転職先が決まって、今の会社を退職する場合、円満退社のためにはお世話になった人への挨拶は必須です。
もちろん、直接挨拶するのがベストですが、なかなか全員に挨拶をするのは難しいものです。
そういう時に、現在はメールで挨拶をするのが一般的になっています。しかし、メールの文面やメールを送るタイミングを悩む方も多いようです。
そこで今回は、社内と社外それぞれのメール例文とメールのポイントをお伝えします。
同僚や上司など社内向けの退職挨拶メールまとめ
社内に送る場合でも、一斉にメールする場合、同僚にメールする場合、上司に個別にメールする場合で異なってきます。
まず、社内挨拶メールのポイントをご説明します。そのあとに、それぞれの場合のテンプレートをご用意しました。
社内向けメールのポイント(タイミング・件名など)
社内のメールのポイントは以下の5点です。
・タイミングは最終出社日が一般的
会社によっては、退職の1週間前が慣例の会社もあれば、業務に関係のないないようのため、定時を過ぎてからメールを送るという会社もあります。
心配であれば、上司に相談してみましょう。
・件名は「退職のご挨拶/(氏名)」
件名を見ただけで、メールの内容が分かるようにするためです。
・今までの感謝の気持ちを伝える
特に個別で送る場合は、相手の名前を本文中にもう一度使い、相手との印象深いエピソードから、感謝の気持ちを伝えましょう。
・退職理由は「一身上の都合」
メールでは退職理由に触れず、一身上の都合とするのが普通です。ただし、結婚や出産などおめでたい理由の場合は書いても良いでしょう。
・可能なら退職後の連絡先を添える
退職後に私用の連絡先があると、「会社は辞めるが、今後ともお付き合いしたい」という思いが伝わります。
最近は、FacebookといったSNSのアカウントを添える場合もあるようです。
退職挨拶の例文①:社内用一斉メール
シンプルにあなたが退職するという事実のみを書きましょう。
・件名
退職のご挨拶(部署名・氏名)
・本文
各位
○○部の皆様、お疲れ様です。
○○部の(氏名)と申します。
私事で恐縮ですが、この度一身上の都合で退職することになり、本日が最終出社日となりました。
本来であれば、直接ご挨拶をさせていただくべきところ、メールでのご挨拶となってしまい申し訳ありません。
在職中は、たくさんの方々にお世話になりました。本当にありがとうございます。
私自身至らないところも多く、皆様にご迷惑をおかけしたことも多々あるかと思います。
それでも、皆様の支えがあったからこそ、前向きな気持ちで、これまで仕事を続けることができました。
業務を通じて、多くのことを学ぶことができ、皆様には本当に感謝しております。
この会社で学ばせていただいたこと、経験させていただいたことを次の会社でも活かしていきたいと思っております。
私が担当しておりました業務は、○○部の××さんに引き継ぎましたので、よろしくお願いします。
最後になりますが、皆様のさらなるご健勝とご活躍のほど、心からお祈り申し上げます。
今まで、本当にありがとうございました。
今後の連絡先は下記になりますので、何かありましたらご連絡いただけると幸いです。
電話番号 ×××ー××××ー××××
退職挨拶の例文②:上司への個別メール
お世話になった上司の方には、事前に挨拶をしたうえで、個別メールも送りましょう。
・件名
退職のご挨拶(部署名・氏名)
・本文
○○部長
お疲れ様です。○○部の(氏名)です。
先日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、本当にありがとうございます。
先日ご挨拶させていただきました通り、本日が出社最終日となります。
本来であれば、直接ご挨拶をさせていただくべきところ、メールにて失礼します。
○年に入社して以来、×年の月日が経ちました。
その間、○○部長にはいつも気にかけていただきました。本当にありがとうございます。
○○部に所属した○年間の間は特に××の業務を任せていただくとともに、社会人としての心得など多くのことを教えていただき、大変お世話になりました。
