転職の面接で、必ずと言っていいほど聞かれる質問の一つが「キャリアプラン」。
今すぐにでも今の会社を辞めて転職したい方の中には、「キャリアプランがない」という人もいるかもしれません。
また、面接官を納得させるキャリアプランの作り方が難しいという方もいるでしょう。
そこで今回は、キャリアプランが聞かれる理由とキャリアプランの書き方、答え方をご紹介します。
最後には回答例もあるので、参考にしてみてください。
キャリアプランってそもそも何?
キャリアプランとは、今後のあなたのキャリアにおいて、将来的にどうなりたいかの目標を持ち、その計画を立てることを言います。
具体的には、どんな職種で、どんな業務に関わりたいかを定め、長期的にその目標を成し遂げるためのステップをを考えるということです。
転職では、さらに「今までの経験を活かしてどのように応募先の企業に貢献したいか」にも触れましょう。
転職で面接官がキャリアプランを聞く目的
では、なぜ転職面接でキャリアプランが聞かれるのでしょうか。
チェックされてるポイントとキャリアプランの尋ね方をご説明します。
キャリアプランのチェック項目3点
採用担当者がチェックしている項目は、次の3点になります。
・①会社が掲げるビジョンとの相違はないか
あなたのキャリアプランと応募先企業の現状や今後の方向性と比べて、実現可能性があるか、ずれがないかを確認しています。
企業研究を念入りに行う必要があります。他の応募先企業との使いまわしは、ばれてしまうのでご注意ください。
・②目指すキャリアに向けて努力できる人材か
その成し遂げたいキャリアプランに対して、自ら努力していけるかどうかが確認されます。
前職の悪口を言ったり、仕事のスタンスが受け身だったりすると嫌われる傾向にあります。
・③会社に貢献してくれる人材か
あなたのキャリアプランと会社の方向性がズレていては、お互いに不幸な結果になってしまいます。
ご自身のキャリアプランと企業の発展がリンクできていると良いでしょう。
キャリアプランを尋ねる様々な質問例
企業側は、「キャリアプランを教えてください。」という言い方で、必ずしも質問しません。
他の言い回しもご紹介しておきます。
様々な角度から聞かれるキャリアプランに対応できるように準備しておきましょう。
- 「今回の転職で、どのような経験を積みたいですか?」
- 「今後どのようなスキルを身につけていきたいですか?」
- 「弊社では、あなたのどのような強みを活かして業務に取り組みたいですか?」
- 「あなたの5年後(10年後)のビジョンを教えてください。」
- 「今、キャリアプラン実現のために、どんな努力をしていますか?」
- 「これから、どのような働き方をしていきたいですか?プライベートとのバランスも含めて教えてください。」
転職者必見!キャリアプランの作り方
「ないです」という回答は絶対に避けて
面接で、いきなりキャリアプランを尋ねられて、驚いて「ないです」と答えてはいけません。
「ない」と言われてしまった面接官は、あなたのことを「目標がない人物だ」「計画性に問題あり」と判断する場合があります。
転職希望者に対して、企業側は即戦力であり成長意欲が高い人を求めています。
仕事に対しての目標でもある「キャリアプラン」でアピールできるようにしましょう。
キャリアプランの作り方3ステップ
次の3つの段階で考えてみてください。
①キャリアの目標や理想を考える
次の質問に対する答えを考えてみてください。目指しているものが見えてくるはずです。
- 将来どんな業種で働きたい?
- 自分が追求したい専門性は?
- どれくらいの職位を目指したい?
- どんな規模の仕事をしたい?
②現状の把握をする(自己分析)
自分の価値観や今まで身につけたスキルを言語化しましょう。
次の質問に答えることで、見えてくるでしょう。
- 一番達成感を感じる瞬間は?
- これまでで一番大きな成果は?
- 壁に当たったときにどのように立ち向かう?
- 給与・業務内容・ワークライフバランス・社風の優先順位は?
- 得意業務と不得意業務は?
- あなたの一番のアピールポイントは?
