転職活動で苦労して作り上げた職務経歴書。
しかし、多くの面接官は職務経歴書をじっくりと読むことをしません。
企業の採用担当者の中には、「職務経歴書などの書類はさっと目を通して判断する」というタイプの人も存在します。
そこで、わずかな時間で魅力伝えるための鍵が、「職務経歴書の略歴」項目です。
略歴の書き方一つで、採用担当者の応募者への印象はガラっと変わります。
この記事では、職務経歴書の略歴の書き方から一目で魅力を伝えるポイントをご説明します。
転職回数が多い場合や職種別の例文もご用意したので、転職活動へ活かしてみてください。
職務経歴書の略歴って何?
略歴とは、職務経歴書の冒頭に記載する自分の経歴要約のことです。職務要約とも呼ばれます。
職務経歴書は応募者の経歴やPRポイントを履歴書以上に詳しく伝える大切な選考書類。しかし、せっかく書いた職務経歴書も人事にきちんと読んでもらえなければ意味がありません。
人事が読みたくなるかどうか決めるポイントになるのが、この職務経歴書の略歴部分です。
要約部分で人事を惹きつけることができれば、その後の職務経歴もしっかりと読んでくれるでしょう。
人気企業の人事であれば、何百、何千人の書類を見ることもざらにあります。
そんな中で人事に興味をもってもらい、無事面接へ進むためには、略歴の書き方をマスターしておくことが必須といえるでしょう。
職務経歴書の略歴の書き方3ステップ
以下に職務経歴書の略歴の書き方を3つのステップでご説明します。以下の手順を守ることで書類選考の通過率も大きく変わってくるはずです。
- 書き出しには経歴要約を記載する
- 自己PRを交える
- 入社意欲を簡単にアピールする
それぞれ、詳しく見ていきます。
①書き出しには経歴要約を記載する(2行)
まず、略歴の書き出しは現在までの職歴要約を2行程度でまとめます。新卒で会社に入社してから現在に至るまで、どのような業務を担当してきたのかを記入すればOKです。
書き出しから細かな経歴の説明は必要ありません。「どのような業界」で「何年間」「どの職種」で活躍してきたのかをまとめる程度で良いでしょう。
株式会社○○に新卒入社して〇年、営業職として個人及び法人向けの新規開拓営業に携わってきました。
②自己PRを交える(2行)
その後は、簡単な自己PRをすると良いでしょう。今回の転職活動で、企業側に一番伝えたいあなた自身の強みとなるスキルを一言で書いておきます。
略歴に記載する自己PRは、いわばあなたのキャッチコピーとも言えます。
転職先の企業に合ったPRポイントを書けると人事担当者の印象にもグッと残るはずです。
また、自己PRを書く時には、「〜〜を学びました」ではなく「〜〜を身に付けました」という表現を使いましょう。
主に〇〇業界の経営者、役員相手の提案営業を行なってきた経験から、経営者視点での提案スキルを身に付けました。現在は、営業リーダーとして5名の後輩メンバーの育成にも取り組んでおります。
転職希望者で、まだ自己PRが定まっていない方は、今までのキャリアを振り返り、転職者としてご自身の強みを考えてみてください。
また、エントリー先企業のリサーチして、企業・求職者お互いの接点を見つけることも大切です。
③入社意欲を簡単にアピールする(1行)
最後に、どれだけ入社したいかという「熱意」を示す1文があると良いでしょう。
入社後にどのような点で応募先企業に貢献できるかを書いておくことで、意欲ある人材と考えられ、面接官の印象も良くなるでしょう。
前職で培った営業スキル活かしながら、貴社の営業マネージャーとして事業成長に貢献したいと考えております。
人事に魅力が伝わる略歴のポイント3点
職務経歴書の略歴は、次の3つのポイントを意識して書くと人事担当者の目を惹くでしょう。
- 文字数は200文字程度
- 自分の業務経験と応募企業の接点を意識
- 人事が気になる言葉を意識
それでは、詳しく見ていきます。
ポイント①:文字数は200文字程度
ボリュームは、面接官の負担にならないことが最優先です。
「略歴」「職務要約」にも関わらずダラダラと文章を書いてしまってはせっかくの略歴もマイナスアピールになってしまいます。
人事担当者に読んでもらうためにはパッと見の見やすさや読みやすさも大事です。
アピールしたいことが多いと分量が多くなりがちですが、あまりにもボリューミーな略歴は読んでもらえない可能性もあり本末転倒です。
目安は200文字程度、多くても300文字を限度に作成するようにしましょう。
「どの業界で」「どんな業務を」「どれくらいの期間」携わってきたかの基本情報を書けば十分です。
