産休・育休の申請手続きまとめ!出産前後にやるべきチェックリスト付

Macを操作する女性

出産を控えた女性にとって、産休・育休は嬉しいものですが、同時にその手続きは様々な種類があり複雑です。

 

会社への産休・育休手続きもそうですが、それ以外にも国からの補助金・手当の給付手当、また健康保険料や厚生年金の社会保険料の免除を受けるための手続きも存在します。

所属している会社以外に区役所に提出する書類やハローワークでの手続きなど、産休・育休前後はやらなくてはいけないことが山ほどあります。

本記事では、これから出産を迎えられる方が不明点を解消できるようにするため、産休に入る前に知っておきたい「産前休暇・産後休暇・育児休暇の必要書類と申請方法」「産休・育休中にもらえる手当の計算方法」をまとめました。

最後には、産休・育休前に確認したいチェックリストもご用意してあります。妊婦さんから育休中のママまで参考になる内容となっていますので、ぜひご覧ください。

この記事で分かること

  • 産前休暇・産後休暇・育児休暇それぞれの手続きの必要書類が分かる!
  • 産休・育休期間にもらえる手当の手続きと金額の計算方法が分かる!
  • 産休・育休期間中の社会保険料の免除手続きが分かる!
  • 産休・育休期間で必要な手続きのチェックリストを知れる!

産休・育休のスケジュールを知ろう

話す女性

まず、産休(産前休暇・産後休暇)と育休を取得できる期間を表にまとめました。

以下では法律で定められた妊娠と育児で取得できる産前休暇・産後休暇・育児休暇の休暇期間を見ていきます。会社によっては以下の表よりも充実した制度がある場合もあります。

休暇制度期間備考
産前休暇出産予定日の6週間前~出産当日まで

(双子以上の場合は14週間前から取得可能)

  • 女性の希望者のみ取得
  • 希望すれば会社側に断られない
産後休暇出産の翌日~8週間
  • 法律上必ず休まなければならない
  • 産後6週間経過後に、医師が就労可能と認めれば、本人の希望により就業可能
育児休暇
  • 産後休暇終了日の翌日~子どもの1歳の誕生日まで
  • 子供が「1歳」の時点で保育所に入所希望したが入所できていない等の事情があれば、子どもの「1歳6か月」の誕生日まで育休を延長可能
  • 「1歳6か月」の時点でも保育所に入所できていない等の事情があれば、子どもの「2歳」の誕生日まで育休を延長可能
  • 男性・女性どちらも希望者のみ取得
  • 希望すれば会社側に断られない

それでは、次の章から産前休暇・産後休暇・育児休暇それぞれの手続き方法を見ていきます。

産前休暇の手続きで必要な書類一覧と申請方法

ヒント

まず、産休の中の産前休暇についてご説明します。

産休に入る前に、以下の3つの書類を用意してください。

  • 産前産後休業届
  • 健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書
  • 住民税の支払い方法について(会社による)

産前産後休業届

これは、会社側に産休に入る旨を伝える書類で。届出の有無は会社によって異なります。

会社に妊娠を報告する時に、会社側に尋ねてみてください。

なお妊娠の報告はパパ・ママ共に行いましょう。産休・育休・妻や子の扶養・退職の相談のためです。報告時期としては、流産の可能性が低くなる安定期(妊娠4か月~6か月)が目安とされています。

産前産後休業取得者申出書

これは、休業期間中に社会保険料の支払いの免除を受けるための書類です。産休期間中に提出すれば、免除期間中も社会保険料を支払ったものとして扱われるため、将来の年金支給額に影響はありません。

産後休暇中に提出することも可能ですが、産後は提出書類が多くなるため産前休暇のうちに手続きを終えてしまうのがコツです。

会社側が書類を用意してくれるはずなので、必要事項を記載してください。会社側が日本年金機構に書類を提出してくれます。

会社側が書類を用意してくれない場合は、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。

住民税の支払い方法について

住民税は前年の所得によって課税されるため、産休や育休中であっても住民税は徴収されます。会社によって徴収方法が異なるため、支払い方法を会社側に確認しておきましょう。

産後休暇の手続きで必要な書類一覧と申請方法

書類を作成する女性

産後は「出生届」「児童手当の受給」「健康保険の加入」「医療費の助成」「出生通知書」など多くの手続きが必要ですが、会社側に提出する書類も多いです。

出産後はバタバタするので、あらかじめ手続きに必要な書類を準備しておくことが大切です。

産後の産休には、以下の5つの書類が必要になります。

  • 家族異動届/健康保険 被扶養者申請書(異動)届け
  • 健康保険 出産育児一時金支給申請書
  • 健康保険 出産手当金支給申請書
  • 健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届
  • 育児休業申出書

