製薬業界の中で、日本最大手の武田薬品(正式名称:武田薬品工業株式会社)の企業情報、業界動向、採用情報を一挙に紹介します。
2014年から外国人の社長にもなり、経営陣の大半が外国人とグローバル化や海外市場への進出を図る武田薬品。
そんな武田薬品を目指す人は、企業の今後の経営方針を理解することが必要です。
そのためには、製薬業界の動向や今後の展望も知っておくと良いでしょう。ここでは転職希望者に必要な情報をわかりやすく解説していきます。
武田薬品工業株式会社の会社概要!従業員数や売上高は?
項目 | 詳細 |
本社所在地 | 東京都中央区本橋本町2二丁目1番1号 |
代表者 | クリストフ・ウェバー |
設立 | 1925年 |
事業内容 | 医薬品等の研究開発・製造・販売・輸出入 |
従業員数 | 27,230名 |
売上高 | 1兆7,705億円 |
本社が日本にありながら、社長を含め経営陣の大半が外国人であり、社内では英語が頻繁に飛び交う会社です。
武田製薬のネットワークは、米国、ヨーロッパ、中南米、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジア太平洋地域70以上の国・地域にまたがり、医薬品は世界の約100カ国で販売されています。
主な製品として、アリナミン(アリナミンA、アリナミンEXプラスなど)、タケダ漢方便秘薬、ベンザブロック、ボラギノール、マイティアなどがあります。
タケダの研究開発活動は、オンコロジー(がん)、消化器系疾患(GI)、ニューロサイエンス(神経・精神疾患)、ワクチンの4つに絞り込んで研究を進めています。
武田薬品の事業内容まとめ!主な医療製品にはどんなのがある?
武田薬品は生活習慣分野の強く、がん、消化器、中枢神経、そしてワクチンの4つに絞り、専門性を高めています。
これらの研究のために、研究開発パートナーや産業間との連携を強化し、有望な若い研究者を支援を行い、会社が大切にするイノーベーションを促進しています。
子会社・関連会社としては、以下の会社があります。
- 武田コンシューマーヘルスケア株式会社
- 日本製薬株式会社
- 武田テバファーマ株式会社
- 株式会社エルアイ武田
- 武田技研サービス株式会社
また、主な製品としては、よくcmでも目にするようなものも多数あります。
《武田薬品が提供している主な製品》
アリナミン(アリナミンA、アリナミンEXプラスなど)、タケダ漢方便秘薬、ベンザブロック、ボラギノール、マイティア
武田薬品の売上高、営業利益は?
武田薬品の業績は、2014年から2016年まで売上高らは順調に上昇しましたが、2017年に一度減少してしまいました。
しかし、2018年にはまた売上を引き延ばしています
米国における米国における2型糖尿病治療剤「アクトス」の発がんリスクをめぐる製造物責任訴訟が起きたため、2015年には営業利益、経常利益共にマイナスが出てしまっています。
武田薬品工業株式会社の年収、平均年齢、勤続年数、残業時間を競合他社と比較!
ここでは製薬業界の大手、アステラス製薬や第一三共などの競合他社と比較してみます。
平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 残業時間 | 有給日数 | |
ソレイジア・ファーマ株式会社 | 1,576万円 | 48.4歳 | 3.7年 | ー | ー |
シンバイオ製薬株式会社 | 1,195万円 | 49.9歳 | 4.4年 | ー | ー |
第一三共株式会社 | 1,103万円 | 42.5歳 | 18.5年 | 14.8時間 | 11.1日 |
そーせいグループ株式会社 | 1,087万円 | 46.5歳 | 4.3年 | ー | ー |
アステラス製薬株式会社 | 1,079万円 | 43.2歳 | 17.8年 | ー | 13.6日 |
武田薬品工業株式会社 | 1,038万円 | 40.8歳 | 14.5年 | 16.1時間 | 12.5日 |
平均年収を見れば、武田薬品よりも高い企業はありますが、日本人の平均年収が約400万円なので武田薬品の平均年収も十分高いことが分かります。
平均年齢も低いことから生涯賃金で考えれば、武田薬品よりも平均年収が高い企業ともあまり変わりません。
武田薬品の社長はどんな人?