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③目標と現状とのギャップから、具体的な行動目標を立てる
理想像と、自分の現在地が分かったら、理想に近づくうえで足りていないスキルが分かるでしょう。
そのスキルを身につけるため、時間軸を意識しながら具体的に行動計画を考えましょう。
転職の面接で効果的なキャリアプランの答え方
では、実際にキャリアプランを答える時のポイントを5点ご説明します。
・①具体性がある
転職先の仕事はやってみなければ分からないところも多いですが、面接の場ではできる限り具体的なキャリアプランが必要です。
いつまでに、どんな業務を経験し、どんな役職に就きたいかを意識してみましょう。
・②実現可能性がある
現実離れしたキャリアプランにならないように注意しましょう。
「1年で社内トップになり、3年以内に課長職につき、5年で部長になります」等という志は立派ですが、その会社の昇進体制からあまりにも現実離れしていは、口だけの人と思われかねません。
掲げた目標のために、歩むべきステップを明確にするようにしましょう。
・③現在も努力している
あなたのキャリアプラン実現のために、今も行動に移しているかどうかは重要な点です。
意欲がどれだけあっても、行動に移していなければ意味がありません。
・④現状のスキルよりも少し高めの目標設定になっている
自分の実力よりも、少し高い目標を設定すべきです。
志が高いほうが、採用担当者に意欲的な応募者だと印象付けることができます。
・⑤自分の弱み・マイナス点にも目を向けている
強みを伸ばすことは大切ですが、「強みを伸ばすことでどのように弱みを補うのか」についても一度考えておくと良いでしょう。
転職面接でのキャリアプランの回答例
それでは、ここで実際の回答例をご紹介します。
採用担当者に好印象を与えられる答え方
前職での○○の経験を活かし、御社で○○の仕事に携わりたいと思います。
まず1年目は、御社の仕事を覚え、基礎やノウハウを理解して身につけたいと考えます。
3年目までには小さなチームを持ち、部下を統率するマネジメント力や、トラブルを未然に防ぐコミュニケーション能力を磨きたいと考えています。
5年以内には○○部門で10人規模のリーダーとして、社内トップのチームを作り、御社の○○事業に貢献していきたいと考えています。
転職の面接でふさわしくない回答例
以下では、企業側に悪い印象を与えてしまう答え方をご紹介します。
自分のキャリアプランと共通点がないか、ご確認ください。
・応募先企業を踏み台にするキャリアプラン
「将来、独立するために学ぶ。」といった姿勢や「将来的に海外勤務を志しているため、御社の海外支社の配属を希望する。」のようなキャリアプランを好まない会社もあります。
その会社が、起業や独立を応援している場合は別ですが、ほとんどの会社は「出来るだけ長く自社で働いてほしい」と考えているでしょう。
「応募先の会社に貢献したいこと・貢献出来ること」を考えてみてください。
・プライベートが中心のキャリアプラン
「○年後には結婚」や「たくさん稼いで、○○の夢を実現」といった、会社と関係のないプライベート中心のキャリアプランでは、「応募先の会社でしか出来ないこと」が伝わりません。
・前職の悪口を含むキャリアプラン
キャリアプランを伝える時に、「前職では、評価制度が充実していなかったため、私の能力が評価されることがありませんでした。」といった形で、自分の評価を会社のせいにする言い方はやめましょう。
入社後に、何か不満があると会社の環境のせいにすると疑われます。
・「出来るだけ早く」という言葉
キャリアプランは明確な期日を作ることが大切です。
「出来るだけ早く〇〇をしたい」といった答え方では、本当にそのプランを実行するつもりがあるのか怪しまれます。
キャリアプランのスケジュールは具体的な数字で述べるようにしましょう。
キャリアプランを練り上げてから、転職面接へ
キャリアプランは、企業とのマッチングのためには非常に重要です。
ここでお伝えした、キャリアプランの作り方や回答例を参考に、ご自身の将来についてじっくりと考えてみてください。
キャリアプランの他に転職面接の準備をしたい人は以下の記事もご覧ください。
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