家族異動届・健康保険被保険者申請書届

出産によって、従業員の家族の被扶養者になる条件を満たす人(子供・配偶者など)が生じたときに提出する書類です。

会社によって手続き方法や提出方法が異なります。

出産育児一時金

出産育児一時金は、出産や妊娠にかかる費用による家計への負担を軽減するために作られた制度で、一児につき42万円が支給されます。

産院で直接支払制度の利用を願い出ると、加入している保険と病院側でやり取りしてくれます。

会社に勤めていれば加入している健康保険組合から、ご主人の扶養に入っていればご主人の加入している健康保険組合から、会社勤めでなければ各自治体から支払われます。

出産手当金

出産手当金は、出産のために会社を休んで給与の支払いが受けられなかった場合に、健康保険から支給される手当です。

ご主人の扶養に入っている方や、会社勤めではない方(国保の方)は対象外になります。

1日当たりの支給額は、支給対象者の標準報酬日額の3分の2に相当する金額です。

出産手当金の支給を受けるためには、産休に入る前に「出産手当支給申請書」をもらっておく必要があります。会社が用意してくれない場合は、ご自身で社会保険事務所に取りに行くことになります。総務部などに前もってご確認しておいてください。

また、申請書にはご自身で記入する欄の他に「医師または助産師が記入する欄」「事業主が記入する欄」があるため、記入漏れのないようにご注意ください。

産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届

この書類は出産予定日出でない日に出産して、事前に申請していた産休期間が変更になった場合に、会社側に提出する書類です。

育児休業申出書

書類の名前通り、育休を取得するために必要な書類です。

申し出の期限は「育児休業を開始しようとする日の1か月前まで」と育児・介護休業法で定められています。希望通りの日から休業するために、遅れないようお気を付けください。

お勤めの会社によって育休の制度が異なる場合があるので、お休みに入る前に会社側に確認しておきましょう。

育児休暇(育休)の手続きで必要な書類一覧と申請方法

お金を目に当てる女性

産後休暇中に育休の手続きが完了して、育児休暇の期間に入ったら、育休中にもいくつかの手続きが必要になります。

まず、産休の時から継続して社会保険料の免除を受けるために、次の書類をご用意ください。

  • 健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者 申出書(新規・延長)/終了届

続いて、育児休暇中には以下の3つの書類もご用意ください。

  • (初回)育児休業給付金支給申請書
  • 育児休業給付受給資格確認票
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書

これら3つの書類は全て「育児休業給付金」を受け取るための書類になります。

社会保険料免除手続き

産休の時と同じように「育児休業等取得者 申出書(新規・延長)/終了届」を提出します。

育休期間中も社会保険料の免除を申請しておきましょう。産休の時に一度手続きをしているので、あまり大きな負担にならないと思います。

育児休業給付金

育児休業給付金とは、申請することで育休中の従業員がもらえる支給金です。その育児休業給付金を支給してもらうために必要な書類が「育児休業給付金支給申請書」になります。

ハローワークのホームページから申請書様式がダウンロードでき、勤務先の会社を通して提出します。

初回の育児休業給付金支給申請書を提出する場合、提出期限は「育児休業を開始した日から4か月後の月の月末まで」と決められています。産休の後に育児休業を連続して取得する場合は「出産日から数えて58日目にあたる日」が提出期限です。

初回手続きの際には、以下の2つの提出書類が必要です。

  1. 育児休業給付受給資格確認票(会社側が用意)
  2. 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(会社側が用意)

さらに初回手続きの時には、以下の4つの添付書類が必要です。

  1. 母子健康手帳の写し(市区町村の出生証明のページ)
  2. 育児休業給付金の金融機関受取口座の通帳の写し(表紙の裏側を開いてコピー)
  3. 賃金台帳(会社側が用意)
  4. 出勤簿(会社側が用意)

また初回手続きの後は、勤務先の会社を通して2か月に1回支給の申請をする必要があります。

育児休暇が終わった時の手続き【補足】

スマホとPC

ここまで、産休と育休の時に必要な手続きを見てきました。お子さんが成長すれば、産休や育休が終了し、職場復帰を果たす方も多いでしょう。

この章では、育児休暇が終わった後に取る手続きをまとめました。

育児休暇が終わったら、以下の3つの書類を用意してください。

  • 健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書終了届
  • 健康保険・厚生年金保険 育児休業終了時報酬月額変更届
  • 厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書

育児休業等取得者申出書終了届

この書類は、育児休暇中に社会保険料の免除を受けていた従業員の方が、育児休暇終了予定日前に育児休暇を終了した場合に、提出する必要がある書類です。会社が日本年金機構へ届け出ます。

