転職の履歴書で、採用担当者が特に気にしているのが「職歴」です。
しかし、初めての履歴書作成で職歴の書き方が分からないかたも多いのではないでしょうか?
今回は履歴書における職歴の正しい書き方をご説明します。
更に、
- 「派遣経験やアルバイト・パート経験は職歴に書くべき?」
- 「ブランク期間も職歴に記載しなきゃダメ?」
- 「職歴を省いてもいい?」
といった細かい疑問にもお答えします。
あなたのお悩みが含まれていれば、是非ご参考ください。
履歴書の職歴欄の書き方【10のポイント】
まず、職歴の見本例を以下に記載します。
20××年① | 3 | ○○大学 経済学部 卒業 |
② | ||
職歴 | ||
20××年 | 4 | ○○株式会社③入社④ (総合食品卸売業/従業員約○○名)⑤ |
営業部に配属 加工食品とチルド食品の営業に従事⑥ | ||
20××年 | 3 | 一身上の都合により退職⑦ |
20××年 | 4 | 株式会社○○(現△△株式会社⑧)入社(総合食品卸売業/従業員約○○名) |
営業部に配属 CVSやレストランの新規開拓に従事 | ||
20××年 | 7 | 関西営業部に異動 営業課長(部下5名)に昇進⑨ |
現在に至る | ||
以上⑩ |
履歴書の職歴10のマナー
押さえておくべきポイントを10点お伝えします。
①履歴書全体で、西暦か年号かを統一します。
②学歴と職歴の間は原則として1行空けます。
③株式会社を(株)、有限会社を(有)と略してはいけません。
④「入社」と記す部分は、公務員であれば「奉職」、個人事業所や医療機関、店舗などは「勤務」、独立開業した場合は「開業」とします。
⑤会社名の横もしくは次の行に業種・従業員数を付記しましょう。
⑥簡単な職務内容を記入しておくと、転職先企業へのアピールになるでしょう。
⑦退職は、その理由によって書き方が変わってきます。詳しい退職理由を書く必要はありませんが、以下のように使い分けます
- 志望自己都合退職の場合:「一身上の都合により退職」
- リストラ・倒産などの場合:「会社都合により退職」
- 派遣・契約期間満了の場合:「契約期間満了のため退職」
⑧在籍中や退職後に合併や統合で会社名が変わった場合は、その旨を記載しておきましょう。
例:「○○株式会社(現△△株式会社)」、「会社合併により○○株式会社に転籍」
⑨異動、転勤、昇進があれば記しましょう。
⑩最終行には「現在に至る」と記入するか、退職日が決まっていれば「退職予定」と書き、その下の行に右寄せで「以上」と記入します。
【関連記事】転職履歴書の学歴の書き方は?職歴と合わせて覚えよう
履歴書の職歴にアルバイト・パート経験は書くべき?
アルバイト経験は、職歴には原則として記載しません。
ただし、転職先企業の業務内容とアルバイトの業務内容が近く、アピールになる経験であれば書いても良いです。
アルバイトを職歴に記載する場合の履歴書の見本例です。
職歴 | ||
20××年 | 11 | 一身上の都合により退職 |
20××年 | 12 | 株式会社○○ 入社(アルバイト)① |
○○店にて販売業務に従事② | ||
販売の他、発注、新人指導を担当(詳細は、職務経歴書に記載)③ | ||
現在に至る | ||
以上 |
①アルバイトで勤務していたことを示しましょう。パートの場合は、パートと明記します。
②アルバイトがアピールにならない場合は、正社員ではない理由と共にアルバイトを記入しましょう。
例:「○○株式会社でアルバイト(○○資格習得のため)」
③通常、この行のように詳細を書くことはしませんが、アピールになるのであれば職務経歴書に誘導する手もあります。
また、アルバイト経験が多く、書ききれない場合はまとめて書くことも可能です。
例:「株式会社○○他で、接客、販売に従事」
もし、退職から次の会社に就職するまでのブランクが3か月を超えている場合は、アルバイト経験を職歴欄に記載しておきましょう。
空白期間が長いと採用担当者に嫌われる場合があるためです。
また、アルバイト先で社会保険に加入していた場合は、入社後に行う雇用保険の手続きでアルバイト先が分かるため、誤解を防ぐためにも職歴欄には記載しておくべきです。
派遣・契約社員経験を履歴書の職歴に記載する場合の書き方は?
