「転職は情報収集が命」これは、転職活動を始めるにあたって誰しも耳にする言葉ではないでしょうか。
しかし「どうやって情報収集をするのか」という方法論について詳しく説明してくれるサイトはありません。
そこで今回の記事では、まず情報収集の目的を明確にします。その後、リサーチ情報をもとにした企業研究の手法を10個ご説明します。
苦労して転職活動で内定を勝ち取ったのに「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、情報収集を大切にしてください。
転職の情報収集の目的って何?
まず、転職の情報収集の目的を意識することが大切です。
多くの求職者の方は、「内定を得る」ために情報収集をしています。もちろん、面接対策として応募先企業のことを調べるのは最低限のマナーとして必要です。
しかし、情報収集の最終的な目的は「自分がこの企業に入っても良いかを見極めること」。
したがって、企業研究に加え、転職のためのノウハウや業界動向、最近の社会の動きの情報も集めておきたいところです。
例えば、今読んで頂いているゼロワン転職マガジンのように、各種転職情報メディアには、この記事のように転職やキャリアに関する悩みの解決につながる多くの情報があります。
隙間時間に読んでおくと、選考過程において高評価を得られるかもしれません。
また、業界そのものの知識も大切になります。特にこれから未経験の業界への転職を考えている方は、新卒向けの「業界地図」は分かりやすくてオススメです。
ある程度、転職希望先の業界や企業のことを理解している人であっても、ビジネス誌をチェックしておくと良いでしょう。
一通り目を通しておくことで、転職希望先の社長インタビューや業界の最新動向に関する特集に巡り合える可能性もあります。
業界に対して深く理解をしておくことで、面接時の鋭い質問に対応できたり、逆質問に活かしたり、応募先企業の担当者からの印象も大きくアップするでしょう。
転職先の企業選びで重要な情報収集の方法
続いて、転職の情報収集の中心となる企業研究の手法についてまとめます。
《転職の情報収集方法》
- 四季報や業界地図
- 企業のホームページ
- プレスリリース
- インターネット検索
- 現場に足を運ぶ
- ハローワーク
- 転職エージェント
- 友人や知人
- 口コミサイト
- 採用担当者が書くブログ&Twitter
それぞれ詳しく解説していきます。
①四季報
会社四季報は、投資家に向けて上場企業の財務データが記載されている本ですが、平均年収・平均年齢・定着率を調べることもできます。
四季報は毎年12月に最新版が発売されます。
②企業のホームページ
当たり前ですが、企業の自社ホームページには企業の情報があふれています。その企業が扱っているサービスや最新情報、業績までが載せられています。
ただし、企業側も会社の悪いところは隠したがるため、企業ホームページだけを鵜呑みにすることは避けましょう。
③プレスリリース
プレスリリースとは、企業の新事業や新サービスを報道機関に向けて告知・発表するための文書の事です。
平たく言うと、プレスリリースは「私たちの会社のこんな話を取材してください」という企業側からのメッセージです。新しく展開することが決まったサービスの概要や現状がコンパクトにまとめられています。
興味のある企業や同業他社の最新プレスリリースを是非探してみてください。
④インターネット検索
インターネット検索を使いこなしましょう。社名を検索するのはもちろんのこと、社名+「展望」「評判」といった風にキーワードを変えて検索し、応募先企業に対する世間の評判を理解しましょう。
⑤現場に足を運ぶ
1人の顧客として、転職先企業が提供しているサービスを使ってみることも大切です。
BtoCの企業であれば、実際に店舗に足を運び、その商品やサービスを体感してみると新たな発見があるでしょう。
BtoBの企業であっても、その企業が携わったサービスやプロダクトの一部でも見学できそうであれば、可能な限り自分の目で見て情報収集してみてください。
⑥ハローワーク
ハローワーク(職業安定所)は全国に500か所以上あります。求人件数の多さでは、他のどの求人媒体にも負けません。
企業側は無料で求人を出すことができるため、中小企業が多く利用しています。
たまに、地元の有力企業が含まれていることもあります。自宅の近くで働きたいという思いが強い方は、活用してみてください。相談員との面談を無料で受けられます。
⑦転職エージェント
転職エージェントは、事業戦略に関わるところから、社風、社長の性格まで、ネット上の情報や求人広告からは分からないような情報を持っていることも多いです。
