転職活動で履歴書と共に提出する職務経歴書は、あなたの経験や実績をアピールできる書類です。
しかし、転職回数が多い方の中には、職務経歴書の書き方に困っている方もいるのではないでしょうか。
今回は、転職回数が多い方向けに職務経歴書の効果的な書き方をご説明します。
面接官が見ているポイントを抑えることで、転職活動の動きは大きく変わってくると思いますよ。
転職回数が多いと中途採用で不利になるか
転職回数が多い人は、採用担当者から「またすぐに会社を辞めてしまうのではないか」「行き当たりばったりの仕事選びをしているのではないか」といったマイナスの先入観をもたれやすいです。
そういった面では選考に不利になる傾向があると言えるでしょう。
では、実際の採用担当者は、何回目の転職から「転職回数が多い」と感じるのでしょうか。
大手求人メディアのアンケートによると、多くの人事担当者は、20代で3回目、30代で4回目の転職から回数が多いと感じる人が多いようです。
ただし、単に転職回数だけで判断するわけではなく、転職理由が筋の通った内容かどうかを重視するという声も多く上がっています。
例えば、転職回数が多くても以下の人は、企業に高く評価される傾向があります。
- それぞれの職歴で得たスキルや経験を認識し、今後のキャリアプランを自分の言葉で語れる人
- 行き当たりばったりの転職ではなく、転職理由に一貫性があり、着実にキャリアアップしていることが分かる人
といった人は、転職回数が多いことを武器に出来ている良い例です。
職務経歴書でもこのようなアピールをする書き方を目指しましょう。
転職によって「身に付いたスキル」と「なぜ応募先企業でそれが活きるのか」が分かりやすくまとまっていると、採用担当者の印象も変わるはずです。
転職回数が多い人の職務経歴書の書き方【4つのコツ】
転職回数の多さをカバーし、アピールに繋げる職務経歴書のコツをご紹介します。
①キャリア式の職務経歴書を使う
一般的に、職務経歴書は、時系列で順を追って書く形式のものを使う方が多いと思います。
それに対して、キャリア式の職務経歴書とは、時系列ではなく、職務ごとに経験をまとめる形式の職務経歴書です。
転職回数が多く職歴が複雑な人は、転職歴が目立ちにくいという点で職務経歴書がおすすめです。
POINT【キャリア式の職務経歴書の書き方】
①最初に経歴の要約を書く。最も強調したい経験を示しましょう。
②これまでの経験をジャンル毎に分けて、職務・業種ごとに書き出す。
③時系列ではなく、職務・業種ごとに職務内容をまとめる。
②応募先企業が求めるスキル・経験との共通点を探す
過去の仕事を振り返り、近い業種・職務ごとの経験を洗い出したら、次は職務経歴書に記載する出来事の順番を決めます。
この順番で書かなければいけないといった決まりはありません。
応募先企業が求めているスキルに近い経験があれば、アピールできるように上から順で書いていきましょう。
企業にとって重要な情報も、職務経歴書の後ろの方に書いてあっては勿体無いです。読み手の立場にたった情報の出し方を意識しましょう。
③応募先と関連性が高いキャリアは重点的に
転職先ごとの経験を全て詳細に書く必要はありません。
むしろ、アピールポイントがぼやけて逆効果になってしまう可能性もあります。
応募先と関係が深い経験は、具体的なエピソードを交えて、イメージが湧かせられるように書きましょう。
逆に、応募先企業と関係の薄いスキルは、細かい部分は省く、というように企業に合わせてボリュームを変えられると良いでしょう。
④業種や職種がバラバラの人は、仕事選びの軸が重要
転職理由が前向きなものであるか、は採用担当者が最も注目している部分の一つです。
違う業種や職種を経験し、キャリアに一貫性がない方は、業種職種以外で共通の軸を持って転職してきたことを伝えられると良いでしょう。
自己PR欄に「〇〇という点にこだわって、仕事を選びスキルアップを図ってきました。」など一言いれておくだけで企業側の印象は変わるでしょう。
キャリア式職務経歴書テンプレート例【転職回数が多い人必見】
では、キャリア形式で書く職務経歴書の例をご紹介します。
職務経歴書
2018年7月10日
○○○○
1986年8月1日生まれ(32歳)
【職務要約】
私は、飲食チェーン店で5年間接客を経験し、内3年間は店長としてアルバイトスタッフのモチベーションアップやマネジメントを手がけてきました。アルバイトを含めた全メンバーに売上実績や競合店舗の施策などの情報を共有し、自発的に動ける人材の育成を行いました。
また、法人営業にも5年間携わり、中小企業を対象にweb広告の提案業務を手がけてまいりました。新規開拓を中心に、既存顧客の取引拡大に向けたフォロー営業も経験しています。
【接客に関する経歴】
2011年4月~2012年8月 株式会社○○入社 飲食店「△△」××店(新オープン店舗)
[メンバー数] 店長以下15名(うちアルバイトスタッフ8名) [店舗規模] 席数300、延べ床面積40平方メートル、1日来客数平均100名 [責務] 接客、在庫管理、発注、シフト作成
2012年9月~2015年6月 飲食店「△△」××店(店長)
[メンバー数] 店長以下40名(うちアルバイトスタッフ30名) [店舗規模] 席数80、延べ床面積100平方メートル、1日来客数平均900名 [責務] 接客、在庫管理、発注、シフト作成、売り上げ管理、メニュー考案
<実績>飲食店では、アルバイトスタッフの手本となるよう、清掃等、私自身が仕事に全力で取り組む姿勢を大切にしておりました。その結果、アルバイトスタッフ一人一人も責任をもって、自発的に仕事をするようになり、社内の顧客満足度ランキング接客部門で全82店舗中1位となりました。また、リピーター顧客アップの工夫を行い、売り上げ前年同期比110%を達成しました。
【営業に関する経歴】
2008年4月~2011年2月 株式会社○○入社 web広告代理店で法人営業
2015年6月~現在 ○○株式会社入社 広告代理店で法人営業
[責務] 50人以下の中小企業を顧客に、新規開拓営業
<実績>新規開拓営業に従事してまいりました。特に、広告代理店では年間180件の受注を達成し、営業1,000人中2位の成績で全社表彰を受けました。
【自己PR】
業種・職種は異なりますが、一貫して、「目標にこだわるチーム作り」に取り組んできました。飲食店の店長時代は、他店舗で効果があった施策を共有する全員ミーティングを定期開催していました。結果として、社員だけではなく、アルバイトからも売上アップの施策が提案されるような体制を醸成しました。また、スタッフのレベル向上を目的に、学生アルバイトの育成マニュアルを見直し本部に提案を行い採用された実績があります。業界に関わらず、人材育成・チームマネジメントは得意としています。私のこれまでの経験を活かし、御社でもマネージャーとしてチーム作りに貢献できると考えています。
【特記事項】
これまで、転職を3回経験してまいりましたが、それはスカウトを受けての転職と会社都合の退職でした。今回の応募職種では、長い時間をかけていい仕事をして、御社に貢献したいと考えております。今後はしっかりと腰を据えて働いてまいりたいと考えております。
転職回数が多くても内定獲得できる!
転職が多くても、しっかりと一貫性を持ったキャリアを歩んできたことを伝えられれば、希望通りの転職活動を行うことは可能です。
転職が多いことが不利になる場合もありますが、幅広い業務に取り組んできたご自身を信じて、あなたが一番輝く経歴を採用担当者に伝えてみてください。