ここでは、ゲーム業界各社の平均年収・売上高ランキングから、各社の基本情報とその比較、ゲーム業界全体の動向までご紹介します。
ゲーム業界は、2016年にナイアンティックと株式会社ポケモンによる共同開発でリリースされたポケモンGOが世界的な大ブームを引き起こしたり、2017年には任天堂がNintendoSwitchを発売したりと、話題が絶えず目が離せない業界であります。
転職において、各企業についてHP等から個々に情報を得ることも大切ですが、企業間の情報をまとめて比較することは業界研究にもつながるので、ぜひ参考にしてみてください。
ゲーム業界の平均年収ランキング!TOP5を発表!
ここではゲーム業界の平均年収ランキングトップ5と各社の基本情報をご紹介していきます。ゲーム業界は他業界と比べて年収が高めであることが特徴の一つです。
第5位 セガサミーHD 849万円
- 売上高 3,236億円
- 営業利益 177億円
- 従業員数 7,726名
- 本社 東京都港区東新橋1-9-2汐留住友ビル
- 設立年 2004年
リリースしたゲームタイトルとしては、「龍が如く」「JUDGE EYES: 死神の遺言」などがあります。
また、ゲーム事業だけでなく、アミューズメント施設、サミー社をはじめとしたパチンコ遊技機事業やパチスロ遊技機事業、リゾート事業も展開しています。
第4位 任天堂 891万円
- 売上高 1兆556億円
- 営業利益 1,775億円
- 従業員数 5,501名
- 本社 京都市南区上鳥羽鉾立町11-1
- 設立年 1947年
任天堂は世界的に有名な、家庭用ゲームの王者的存在であり、1983年にファミコンを発売して以来、DSやWiiなどが爆発的ヒットを生みました。
ハード・ソフト一体型のゲームビジネスを中心に展開してきた任天堂は、ゲーム文化において世界に知られる日本ブランドを確立してきたと言えるでしょう。
リリースしたゲームタイトルとしては、「スプラトゥーン」「星のカービィ」「スーパーマリオブラザーズ」「ドラゴンクエスト」などがあります。
第3位 ソニー 935万円
- 売上高 8兆5,439億円
- 営業利益 7,349億円
- 従業員数 117,300名
- 本社 東京都港区港南1-7-1
- 設立年 1946年
ソニーといえば、テレビ・ラジオ、デジタルカメラ、スマホなどのコンスーマー製品を販売しているイメージが強いですが、実は家庭用ゲーム産業の一翼を担う存在でもあります。1994年に発売されたプレイステーションは累計出荷台数が1億台を突破するほどの大ヒットでした。
リリースしたゲームタイトルとしては、有名なものに「グランツーリスモ」「みんなのゴルフ」「アンチャーテッド」などがあります。
ソニーはコンスーマー製品の販売やゲームビジネスの他にも、ゲーム放送用・業務用機器、半導体、医療用映像機器等の製造も手がけます。さらに新規事業として、自立型エンタテインメントロボットaiboの開発などにも事業を広く展開しています。
第2位 バンダイナムコHD 1,174万円
- 売上高 6,783億円
- 営業利益 750億円
- 従業員数 7,871名
- 本社 東京都港区芝5-37-8
- 設立年 2005年
リリースしたゲームタイトルとしては、「ONE PIECE トレジャークルーズ」「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」などがあります。
ゲームビジネス以外には、玩具や食品、生活用品などの販売を手がけるトイホビー事業や、アミューズメント施設の運営などをするリアルエンターテインメント事業、他にも映像音楽プロデュース事業というように幅広く事業を展開しています。
第1位 スクウェア・エニックスHD 1,402万円
- 売上高 2,503億円
- 営業利益 381億円
- 従業員数 4,335名
- 本社 東京都新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア
- 設立年 1975年
リリースされたゲームタイトルとして有名なものでは、「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」「キングダムハーツ」などがあります。
ゲームを中心とするデジタルエンタテインメント事業の他に、アミューズメント施設「タイトーステーション」の運営、コミック雑誌や単行本をはじめ、ゲーム攻略本等ゲーム関連書籍の販売などの事業を展開しています。
ゲーム業界の年収は平均と比べて高い?低い?
業界地図の11ページ40歳モデル年収の業界平均と比較してみます。
- 40歳全体の平均年収・・・600万円
- 40歳時点でのゲーム業界の平均年収・・・637万円
ゲーム業界の平均年収は、業界全体の平均と比べて若干高収入であることが分かります。ただし前述の年収ランキング上位の会社の場合の平均年収は、業界平均よりもかなり高くなっていることが分かります。
ゲーム業界各社の平均年齢、勤続年数、残業時間は?
