転職活動で無事に内定を勝ち取った後、現在の会社に退職を申し出るのがはばかられる方はいませんか。
「お世話になった上司に退職を伝えるのが後ろめたい」という躊躇もあるかもしれません。
しかし、転職活動において、退職は避けては通れない道。できるなら円満退職したいものです。
円満退職のために、最も大切なことの一つは「退職を伝えるタイミング」です。
そこで今回は、退職を伝えるタイミングから会社を辞めるまでを6ステップに分けてご紹介します。
また、あなたの転職を引き留める上司や、退職願を受理してくれない上司への対応策もまとめてみました。
退職を伝えるタイミングは?【繁忙期を避けよう】
まず、退職を伝えるうえで大切なことは、会社の繁忙期を避けて伝えることです。
大きなプロジェクトを任されている間や、人事異動があった直後、決算期の前は、あなた自身も辞めにくいですし、引継ぎが面倒になるため、避けるのが無難です。
反対に自分が任されたプロジェクトが終了したタイミングや、人事異動が内示された直後は、引継ぎが簡単で、ベストのタイミングでしょう。
今の会社を辞める際にトラブルがあると、今の会社のメンバーから「退職時にトラブルを起こした人」と記憶されてしまいます。
あなたが退職することで、周りのチームメンバーに負担が増えないように配慮しましょう。
繁忙期を避けたうえで、理想的な退職までのスケジュールは次のようになります。
退職を上司に申し出るタイミングは?流れを6ステップで解説!
会社の規定によっても異なってきますが、退職当日までの流れを6つのステップに分けて説明します。
こちらを参考に早めの準備をすることが、円満退社のコツです。
<2か月前>上司に退職の申し出をする
退職の意思表示は、法律上「退職の2週間前まで」となっています。
しかし、会社の就業規則で別に定められている場合もあるので、確認が必要です。
なるべくであれば、1か月~2か月前までに退職の決意を伝えたいものです。
最初に伝えるのは、直属の上司です。
いきなり直属の上司を飛び越えた上司や、人事部に伝えるのはNGです。直属の上司の立場を悪くしないように配慮しましょう。
まずは、上司に「個人的な相談がある」と言って、口頭で退職の意思を伝えましょう。
メールで伝えるのは避けます。
同僚に話すのは、親しい同僚に打ち明けることを除いてしばらく待ちましょう。
直属の上司と、退職を公表する日を話し合い、上司から発表してもらいましょう。
<1か月半前>退職日を決める
上司と、後任者の選定・引継ぎ方法について話し合った後に、退職日を決定します。
有給休暇が残っている場合、引継ぎのスケジュールを考えながら、どのタイミングで有給を消化するかも相談します。
このタイミングで、退職に伴う手続き(税金・年金・健康保険・雇用保険等)についても「いつまでに」「何を」「どこで」するのかを確認しておきましょう。
【関連記事】退職前の有給休暇に必要な手続き・申請タイミングは?
<1か月前>退職願を提出する
退職願は、会社にフォーマットがあれば、フォーマットに従って記入し、直属上司に手渡しをします。
ここで、退職願いを「辞表」と書くのは公務員や会社役員の場合になります。ドラマのように、辞表を提出することのないようにご注意ください。
また、「退職届」は会社都合の退職で使う呼称です。自己都合で退職する場合は「退職願」になります。
<20日前>業務の引継ぎをする
業務の引継ぎは、「立つ鳥跡を濁さず」の精神を大切にしてください。引継ぎが適当だと、取引先・後任者に迷惑がかかります。
さらに、転職後に元の会社から問い合わせを受ける場合もあり、あなた自身の負担も大きいです。
必要があれば、「引継ぎノート」を作成するなどし、業務の内容・目的・手順を全て伝えましょう。
<10日前>取引先への挨拶回りをする
取引先には、出来るだけ後任と共に訪問するようにしましょう。
全ての取引先を回るのは大変かもしれませんが、重要な取引先に失礼がないようにしましょう。
<当日>社内の挨拶・お菓子のプレゼント
退職当日は、今までお世話になった人や親しい人に挨拶をしましょう。
会社に「返すもの」と、会社から「受け取るもの」を確認し、自分の使用していた机回りを清掃します。
また、今までの感謝を込めて、朝イチで上司にお菓子を渡し、「皆さんで食べてください」と伝えると良いでしょう。
上司とトラブルになった時の対処法
退職を伝える際、「会社に必要な人材だ」と言って、退職をなかなか認めてくれない上司もいます。
退職願を提出するときに上司とトラブルになる場合が多いため、その時の対処法をご説明します。
上司に引き止められる場合の対策
退職を引き止めようとする上司のタイプに合わせて、対処を変えましょう。
- 脅迫してくるタイプ
「私の一言で、あなたはこの業界で生きていけなくなる」と言って脅すタイプの上司です。
このタイプの上司を恐れることはありません。「熟慮した末の結論」だと伝え、退職の決意の固さを伝え、淡々と退職しましょう。
- 泣き落としタイプ
「考え直すことはできないか」と言って懇願してくるタイプの上司です。
情に訴えられると辛いですが、あなたが決めた道を進む決意をもって、情を断ち切りましょう。
- 改善策を提示するタイプ
「現職に不満なら改める」と言って改善案を提案してくるタイプの上司です。
この場合は、もう一度自分自身を見つめなおしましょう。
最終的には自分の意思ですが、現職であなたが不満に思っている点が改善される場合もあります。
上司への退職の切り出し方が分からない方は、以下の記事をご参考になさってください。
【関連記事】上司への退職の切り出し方!トラブルを避けるコツは?
上司が退職願を受理しない場合の対策
引き止めが強く、退職願をなかなか受理してくれない上司に対する対処法をお伝えします。
ベストは、上司を説得できるまでじっくり話し合うことです。
しかし、次の転職先が決まっている場合は、悠長に構えている暇はありません。
下記の3つの行動を取ると良いでしょう。
- 退職願に「希望退職日」「提出日」を明記してコピーを控えておく。
- 退職願が正式に処理されたことの確認を取る。その際、口頭ではなくメールを送付して、文書で証拠履歴を残す。
- 直属の上司が退職に応じる気配がない場合は、部門長や人事部に相談する。
退職を伝えるタイミングを抑えて、円満退職を目指そう
転職するときには、今の会社を円滑に辞め、良い就職先と出会うことが大切です。
世の中は狭いもので、今の会社が次の取引先になる場合もあります。
転職のタイミングで、今までお世話になった会社に迷惑をかけることがないようにしましょう。