転職活動を始めてみたものの、「良い企業への出会い方が分からない」「数多くある求人媒体の活用方法が分からない」といった悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
人生で数少ない転職活動。失敗も後悔もしたくないですよね。
そこで今回は、企業選びや将来の転職について悩む方向けに「転職における求人の探し方」を5パターンご紹介します。
ぜひ、自分に合った転職先の探し方を見つけてください!
転職先の探し方にはどんな方法がある?
求人情報を探す媒体は複数存在します。それぞれ入手できる求人の特徴や利用価値が異なるため、あなたの目的や都合に合わせて選んでください。
複数の求人媒体を併用することも可能です。
この記事では5つの方法をご紹介します。
《転職先を探す5つの方法》
- 転職サイト
- 転職エージェント
- ハローワーク
- 転職イベント
- 転職情報誌
転職サイト
転職者向けに、求人情報を掲載している求人サイトです。
幅広い業種・職種の求人を掲載している総合求人サイトや、業界・職種に特化した専門求人サイトもあります。
総合求人サイトでは「リクナビネクスト」「doda」「パソナキャリア」が有名です。
専門求人サイトでは、IT・web業界に特化した「ワークポート」やハイクラス層に特化した「ビズリーチ」が有名です。
転職エージェント
転職エージェントとは「転職したい人」と「採用したい企業」のマッチングというサービスを提供する人材紹介会社です。
ビジネスモデルとしては、転職希望者の採用が決まった際に、求人企業側から転職者の年収の3割程度を成功報酬として受け取ります。
求職者側は無料でサービスを利用することができます。
他の求人媒体との大きな違いは、全ての転職希望者にキャリアコンサルタントが担当としてつくことです。
担当者が、書類選考や面接対策を始め、面接日程調整や給与交渉まで転職活動全般の支援を行ってくれます。
プロのアドバイスを聞きながら転職活動を進めることが大きなメリットです。
ハローワーク
ハローワークは全国に550か所以上あり、カウンターで職員の人と相談しながら無料で求人を探すことができます。
「求人情報検索」のサービスもあり、勤務地・年齢・給与額といった条件を指定すれば、全国の求人を探すことが可能です。
転職イベント
人材サービス会社が主催する転職イベントで、採用意欲がある企業が会場内でブースを設け、転職を志す来場者と直接面談を行います。
イベントに1日参加するだけで多くの企業を見て回ることができ、効率よく情報収集ができます。
また、大量採用を行う企業では、企業独自の採用に関する説明会やセミナーが開かれることもあります。
このようなイベントでは、説明会の後に希望者に対して個別面談の機会が与えられるものも多くあります。
転職情報誌
紙の求人媒体は駅やコンビニで無料配布されています。
新聞を購読している人であれば、定期的に求人情報の折り込みチラシも入手できるでしょう。
どちらも手軽に入手でき、希望勤務地の情報がまとまっているため、「自宅の近くの会社がいい」といった勤務地重視の転職をしたい人にはオススメの方法です。
また、パラパラめくるだけで幅広い職種に出会えるため、選択肢を広げることもできるかもしれません。
探し方①:転職サイトのメリット・デメリット
転職サイトを活用して求人を探すときのメリットとデメリットをまとめました。
転職サイトのメリット
興味のあるキーワードで検索ができる
例えば「スポーツ」「英語」「アメリカ」といった、ご自身の特性に合わせたキーワードを入力して検索することができます。
検索すると、そのキーワードを含む求人広告が一覧で表示され、業界・職種問わずあなたの興味や志向に合った求人を見つけられます。
条件に合う求人が早く見つかる
職種・勤務地・年収といった条件を設定して検索することで、該当する求人を即座に入手できます。
さらに、あなたの希望条件を登録しておくと、新規で条件に当てはまる求人が掲載された時に通知メールを受け取ることもできて便利です。
求人企業からオファーを受けられるサービスもある
自分の自己PRを含む職務経歴書や希望条件を匿名で登録しておき、あなたに興味を持った企業からオファーが来るサービスです。
自分では考えていなかった業種の企業からオファーを受ける場合や、自分の転職市場での価値がおおよそつかめるメリットがあります。
ただし、オファーを受けたからと言って内定が確約されるわけではないですし、自分の実力よりも低いレベルの企業からオファーがくる場合もあるため注意が必要です。
転職サイトのデメリット
応募しすぎてしまうことがある
条件に合った企業が簡単に分かり、応募するハードルも低いため、片っ端から応募してしまう方もいます。
しかし、応募企業が多くなってしまうと、志望度が低い企業の選考対策に労力がかかります。
本命企業の選考対策がおろそかにならないように注意が必要です。
掲載企業が多すぎる
多くの求人があることは、自分に合った企業に出会う可能性を高めます。
一方で、明確な転職の軸がない限り、「求人件数が多すぎて選びきれない」という状態にもなりかねません。
希望条件を使いこなし、応募する求人の数を調整する必要があります。
探し方②:転職エージェントのメリット・デメリット
続いて転職エージェントのメリットとデメリットをまとめました。
転職エージェントのメリット
「非公開求人」の情報が手に入る
転職エージェントでは、広く一般に向けて公募されていない「非公開求人」を多く抱えており、希少な求人に出会える可能性があります。
なぜ企業側は求人を非公開にする?