次にゲーム業界年収ランキング上位企業の平均年齢、平均勤続年数、残業時間、有給日数を見ていきましょう。
ここでは、年収だけを比較するのではなく、残業時間や平均年齢など複数の視点で企業分析をすることでより深い企業理解をすることができます。
平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 残業時間(月) | 有給休暇消化率 | |
スクウェア・エニックスHD | 1,402万円 | 45.7歳 | 3.5年 | – | – |
バンダイナムコHD | 1,174万円 | 46.6歳 | 17.4年 | 32.9時間 | 72.2% |
ソニー | 935万円 | 42.3歳 | 18.5年 | 37.5時間 | 57.8% |
任天堂 | 891万円 | 38.6歳 | 13.5年 | 32.6時間 | 76.4% |
セガサミーHD | 849万円 | 41.7歳 | 4.0年 | 22.6時間 | 63.9% |
上記のどの指標を重視するかは人それぞれ違うでしょう。ここでは分析のポイントをいくつか紹介します。
1.平均年齢は何歳か・・・年収が多少低くても平均年齢が低ければ生涯給与は高い可能性がある。
2.有休消化率はどのくらいか・・・有休取得可能日数だけでなく実際の消化日数を比べることが大切。取得率が低ければ有休申請しづらい社風の可能性も。
3.残業時間は何時間か・・・いくら平均年収が高かったとしても残業時間が多く、体を壊してしまっては元も子もない。
ゲーム業界の市場規模・動向、今後の課題は?
ゲーム業界の市場規模
ゲーム業界の市場規模は国内では1兆3,590億円、世界では8兆2,667億円となっています。
破竹の勢いで成長をしてきたスマートフォンゲーム市場も近年は安定期に入り、スマホゲーム世界2強とされる、「キャンディークラッシュ」を展開する英キングやソフトバンクの子会社であるスーパーセルが大手ゲーム会社に買収されるなど、業界再編の動きが見られます。
国内ではスマートフォンを軸にオンラインゲームの拡大が続いている一方、家庭用ゲーム機は縮小傾向が続いている状態です。それはゲーム機の普及が進んだことで需要が落ちてしまったことに起因すると考えられます。新たなハード機のリリースなどによる需要回復が期待されます。
ゲーム業界のトピックス
仮想現実(VR)
2016年に各社からVR対応のゲームが相次いで発売され、アクションやリズムゲームやFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)など多岐にわたるゲームがリリースされています。
VR元年である2016年のVR製品は実は中小企業による支えが大きかったものの、2017年からは大手の本格参入が見られるようになり、今後のVR市場に対する期待の高まりが伺えます。
リサーチ会社TechNavioによると、ゲーム市場におけるグローバルVRが今後4年間で着実に成長し、2020年までに84%以上成長すると予測されています。
現在のVRゲーム市場においてはハードウェアが主流ですが、ソフトウェアが今後4年以内にハードウェアを追い越すだろうという予測もあり、今後の市場変動に注目が必要です。
ゲーム業界の課題
ソーシャルゲームの将来性
ソーシャルゲームとは主にSNS上で提供されるオンラインゲームのことです。一方で、家庭用ゲーム機を用いたゲームをコンシューマーゲームといいます。
ソーシャルゲームでは、ゲーム提供会社はグーグルプレイやApp Storeなどのアプリマーケットのストアにアプリ登録をし、ユーザーがそれをダウンロードしアプリ内でアイテムを購入することにより、その売り上げの約7割がゲーム提供会社にいく仕組みになっています。
近年台頭してきたソーシャルゲームですが、消費者に求められるクオリティが高まってきたことにより、開発費が増加傾向にあります。また、人気上位アプリが定番化してしまい新規タイトルの人気獲得が難しくなってきているという問題も抱えています。
競争の激化によるこのような課題への対策が求められるようになっているというのが現状です。
少子化対策
近年の少子化により、ゲームをする子供の人口が減少は今後避けられないものになっていきます。子供をターゲットにしたゲームが多く開発されている一方で、今後はいかに大人を取り込み、ゲーム人口を維持していけるかが重要になってくると考えられます。
ゲーム業界の売上高ランキング!
ゲーム業界の売上高ランキング
ここではゲーム業界の売上高ランキングをご紹介します。
- ソニー 1兆4,797億円
- 任天堂 5,044億円
- バンダイナムコHD 3,179億円
- スクウェア・エニックスHD 2,141億円
- セガサミーHD 1,988億円
売上高ランキング1位にはソニーがきています。非常に幅広い事業を手がけ、従業員数も他社と比べて桁違いだったソニーが、圧倒的な売り上げを上げていることが分かります。その次に任天堂、バンダイナムコが続きます。
ゲーム業界の今後も盛り上がりに注目!
ゲーム業界の平均年収ランキングに加え、各企業の基本情報とその比較、業界動向、売上高ランキング等をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
家庭用ゲーム機の需要の低迷、少子化によるゲーム人口の減少等の課題を抱えるものの、スマホゲームの台頭による市場拡大や新型のハード機のリリース、さらにVR・MRなど、今後も目が離せない注目業界です。
ゲーム業界に転職を考えている方は、業界の動向を掴みつつ、各企業のHPなどからより詳細かつ最新の情報をチェックしてみてください。