晴れて希望の会社に新卒入社したはいいものの、「今の会社に違和感を感じている」「思っていた雰囲気と違った」そんな風に考えている社会人に本記事をお送りします。
もし、今の会社に違和感を感じているならば、「第二新卒」として転職活動をする手段があります。
現在の日本では、転職求人の約7割が第二新卒歓迎で、第二新卒は世の中的に求人ニーズが高い年代といえます。
しかし、「自分は第二新卒に該当するのだろうか?」「第二新卒としての転職メリットはある?」というような疑問をお持ちの方も多いのも事実。
今回は、第二新卒の定義から第二新卒の転職メリット・デメリットをご説明します。
いつからいつまでが第二新卒?
第二新卒の明確な定義は存在しません。しかし、一般的には以下の条件を全て満たす人が第二新卒になります。
- 新卒入社してから3年以内の20代で、転職活動を経験していないこと
したがって、30歳を迎えてしまった人、過去に1度転職を経験している人は第二新卒ではなくなり、「中途」になります。
また、アルバイトは就業経験に含まないので、新卒で就職せずにアルバイトをしていた場合は、「既卒」となります。
では、第二新卒として転職することのメリットとデメリットはどこにあるのでしょうか。次の章で解説します。
第二新卒で転職するメリット3点
ここでは、メリットを3点挙げたいと思います。
《第二新卒のメリット》
- 若いから採用されやすい
- キャリアチェンジができる
- 待遇や給料が向上する可能性がある
詳しく見ていきましょう。
メリット①:若いから採用されやすい
転職市場において、「若さ」は大きな武器になります。
企業側も若い人材を採用して仕事を教えることで、年齢の高い人よりも長期間にわたって会社の利益に貢献してくれると考えます。
また新卒と異なり、採用後すぐに働ける点は、人材不足に悩んでいる企業にとってプラスです。
メリット②:キャリアチェンジができる
第二新卒は、ゼロからキャリア形成を始めるラストチャンスと考えてください。
それまでの職種と畑違いの職種への転職が可能ということです。例えば、経理⇒マーケティングや技術職⇒営業といった形です。
また、今までの経験を踏まえて、より自分に合った職種や発展系の職種を探すベストの時期でもあります。
例えば、MR⇒医療系人材コンサルタントやITコンサルタント⇒社内SEといった形の転職も可能です。
メリット③:待遇や給料が向上する可能性がある
第二新卒としての転職活動は、新卒に比べてライバルとなる応募者数が少なく、新卒時には入社できなかった大手企業から内定を獲得することも十分可能だからです。
また、ホワイトな中小企業でも人手が足りていない会社も多く、そういった会社を探すことで、待遇や時給換算した時の給与の向上が期待できるでしょう。
第二新卒で転職するデメリット3点
メリットがあれば当然デメリットも存在します。ここでは、デメリットを3点あげたいと思います。
《第二新卒の転職デメリット》
- またすぐ辞めるのではないか疑われる
- 社会人としての基礎について厳しく見られる
- 昇進・退職金で新卒と差がつく場合がある
それぞれ詳しく見ていきます。
デメリット①:すぐ辞めるのではないか疑われる
企業側も第二新卒は長く働ける人を求めています。よって、面接でのチェックポイントの一つに「すぐ辞めるかどうか」があります。
対策としては、しっかりとした退職理由を持つことです。
企業側は退職理由をもとに長く働けるかどうかを見極めようとしています。他責の発言は避け、自責の観点から話すことがポイントです。
デメリット②:社会人としての基礎について厳しく見られる
第二新卒は即戦力ではないため、すぐに成果を求められることはありません。
しかし、社会人として当然のビジネスマナーは、身につけている前提で扱われます。
新卒と比べて、社会人マナーは厳しめに見られるため、今一度ビジネスマナーを見直しておきましょう。
デメリット③:昇進・退職金で新卒と差がつく場合がある
会社の幹部候補生は新卒から登用するという会社も珍しくありません。
また、退職時には、勤続年数の関係で退職金が同期にあたる新卒よりも少なくなってしまう場合があります。
ただし、こちらは会社によりけりですので、転職活動の際は、入社後のキャリアアップの展望などを聞いてみても良いでしょう。
第二新卒の転職を成功に導く3ステップ