- 専門性の高い人材のみをエージェント側に紹介してほしい。
- 人気が高いため、応募者が殺到しないようにして、効率よく選考をしたい。
- 競合他社に知られたくない、経営戦略に関わる人材の採用を考えている。
選考対策を手伝ってもらえる
無料のキャリア面談で、プロのキャリアコンサルタントが自己分析から職務経歴書や履歴書の書き方、模擬面接などの面接対策まで行ってくれます。
第三者の客観的な視点を参考に、自分の強みや市場価値を理解して選考の準備を進めることが可能です。
企業とのやりとりを代行してもらえる
面接の日程調整や給与面等の条件交渉を、応募者の代わりに進めてくれます。
転職では複数の企業に同時に応募することが多いですが、そのような場合でも、内定が出そろう時期を合わせるように調整してくれるのも安心です。
面接のときに採用担当者に直接聞きにくいような質問でも代わりに聞いてくれたり、面接後にあなたの魅力をもう一度アピールしてくれたりもします。
転職エージェントのデメリット
エージェント側の営業トークにのせられてしまう場合もある。
求職者は、複数の転職エージェントを掛け持ちで使用する場合も多いです。エージェントとしては、転職希望者を他のエージェントよりも早く採用につなげ、紹介手数料を手にしたいと考えています。
そのため、希望者が希望する会社ではなく、内定を獲得しやすいエージェント 目線の求人しか紹介してくれない担当者もいます。
自分の転職について親身になって考えてくれるエージェントに依頼することが大切です。
転職に時間がかかることも
今すぐ転職したい人にとっては、エージェントを使用すると時間がかかる場合があります
企業とあなたの間にエージェントが介在するため、その分コミュニケーションの量が多くなり、転職に時間がかかってしまう恐れがあります。
探し方③:ハローワークのメリット・デメリット
ハローワークのメリット
地元の企業を多く扱っている
全国各地にハローワークがあるため、自宅から近いハローワークでは、地元企業の求人を多く取り扱っています。
育児や介護といった家庭の事情があり、できるだけ転勤のない地元企業で働きたいという方にぴったりです。
地元に根差した企業の求人情報を探すという点において、ハローワークは非常に有効な手段です。
ハローワークでは、できるだけ求職者の住居を変更しなくていいように求人を紹介するという職業安定法に基づいて運用されているためです。
多くの求人に出会うことができる
企業側は、ハローワークに対しては無料で求人を掲載することができます。そのため、大企業や中小企業はもちろん、採用活動に資金を投入する余力のない企業まで幅広い求人が掲載されています。
転職エージェントや転職サイトには載っていない求人にも出会える可能性があります。
ハローワークのデメリット
退職していないと利用できない場合が多い
ハローワークは、現在働きながら会社に隠れて転職活動をする人には向いていません。
なぜなら、現職の企業に退職の意思を伝えないとハローワークではサポートを受けられないからです。
「いつ今の会社を退職するのか」の予定を必ず聞かれ、退職予定日が未決定の場合は求人を紹介できないと断られることが多いです。
採用意欲が高くない企業やブラック企業の求人も含まれる
メリットでもお伝えしましたが、ハローワークの求人はお金を出さずに掲載することが可能です。
そのため「かなり高いスキルを持った人材の応募があったときのみ採用しよう」と思っている企業や、すぐに人が辞めてしまい、掲載料を支払って求人広告を出す余裕がないブラック企業の求人も含まれます。
求人の質に差があることを認識したうえで、ハローワークを活用することが大切です。
自分に合った転職先の探し方【ケース別】
膨大な企業から自分に合った転職先を探すことは、たいへん難しいことです。以下の項目を見て、自分が納得できる転職先企業を探してみてください。
事前準備のポイント【全員共通】
転職までの事前準備として以下の3点が大切になります。
《転職の事前準備》
- 譲れない条件と希望条件を整理する
- 情報収集を念入りにする
- ブラック企業の求人にありがちな特徴を知る
