります。
テレビ局の営業利益ランキング
《テレビ局の営業利益ランキングトップ5社》
- 日本テレビホールディングス株式会社 509億円
- 株式会社フジメディアホールディングス 252億円
- 株式会社東京放送ホールディングス(TBS 188億円
- 株式会社テレビ朝日ホールディングス 186億円
- 株式会社テレビ東京ホールディングス 74億円
売上高では第2位の日本テレビホールディングスでしたが、営業利益ではフジ・メディア・ホールディングスを抜き、第1位に輝きました。
売上高と比べても第3位以下の変動は無いようです。第5位のテレビ東京ホールディングスは第1位の日本テレビホールディングスの約7分の1と多く離されてしまっています。
おわりに
今回はテレビ業界の平均年収ランキング、業界の動向や課題などを説明しました。テレビ業界のすぐ後ろにはインターネットが存在し、今にも抜かれてしまうかもしれません。
そういった状況をどう打開していくのか、また次にはどのような新たなサービスが必要となってくるのかなど、テレビ業界は変化が激しいです。
今後のニュースなどもしっかりとチェックしておくことが重要となるでしょう。