ポイント②:自分の業務経験と応募企業の接点を意識
職務経歴書の略歴で自分のアピールをする時は、これまでのキャリアと応募先企業が求職者に期待する業務経験の接点を意識しましょう。
今までのキャリアの中で身につけたスキルで応募先企業で活かせるものがあれば、即戦力として活躍できると判断してもらえるためです。
ただし、これまでメインで行ってきた業務が相手企業のニーズとは異なる場合もあるでしょう。
特に未経験業界への転職活動を考える際は、前職のスキルがどう活きるのか分からないこともあると思います。
そういう時は「○○を主に担当してきましたが、○○(相手企業が求めていること)の経験もあります。」といった補足を記しておいたり、業界問わずに活きる汎用的なスキル・能力をアピールすると良いでしょう。
ポイント③:人事担当者が気になるワードを使用する
採用担当者が望んでいる人物像に近いキーワードとなる「気になるワード」を散りばめておくことで、興味をもって職務経歴書を読んでもらえる可能性が高まります。
「マネジメント経験」「制度改革」「新規開拓」「後輩育成」といった担当者の目に止まりそうなキーワードを積極的に使っていくと良いでしょう。
転職回数が多い場合の職務経歴書の略歴の例文
大学卒業後8年間、IT業界の営業として、システム開発会社3社で経験を積んできました。
1社目は反響営業が中心でしたが、2社目、3社目は新規開拓営業を中心に取り組んでまいりました。
3社目では、勤務2年間の間で全社売り上げトップを3度達成し、1年前課長に昇格しました。現在は、営業リーダーとして5名の部下を率いています。
IT業界の営業経験を活かして、この度貴社の新規部署の営業マネージャーとして事業を牽引していきたいと考えております。
転職回数が多い方の場合は、職務経歴書の略歴はとても大切です。
転職回数が多くても、キャリアに一貫性があること、キャリアの流れを簡潔にわかりやすく伝えることを意識すると、採用担当者に伝わりやすい要約になります。
ここでは3社8年間の営業経験をしてきた転職希望者の例を記載しました。
営業スタイルに分けて説明をしましたが、それ以外にもお客様の種類や担当していた製品の違いごとにまとめても良いでしょう。
【関連記事】転職回数が多い人の職務経歴書の書き方!記入例あり
職種別の職務経歴書の略歴の例文
事務職の場合
株式会社○○において、7年間営業事務に携わってきました。
営業担当5名の書類作成に加え、電話対応・来客対応・会計処理の事務経験があります。
Excel・PowerPointを用いた資料作成の経験が長く、オフィス系ソフトの使用に慣れております。1年前には、MOSの資格も取得しております。
一貫して営業とのコミュニケーションを重視し、迅速かつ丁寧な作業を心がけておりました。
営業事務としての7年間の経験を活かし、御社の事務でも貢献したいと考えております。
「事務職の仕事はどこの会社でも同じ」と考える方も多いですが、実際は会社や部署によって業務内容は大きく異なります。
しかし、略歴部分で事細かに業務内容を記載するスペースありません。
そこで、事務業務の中で自分が最も得意としている業務や事務として仕事への心構えを書くと他の人との差別化に繋がります。
【関連記事】事務職の職務経歴書の書き方を解説!
営業職の場合
大学卒業後5年間に渡って、人材紹介事業の法人営業職として経験を積んできました。
主に、中小企業〜大企業を対象にした人材採用支援・採用戦略のコンサルティング業務に取り組んでおります。
新規開拓・既存顧客の取引拡大の両方の営業経験があり、現在は営業マネージャーとして10名の部下のマネジメントを行なっております。
前職で培った営業力・マネジメント力を糧にして、貴社に貢献していきたいと考えております。
営業職の場合は、営業手法、対象の顧客、新規営業か既存営業かなどを簡潔に示せると良いでしょう。
例えば、前職と取り扱う商品・サービスは違っても経営者に対する営業という点がエントリー企業と共通していれば、採用担当者から見ても評価ポイントになります。
営業のアピールをする際は、応募先の会社の製品やサービス、営業の仕事内容を理解した上で、自分との接点を見つけてアピールしてください。
【関連記事】営業職の職務経歴書の書き方を解説!
おわりに
職務経歴書の略歴・職務要約は短く簡潔に、応募者の強みをアピールすることが必要になります。
ぜひ今回の記事を活用しつつ、あなたの強みがわかり、人事担当者の気を引くことができる略歴を目指してみてください。
書類選考突破の第1歩となるはずです。