この書類の提出によって、育休中の社会保険料の免除が終了します。

育児休業終了時報酬月額変更届

育休明けに短時間勤務で職場復帰したことにより、給与が以前より下がっている方が提出する書類です。

提出時期は、育児休暇から復帰後3か月が経過したタイミングで、復職後の給与平均額に基づいて4か月目以降の社会保険料を改定できます。

養育期間標準報酬月額特例申出書

この書類は、子どもが3歳までの間短時間勤務によって社会保険料の納付額が減っても、将来の年金受給額に影響が出ないようにするための書類です。

書類を提出することで、子どもが生まれる以前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができます。

産休・育休中にもらえる手当の計算方法

気づき

ここまで産休・育休中の提出書類とその申請方法について、見てきました。

この章では、実際に子供が生まれたときにもらえる手当の金額を表にまとめました。

妊娠・出産にはお金がかかるため、ぜひ産後の生活費を考える時にご使用ください。

手当支給対象支給金額支給時期
出産手当金下記の条件を全て満たす必要があります。

  • 勤め先の健康保険加入していること
  • 産後も働く予定があること(正社員以外も可)
  • 被保険者が出産すること
  • 妊娠4か月(85日)以上の出産であること(早産・死産・人工妊娠中絶も含む)
  • 休業期間中に給与・報酬の支払いがない。または、給与支払額が出産手当金額よりも少ないこと
(支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均額)÷(30日)×2/3×(日数分)出産日までの42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産翌日以後の56日目までの範囲内。
出産育児一時金以下の条件のいずれかを満たす人になります。

  • 出産する女性(妻)自身が健康保険や国民健康保険に加入していた場合
  • 夫の健康保険の被扶養配偶者になっている場合
  • 親の健康保険の被扶養者になっている場合
こども一人につき42万円申請後に支給
育児休業給付金以下の条件を全て満たす必要があります。

  • 雇用保険に加入しており、保険料を支払っていること
  • 育児休業に入る前の2年間のうち11日以上働いた月が12か月以上ある人(転職経験者は、当該期間に空白期間がないこと)
  • (契約社員など期間雇用者の場合は)育児休業開始時に1年以上同じ会社で働いていて、子どもが1歳になる日を越えて引き続き雇用見込みであること
  • 育児休業開始から6か月目(180日目)まで:月給の2/3
  • 育児休業開始から181日目以降:月給の1/2
  • 原則子どもが1歳になるまで
  • 「特別な事情(保育所の入所待ち、配偶者の死亡など)」があれば、1歳6か月または2歳まで延長

これで安心!産休・育休手続きのチェックリスト

チェックリスト

ここまで産休や育休の手続きを一つ一つ解説してきました。この章では、まとめとしてチェックリストをご用意しました。

手続き準備忘れがないかのご確認に活用してください。

手続き内容対象必要書類申請時期目安
会社へ妊娠報告働く女性(ワーママ)早め(妊娠4か月~6か月)
産休の届け出働く女性(ワーママ)会社規定による会社規定による
産休中の社会保険料の免除手続き健康保険・厚生年金保険の被保険者の女性健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書産休中
出産一時金の申請
  • 健康保険や国民健康保険に加入していた女性
  • 妊娠4か月(85日)以上で出産
出産育児一時金支給申請書直接支払制度を利用する場合は入院前
出産手当金の申請健康保険や共済組合に1年以上継続して加入している女性出産手当金支給申請書産後56日以降
育休の届け出以下の条件に当てはまる男女

  • 同じ事業主に雇用されている期間が1年以上
  • 子どもの1歳の誕生日以降も雇用予定
  • 週の所定労働日数が3日以上
育児休業申出書
  • 育休の開始予定日の1か月前まで
  • 特別な理由(出産が早まった等)があれば、1週間前まで
育休中の社会保険料の免除手続き育休取得者育児休業等取得者 申出書(新規・延長)/終了届育休中
育児休業給付金の申請以下の条件を満たす男女

  • 雇用保険に加入
  • 育休直前の2年間で1か月に11日以上働いた月が12か月以上
  • (初回)育児休業給付金支給申請書
  • 育児休業給付受給資格確認票
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 母子健康手帳の写し
  • 育児休業給付金の金融機関受取口座の通帳の写し
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 育休に入ってから4か月後の月末まで
  • 初回以降の申請は2か月ごと

おわりに

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産休・育休の手続きの全体像がつかめたでしょうか。

妊娠・出産というライフイベントを迎えるにあたって、前もって産休・育休の準備をしておきたいものです。

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