第二新卒の転職でキャリアアップするための手順を、3ステップに分けてお伝えします。
《第二新卒の転職を成功に導く3つの方法》
- 新卒の就活とやり方を変えてミスマッチを防ぐ
- 今後のキャリアを考える
- 徹底した自己分析を行う
①新卒の就活とやり方を変えてミスマッチを防ぐ
新卒時の就活では、どこかに違和感を感じながらも内定をもらった会社を「縁があった企業だ」と納得させて、就活を終えた方も多いのでしょうか。
しかし、第二新卒では新卒と同じ方法で転職先を探すべきではありません。
なんとなくのフィーリング(もちろん重要ですが)だけで企業を選ぶのではなく、次は同じミスを繰り返さないように「転職先とのミスマッチを避ける」ことを念頭におきましょう。
そのためには、まず情報収集を徹底的にするべきです。
採用する企業側は、自社の悪い面を声を大にして言ったりはしません。「何かちょっと引っかかる」という点があれば、面接官だけではなく現場社員に話を聞いてみたり、転職エージェントに内部事情を聞いてみると良いでしょう。
②今後のキャリアを考える
転職を目的とするのではなく、転職した後のキャリアプランを考えましょう。
転職の時には、現職から離れたいという気持ちが強いばかりに後先に考えずに転職活動を行ってしまう人が後を絶ちません。
そうした焦りに押された転職は、やはり入社後のミスマッチを生みやすいです。
転職の更にその先を考えて、「応募先企業でどのように働きたいか」「どのように応募先企業に貢献できるか」「長期的にはどうなりたいか」をしっかりと話せるようにしましょう。
③徹底した自己分析を行う
働いた経験が無い大学生時代よりも仕事における自分の強み等もある程度は把握できると思います。
その経験を活かして、ビジネスにおける自分の強み弱みを分析し、自らの適性を理解しましょう。
また、新卒入社した会社が自分に合わなかったと嘆くのではなく、次の転職先で希望通りの働き方ができるように現状の自分の価値観・仕事観を認識しておくことが大切です。
市場価値が高まる時期を理解しよう
転職市場での自分の価値を客観的にみることも重要です。これらの市場価値は、求人と求職者のバランスから俯瞰して考えてみると良いでしょう。
全体としては、求人企業よりも求職者数が少ない売り手市場に転職活動をする方が、内定獲得はしやすいといえます。
また年代によっても、企業側の採用ニーズが強い年代・弱い年代が存在します。
企業側の採用ニーズが高い年齢としては、以下の2つがあげられます。
- 25歳(社会人2~3年目)
- 28歳(社会人5~6年目)
第二新卒は、年代別でみた時に最初の転職ポイントといえます。以下で詳しくみていきましょう。
①第二新卒ターゲットの求人が多い理由
第二新卒は以下の2点を企業から期待されていることから、採用ニーズが増える傾向があります。
- 社会人としてのマナーが身についていること
- 適応力がある
- 社会人としてのマナーが身についていること
「第二新卒」と「新卒」の大きな違いは、就業経験の有無です。
新卒一括採用の日本において、企業は新卒社員に研修を受けさせて、社会人としてのマナーを身につけさせる必要があります。
しかし、第二新卒では既に社会人としての基礎が身についているので、企業側は研修のコストを削減できます。
- 適応力がある
第二新卒は、前職のカルチャーに染まりきる前に転職をします。
そのため企業側は、自社の慣習になじみやすい人材と判断しています。
過去の経験が豊富なベテラン社員の場合、社風に馴染もうとする努力が足りなかケース等もあります。
そのため、企業によっては第二新卒の若手の方が自社のカルチャーに合うと考えている会社も少なくありません。
②社会人5~6年目がターゲットの求人が多い理由
これは、「他社の管理職候補のエース級社員を採用したい」という思惑があります。
社会人5、6年目である程度の経験を積みながらも、まだまだ成長の伸び代がある層は、企業にとっても採用したい世代なのです。
おわりに
第二新卒としての転職には、メリットもありますがデメリットもあります。それぞれを理解した上で、「本当に今転職するべきかどうか」は慎重に判断しましょう。
いずれにせよ、就職活動時の企業選びの方法を見直し、会社に合わなかったことをマイナスに捉えるのではなく、プラスに変えて有意義なキャリア生活を送る意識が大切です。
長期的なキャリアを考え、後悔しない選択をしてください。