正社員ではなく、派遣や契約社員として勤務していた場合、その旨も記載しましょう。
職歴欄に書かなくても、口頭や職務経歴書で説明することも可能です。しかし、正しい事実を転職先会社に伝えるためにも、職歴で記載しておくべきでしょう。
職歴には派遣会社(派遣元)のみを記入し、派遣先と業務内容は職務経歴書に書くのが一般的です。
ただし派遣先が少なく、業務経験をアピール出来る場合は履歴書にも派遣先と業務内容を記載することが可能です。
派遣を記載する職歴の例は以下のようになります。
職歴 | ||
20××年 | 4 | 株式会社○○(派遣元)に登録①し、派遣社員として次の職務に従事② |
20××年 | 5 | ○○株式会社(派遣先)にて、営業事務に従事 |
20××年 | 10 | 株式会社△△(派遣先)にて、経理業務に従事 |
20××年 | 3 | 株式会社○○ 契約期間満了につき退職③ |
①登録した派遣元の会社名と年月を明記しましょう。
②雇用形態が派遣社員と分かるように派遣先を明記しましょう。
③退職している方は退職年月を明記しましょう。
履歴書の職歴Q&A!転職回数が多い時やブランクがある時は?
最後によくある質問についてお伝えします。
Q転職回数が多いので、職歴を省いてもいいですか?
転職回数が多いからと言って、省くことはいけません。
省いた部分が、ブランクと思われる場合もありますし、在籍期間を偽って記載した場合、あなたの信用問題になります。在籍していた会社はすべて記載しましょう。
採用担当者は、あなたが自社で定着して活躍できるかを見ているため、あまりにも多い転職回数は、良い評価を受けません。
そのため面接では、退職理由を尋ねられると思います。
「一身上の都合」だけでなく、「キャリアアップのため」や「他業界を知るため」といった理由を持つことで、納得感のある転職理由になるはずです。
【関連記事】転職回数が多い人の職務経歴書の書き方・見本付
Qブランクがある場合の職歴は、その期間を空白にすればいいですか?
会社の在籍期間に本当にブランクがある場合は、その理由によって職歴に書くかどうかを決めればOKです。
「転職活動が長引いた」もしくは「病気で療養中だった」といった理由の場合は、ここでは記載しないでも大丈夫です。
もしもブランク中に「育児」「介護」「ボランティア活動」「資格取得」等に取り組んでいて、企業へのアピールに繋がる場合は、積極的にアピールをしましょう。
Q職歴を書ききれない場合は、どうすればいいですか。
職歴は、全て正確に伝える必要があります。通常の履歴書では職歴が書ききれない方は、職歴欄の多い履歴書を探して購入しましょう。
それでも書ききれないという方は、3つ手段があります。
- 学歴欄を短くする。
- 職歴欄を短くする。
- 「現在に至る」と「以上」を一行に書く。
- 学歴欄を短くする
学歴を高校卒業からにしてしまいましょう。小学校・中学校の学歴は必要ありません。
- 職歴欄を短くする
たくさんの会社を経験している方は、各社の詳細は省いて1社1行でまとめる方法もあります。
履歴書に書ききれなかった業務は「職務経歴書」に記載すれば問題ありません。
例:「20××年 4月 ○○株式会社入社 (20××年10月退社)」
- 「現在に至る」と「以上」は1行に書く
通常、「現在に至る」、「以上」で2行に分けて書きますが、書ききれない場合は、同じ行の左端に「現在に至る」、右端に「以上」と記載しても大丈夫です。
おわりに
中途採用や第二新卒の採用は、今までの経験が大切になってきます。
勤務期間を問わず、入社・退社の事実を正確に伝え、実りある転職活動にしてください。
「履歴書や職務経歴書の書き方をあれこれ調べて書くのが面倒くさい」という人は、履歴書や職務経歴書の添削をしてくれる転職エージェントの活用もおすすめです。
【関連記事】転職エージェントの選び方と有効活用する秘訣とは・・?
みなさんの転職活動が成功することを願っております。