詳しく説明します。
①譲れない条件と希望条件を整理する
まず、あなたが絶対に譲れないと思うポイントと、あればいいなと思う希望条件を整理してみてください。
現在の会社への不満が何かを明確にし、これからの自分のキャリアについて考えます。
条件を考える時に考慮したい項目
給与・待遇/勤務地/休日・休暇/仕事内容/やりがい/成長/職場環境/社風/人間関係
②情報収集を念入りにする
どうしても今の会社を辞めたいと思っているときは、転職候補の会社がよく見えてしまうものです。
だからこそ、一度冷静になって情報収集をすることが大切です。例えば給与や待遇面だと、現職の会社だと当たり前にあった福利厚生があるかの確認や、残業時間まで含めた給与といったことの確認が必要です。
③ブラック企業の求人にありがちな特徴を知る
せっかく転職活動がうまくいったのに、内定先がブラック企業ではこの先が大変です。
ブラック企業の求人の特徴を抑えておくことが大切です。
一例をあげると、掲載料を払い続けて常に求人を出している企業は、人が集まらない会社、もしくは入社した人がすぐに辞めてしまう会社で、ブラック企業の可能性があります。
女性の転職先の探し方
最近では、結婚を機に退職をする女性ばかりではなく、結婚しても仕事を続けたい。また職場に復帰したいと考えるのが当たり前になってきました。。
その一方で、結婚後の出産や子育てで、どうしても休まなければならない期間があるのも事実です。
家事と仕事を両立させるうえで労働時間の制限がかかる時期もあるでしょう。
転職先が、自らのライフプランを実現させてくれる会社かどうかを事前に確認することが大切です。
具体的には、育休の取得実績やフレックス制を導入しているかを確認してみてみるのがおすすめです。
また、既に社内で育休から復帰した女性社員がいる場合は、話を聞いてみるのも良いでしょう。復帰後の社内の立場やキャリアについて知ることができます。
地方の転職先の探し方
最近はUターンやIターン、Jターンといった言葉が生まれているほど移住を伴う転職が盛んです。
このように移住して転職をしたい場合でも、基本は大手転職サイトで、居住地を選択して検索して探します。
そこで自分に合った求人が見つからなかった場合は「はたらいく」のような中小企業や・地方求人に重点を置いた転職・求人サイトを活用してみてください。
- Uターン転職:地方で生まれ育った後、大学進学時または就職時から都心に住み始めて都心の企業に就職するも、生まれ育った土地に別の仕事を求めて移住して転職すること。
- Iターン転職:都会で生まれ育ち、都会の企業に就職した後、地方に移住して働くこと。
- Jターン転職:地方出身者が都心の会社で就職後、生まれ育った故郷とは異なる地方で働くこと。
やりたい仕事の見つけ方【何がしたいか分からない方向け】
「やりたい仕事が見つからない」と悩む方は多いです。
しかし、やりたい仕事を見つけて仕事に取り組んでいる人はごくわずかです。多くの人が「本当に好きなこと」を見つけていません。
そこで、一度やりたい仕事探しを辞め「自分がどうありたいか」を考えてみてください。
自分がどんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを考えるのです。
考えやすいところだと「社長になりたい」「優秀な人と働きたい」「自分のスキルを磨きたい」「凄いねって言われたい」といった思いがあるでしょう。
このような思いを大事にして「なんとなく楽しそう」と感じられる仕事を探してみてください。やりたい仕事まで見つからなくとも、面白そうな仕事は見つけられるはずです。
おわりに
どんな企業にも良いところと悪いところがあります。転職活動を始め、いろいろな企業を見ると、最終的な決断が難しくなってしまうことがあります。
したがって、転職活動を開始する前に「自分は今回の転職で何を成し遂げたいのか」をはっきりさせておくことが大切です。
そうすれば、どの媒体を使用してもどんな企業と出会っても、自分自身を大切にしたキャリアチェンジができるはずです。
皆さんの転職活動がうまくいくことを応援しています。