ぜひ、各エージェントの担当者と信頼関係を築いて、企業のウラの情報まで手に入れてください。
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⑧友人や知人
転職を始めたら、信頼できる身近な人に伝えてみてください。(在籍中の場合は、会社にばれないように細心の注意を払うことを忘れずに。)
あなたのことも求人企業のこともよく知っている人が、会社の情報を教えてくれるかもしれません。
⑨口コミサイト
口コミサイトには、ネガティブな情報が集まりやすいという特徴はありますが、捨ててはおけません。
転職活動が終盤に差し掛かったころに、実際に会社で働いたことがある人の意見として目を通しておくと良いでしょう。
転職先の情報収集をしすぎて困るということはないはずです。
⑩採用担当者が書くブログ&Twitter
最近では、企業の採用担当者がブログやTwitterをやっていることも多いです。
企業側の本音に近い部分を発信していることもあるため、応募先企業がSNSを活用していればぜひフォローしておきましょう。
何か質問があれば、SNSを経由して直接質問することも可能です。
転職成功を実現させる企業研究のコツ
ここまでお伝えした方法で情報を集めた後には、仕入れた情報を使いこなす必要があります。
- 複数の切り口から応募する企業を比較する
- 逆質問を考える
①:複数の切り口から企業を比較する
企業を比較する時は、「年収」「福利厚生」といった一つの視点で比べるのではなく、複数の観点から包括的に分析するようにしましょう。
特にIR情報は、どの企業も同じ情報を公開しており、軸がそろっていて比較がしやすいです。
「同様のサービスを行っている中、この企業は立ち位置はどこか」「今後の成長戦略は」といったことを検討して、自分の希望に合った企業を探すことを心がけましょう。
②:逆質問を考える
書類選考通過後の面接の際に「逆質問」の時間があります。
逆質問こそ企業研究・業界研究をしてきた成果を発揮するときです。企業研究をする中で感じた疑問を覚えておき、それを質問できるように用意しておきましょう。
応募先企業のことを調べてきたことが伝わり、採用担当者にとっても好印象です。
内定承諾前にチェックするべき3つのポイント
続いて、様々な媒体を使って企業研究をした後に「どの企業に入ったらよいか」を決めるためのチェックポイントを3つご紹介します。
《内定承諾前に確認したい3ポイント》
- 業務内容
- 会社の将来性
- 社風
①:業務内容
現職と同じ職種であっても、扱う商材や担当する範囲によって仕事内容が異なります。入社前の段階で、仕事のレベルを把握することは難しいですが、1点ポイントがあります。
企業側が求人を始めた理由が「欠員」か「増員」かを把握することです。
もし、欠員が出たということであれば、辞めてしまった人と同等以上のスキルを持つ即戦力が求められています。
入社後すぐに実務にとりかかるよう求められるでしょう。一方で増員ということであれば、入社後しばらくは、試運転の期間を設けてもらえる可能性があります。
②:会社の将来性
これから勤める会社を判断する上で、今後の業績を予想することは大切です。
そこで、会社の主力事業の競合優位性を調べてみるのがおすすめです。競合優位性が低いと感じた場合は、別の事業に注力しているかを見てください。
競合有意性があった場合でも安心せず、その優位性が簡単に覆るかどうかまで判断してみてください。
実際に社内の人から話を聞くチャンスがあれば、商品やサービスの優位性以外にもその会社の戦略についてや業界全体が成長基調にあるかも質問してみてください。
ここからも会社の未来を垣間見ることができるでしょう。
③:社風
会社の雰囲気は働くうえで大切です。とはいえ、良い上司や同僚と巡り合えるかは運もあります。そんな時にチェックしたいのが、査定時の評価項目。
例えば、評価制度の中で「個人の業績」と「チームへの貢献度」のどちらがより評価されるかで、仕事の取り組み方が個人中心なのかチームワーク重視なのかが見えてきます。
また、規模の小さい会社であれば社長や経営層の経歴に着目してください。社長の経歴から社内のカルチャーが推測できます。
おわりに
転職は情報収集が非常に大切です。情報収集をすることで、内定に近づくことはもちろんですし、自分に合った会社選びにもつながります。
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後悔しない転職活動にするためにも、たくさんの情報をインプットして使いこなしてください。