ここでは、現社長・クリストフ・ウェバー氏の経歴や今後の事業方針をまとめます。
クリストフ・ウェバー
1996年生まれ フランスのドイツ国境に近いアルザス地方出身。
1992年 仏リヨン第1大学薬学博士取得
1993年 GSK入社
2003年 GSKフランス会長兼CEO
2008年 GSKアジア太平洋上級副社長兼地域統括
2011年 GSKワクチン社社長兼CEO
2014年4月 当社チーフ オペレーティング オフィサー
2014年4月 当社コーポレートオフィサー
2014年6月 当社代表取締役社長
2015年4月 当社代表取締役社長 CEO (現在に至る)
両親が医者だったため、その影響を受け製薬業界入り。オーストラリア、イギリス、ベルギー、シンガポールなど8カ国で勤務していました。
そんなクリストフ・ウェーバー氏はロイターに応じ、国内最大のシャイアー買収について述べました。
- なぜ買収が必要だったかのか?
シャイアー買収は我々の会社に勢いを与え、競争力を高めることができると信じています。研究開発のためのより力強い投資を維持することができるからです。
- 研究開発企業の規模としてこれで満足か、それとももっと大きくしていくつもりか?
十分に競争力はあると思います。米国、日本、ヨーロッパ、新興国で十分な強みを持っており、地域的なバランスも良い。研究開発費も十分ですし、適切な戦略の下、優れた候補物質の研究開発が進んでいます。弱みはないと考えています。今回の買収によって、タケダはグローバルでのリーディングプレーヤーになれるのです。
アイルランドにあるシャイアーを買収した事による、本社の移転や「タケダ」の名前も変わらずそのまま行くと述べました。
武田薬品工業株式会社の口コミ情報!転職ギャップや組織体制の実情は?
給与・ボーナス、福利厚生は?
給与・福利厚生に関してはあまり不満を持っている方はいないようです。
社内もグローバル化が進んでいることもあり、ボーナスは成果主義を取り入れていると言う意見が多く見られました。
組織体制や社風は?
社長がフランス人、経営陣の大半も外国人となり英語でのコミュニケーションが必要とされるようになってきているようです。
英語でも自分の意見をはっきりと伝え、説明することが重要になると言う意見が多く見られました。
日本企業と言うよりは、もう外資系企業のようだと言う意見も多く見られ、日本よりも海外に目を向けていると思っている人も多いようです。
労働時間や休日、残業は?
会社内でも有給取得の向上に努めていることもあり、有給が取得しやすい環境であるようです。
また、フレックスタイム制を多くの部署で導入しており、プライベートと仕事のバランスは取りやすいと言う意見も多く見られました。
しかし、これらの良い環境や残業時間削減の方針がある一方で、世代が上の人は有給を取らず働くことをよしと考えている人も少なくなく、部署によっては有給を取りにくいところもあるとのことでした。
転職前後のギャップはある?
転職理由としては、日本最大手の製薬会社であることと、そこに集まる社員の人たちも意識の高さからこの会社を選んだと言う意見が多く見られました。
また、グローバルなフィールドで仕事をすることができると言う理由で選んだ方も多いようです。
ギャップとしては、やはり英語が必須になり始め会社もグローバルに展開する反面、昔ながらの日本の考え方を持った方もいると言う意見も見られました。
製薬業界の市場動向や今後の課題は?
