退職後の転職活動に必要な貯金額は?失業保険を受け取る流れは?

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転職活動を現在の会社を辞めてから行おうとする場合、最も心配なことがお金の問題です。

「転職活動にかかる費用をどう見積もるの?」「費用を踏まえ、転職活動開始までに必要な貯蓄はいくら?」「収入は失業保険をあてにできる?」などお金に関する悩みは様々だと思います。

本記事では転職活動前にためておくと安心な貯金額をお伝えします。

転職の費用計算例や失業保険給付をもらう流れもご説明してありますので、皆さんの状況をあてはめて考えてみてください。

退職後の転職活動で必要な貯金額はいくら?

貯金

一般的に、転職活動は動き始めてから3か月~半年の期間がかかるとされています。場合によっては長期戦になることもあるのが、怖いところです。

転職活動が長引いた場合でも、腰を据えて転職活動を行うために、貯金を蓄えておきたいものです。では、いったいいくら必要なのでしょうか。

最低限100万円の貯金は欲しい

100万円という数字は、1か月の生活費と転職費を25万円と仮定した場合の、4か月分の出費になります。

「4か月」が目安になる理由は、キャリアアップを目指して自己都合で転職した場合、ハローワークから失業給付金(雇用保険)をもらうまで4か月近くかかるからです。

つまり、雇用保険をもらうまでの4か月の間は無給になるため、その間の生活費は自分で用意しておく必要があります。

ただし、退職理由が会社の倒産やリストラが原因の「会社都合による退職」の場合、失業給付金は1か月以内に支給されます。

必要な貯金額の求め方

最低限の貯金だけでは心配だという方も多いのではないでしょうか。そういった方は、1年分の生活費を用意しておけば安心でしょう。

1年間で必要な貯金の概算額は、下記の計算式で求めることができます。

「1年分の生活費」ー「失業給付金の総額」=「必要な貯金額」

  • 1年分の生活費は?

前項でも書きましたが、一般的に1か月で25万円の出費を見ておけば大丈夫でしょう。したがって、25万円×12か月=300万円が目安となります。

詳しくは、次の章で解説します。

  • 失業給付金の総額は?

失業保険の金額は、「給付日数」×「1日当たりの給付額」で求められます。
給付日数は、雇用保険に加入していた期間によって決まります。

  • 1年以上10年未満…90日
  • 10年以上20年未満…120日
  • 20年以上…150日

加入期間が10年未満の場合は、3か月しか給付されないのでご注意ください。また、1日当たりの給付額は、退職日前6か月の賃金日額の5割~8割と考えてください。

失業給付金の貰い方は、後半で説明いたします。

転職活動中の費用ってどれくらい?

紙幣を数える男性

ここまで転職活動の費用を25万円と仮定してお話してきました。これは、現在の年収が500万円の30歳独身の場合をベースに計算しています。

転職では、「生活費」と「転職活動に必要な出費」を貯金を切り崩して賄う必要があります。

「生活していくうえで必要な出費」と「転職活動に必要な出費」をそれぞれ考え、25万円という数字にいたった過程をご説明します。

ご自身の状況に合わせて、節約出来る箇所があるか見てみてください。

生活していく上で必要な出費

毎月の支出額は、税金や社会保険料も考慮に入れる必要があります。この記事では、1か月の支出を以下のように考えました。

  • 国民年金(平成30年度):16,340円
  • 国民健康保険料:29,810円
  • 住民税:20,500円
  • 家賃:80,000円
  • 光熱費:15,000円
  • 通信料:15,000円
  • 食費:40,000円
  • その他諸経費:20,000円
  • 生活費の総額:236,650円

転職活動で必要な出費

上記の生活していくうえで必要な出費に加えて、転職活動中には、以下の場面でお金がかかると想定されます。

  • 交通費
  • 宿泊費(遠方から転職活動する場合)
  • 出先での食事や、カフェでの飲食代など
  • 身だしなみにかかるお金(スーツ、靴、カバンなど)
  • 履歴書代、切手代
  • 情報を得るための書籍代など

今回の記事では、1か月あたり上記の金額が15,000円だと想定しています。

したがって、生活費と転職で必要な金額を合計すると、約25万円になります。

失業給付金を受け取る方法・流れ

時計とお金

失業給付金(雇用保険)をもらうためには、満たさなければならない条件と手続きの流れがあります。簡単にご紹介しておきますね。

雇用保険の受給資格を得る条件

以下の5つの条件を全て満たす必要があります。

  1. 雇用保険加入期間が1年以上あること。
  2. 離職の日以前の2年間に、被保険者期間(11日以上働いた月)が通算して12か月以上あること。
  3. 離職して被保険者の資格を失ったことが確認できること。
  4. ハローワークに来所し、求職の申し込みをしていること。
  5. 「失業状態」(就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があり、求職活動を行っているが、就職できていない状態)であること。

雇用保険の手続きの流れ

手続きは以下の手順で行ってください。

  1. 退職(離職票の請求)
    退職してから10日以内に、離職票を以前の会社で発行してもらいます。
  2. 離職票の受け取り
    離職票が届いたら、ハローワークに持参する書類を揃えます。
  3. ハローワークに行く
    求職の申し込みと。求職票の記入をします。
  4. 受給資格の決定
    ハローワークが求職票を受理することで、受給資格が決定します。
  5. 受給者説明会
    出席すると、「受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されます。
  6. 失業認定日にハローワークに出向く
    通知された失業認定日にハローワークに出向き、失業認定を受けます。
    以後4週間ごとに出向き、求職活動の報告を行います。
  7. 振込
    失業給付金が振り込まれるのは、最初の失業認定日から4~5日後です。
    指定した口座に28日分が振り込まれます。

おわりに

電卓

今回は、最低限必要な貯蓄額や、応募者の方に合わせて貯蓄額を求める方法をご紹介しました。もちろん、転職活動に専念できる貯金をためることが、転職活動の第一歩です。

ただ、あえてここでもう一点付け加えておきたいことがあります。
それは、「給与収入がゼロのときに精神的に耐えられるか」という点です。

貯蓄が十分にある場合でも、毎月の給与収入がなくなってしまうと、多くの方が不安になります。貯蓄を切り崩す生活が始まり、転職活動が終わるまで貯金は減る一方だからです。

失業給付金があっても、次の仕事が決まるまでは、気持ちの面で自分との闘いをしなければなりません。次の仕事が決まるまでは、「貯蓄がなくならないか」という不安に駆られることもあり、きついでしょう。

しかし、転職活動という人生の大きな岐路の一つで、自分のキャリアを切り拓くには避けて通れない道です。退職後には、精神的につらい時期もあると知っておきましょう。

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