製薬業界の市場規模
ITサービス業界の市場規模は、国内では10兆5,141億円、世界では123兆4,880億円と市場規模はとても大きいです。
国内市場は、2005年から右肩上がりが続いています。世界的に見ると国内の市場規模は、米国、中国についで第3位です。ですが、国内の企業と海外の企業を比べるとまだまだ海外企業には敵いません。
世界の製薬業界ランキングを見てみると、上位25位以内に国内企業は3社しかランクインしていないのです。
国内最大手の武田薬品工業が2016年のランキングでは17位、国内2位のアステラス製薬が20位、国内3位の第一三共が25位という結果になっています。
市場規模の拡大のため、1990年から2000年代前半にかけて、企業の業績を大きく左右することもある、大手メーカー同士が再編、統合、買収を繰り返しました。そうすることで、莫大な費用と時間を要する研究開発費に対応してきたのです。
例えば、過去には、2005年4月に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併し、アステラス製薬が誕生しました。
2007年4月には三共と第一製薬が経営統合し、第一三共が誕生し、さらに第一三共は平成2008年、インドの後発薬大手ランバクシー・ラボラトリーズを子会社化しています。
製薬業界の動向・トピックス
国内の市場規模は今後縮小していくと考えらています。
高齢化の影響から、社会補償給付費における医療費が年々増加していくことが予想されます。
そこから生じる、市場規模を減少傾向にする原因が2つ浮かび上がってきます。
- 薬価の引き下げ
- ジュネリック医薬品の普及
2018年4月の薬価改定では、製薬業界平均で7.4%の引き下げが行われ、厚生労働省は2019年10月に薬価を引き下げる方針をまとめました。
また、日本政府は平成30年度から平成32年度末までの時期に、ジェネリック医薬品のシェアを80%以上にするという新たな目標を掲げました。
コストが上昇する中、縮小する国内市場への対策として、海外市場へと拡大を図る企業は今後増えていくと予想されます。
製薬業界大手の平均年収、売上高ランキング!
平均年収ランキングTOP3
第1位 ソレイジア・ファーマ製薬株式会社 1,576万円
第2位 シンバイオ製薬株式会社 1,195万円
第3位 第一三共株式会社 1,103万円
残念ながら、国内大手の武田製薬でも平均年収のTOP3に入ることができませんでした。
全業界の40歳時点での平均年収は600万円なのに対し、製薬業界の平均年収は731万円なので業界で見ても高いことが分かります。
売上高ランキングTOP3
第1位 武田薬品工業株式会社 1兆7,705億円
第2位 アステラス製薬株式会社 1兆3,003億円
第3位 第一三共株式会社 9,601億円
武田薬品、アステラス薬品、第一三共が国内売上のトップ3となりました。国内最大手の武田薬品はシャイアー買収により、さらに大きくなると期待されています。
武田薬品の中途採用情報まとめ!
中途の募集職種
《武田薬品の中途採用求人例》
- (山口)理化学試験担当
- 製剤設計研究者
- サプライチェーン関連タスクフォースプロジェクト担当
- ワクチン製造・技術担当
- New Launch、LCMプロジェクトマネジメント担当
- Director、Supply Management、Supply Chain
- GQP品質保証担当者
- 製造委託先(CMO)サプライプランナー
- エンジニアリング業務(電気系保全)
具体的な仕事内容、募集条件は?
募集は全国で行われており、事業領域や部署によって同じ職種でも仕事内容や求められるスキルは大きく変わってきます。
ここでは、いくつかの職種の仕事内容や募集条件をご紹介します。
詳細が気になる方は武田薬品の公式HPをご覧ください。
職種①:研究開発/製剤設計研究者、ワクチン製造・技術担当
仕事内容
国が定めた基準より厳しい品質管理・品質保証・試験により、安心して服用できる医薬品を届ける。
新工場・新設備の設計と立ち上げ、プロセス改善、技術移管、新製品の工業化等。
募集条件
【必須条件】
- 理系大卒以上
【歓迎条件】
- 医薬品・食品・化粧品・半導体・電子部品等の生産技術、製剤・製造技術に携わってきた方
職種②:生産管理/医薬品のグローバルSCM担当
仕事内容
受注管理、PSIバランス作成、CMO管理・発注、サプライチェーン体制の構築
条件
【必須条件】
- 大卒以上
【歓迎条件】
- 製造業でサプライマネジメントの実務経験がある方
- ビジネスレベルの英語力
中途採用の選考フロー
武田薬品の企業HPによると、エントリーの流れは以下のように行われています。
【STEP 1】Takedajobsにユーザー登録する。
▼
【STEP 2】書類選考
▼
【STEP 3】エントリーフォームからエントリーする
製薬大手の武田薬品は人気企業!事前準備をしっかりとしよう
武田薬品工業株式会社の企業情報、採用情報などをまとめてきました。
シャイアー買収により、研究開発費が増大し今後さらなる拡大が期待されます。それに伴いグローバル化に積極的な武田薬品では、英語力も自然と必要になってくるでしょう。
今後も大きく変わっていくと予想されるため、転職を希望する方は業界動向や会社の最新ニュースをチェックした上でエントリーしましょう。