特に、○○部長の「」という教えからは、深く学ばせていただきました。
当時「」に悩んでいた自分にとっては、○○部長の「」というアドバイスは目からうろこでした。
今までの貴重な経験を今後の人生に活かして、より一層研鑽に励みます。
今まで本当にありがとうございました。
最後になりますが、○○部長並びに皆様のさらなるご健勝とご活躍のほど、心からお祈り申し上げます。
今後の連絡先は下記になりますので、何かありましたらご連絡いただけると幸いです。
電話番号 ×××ー××××ー××××
退職挨拶の例文:同僚・先輩への個別メール
送別会を開いてくれた方や、仲の良い同僚・先輩にも挨拶メールを送っておくと、退職後にも良い関係性を保てるかもしれません。
・件名
退職のご挨拶(部署名・氏名)
・本文
○○さん
お疲れ様です。○○部の(氏名)です。
この度、一身上の都合により退職することとなりました。
先日ご挨拶させていただきました通り、本日が出社最終日となります。
本来であれば、直接ご挨拶をさせていただくべきところ、メールにて失礼します。
この会社で私が今まで続けてこられたのは、○○さんの「」に助けていただいたおかげです。
○○さんもご多忙であるにも関わらず、いつも丁寧にご指導いただき本当にありがとうございました。
特に、○○の業務では、○○さんに「」というアドバイスをいただいたおかげで、なんとか○○を成功することができました。
本当にありがとうございました。
今までの貴重な経験を今後の人生に活かして、より一層研鑽に励みます。
また、先日は皆様大変お忙しい中、送別会の準備をしていただき本当にありがとうございました。
最後になりますが、○○さん並びに皆様のさらなるご健勝とご活躍のほど、心からお祈り申し上げます。
今後の連絡先は下記になります。今後も個人的に飲みに行かせていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
電話番号 ×××ー××××ー××××
取引先など社外用の退職挨拶メールまとめ
続いて、社外の方にメールで挨拶する場合のポイントとテンプレートをご紹介します。
後任の担当者と日程調整をするかしないかで2通りのテンプレートを用意しました。
社外向け挨拶メールのポイント
社外の方用の挨拶メールのポイントは、4点あります。
・送るタイミングは2~3週間前
取引先には、社内に周知された後すぐにメールを送ります。取引先とちゃんとした引継ぎの期間を設けるためです。
・退社日を明記する。
あなたの退社日によって、先方の優先度が異なってくるため、退社日は必ず明記しましょう。
・後任や引継ぎの方法を明記する。
これまでの信頼関係を損なわないためにも、後任の紹介をしましょう。
後任の担当者と一緒に直接挨拶に出向くのが、一番丁寧ですが、それができなくても後任の名前は伝えておきましょう。
・個人の連絡先は書かない。
今までのお付き合いは、会社を通してのものです。退社後の連絡先や、退職理由、転職先などは伝えません。
退職報告後、後任と一緒に取引先に挨拶する時のメール
お世話になっている取引先には、後任と一緒に挨拶に行くほうが良いでしょう。
・件名
退職のご挨拶(株式会社○○、氏名)
・本文
○○株式会社
××様
お世話になっております。
株式会社○○、○○部の(氏名)です。
私事で恐縮ですが、この度一身上の都合で退職することになり、●月●日●曜日をもって退職することになりました。
××様には、在職中、大変お世話になりましたことを、心より御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。
本来であれば、直接ご挨拶をさせていただくべきところ、メールでの急なご連絡となってしまい申し訳ありません。
後任は、同じ部署の○○という者が務めさせていただきます。
お時間をいただけるようでしたら、後任の○○とご挨拶に伺わせていただきたく存じます。
下記日程のうち、ご都合のよろしいお時間はありますでしょうか。
・●月●日●曜日 ●時~●時
・●月●日●曜日 午前中
・●月●日●曜日 終日
お忙しい中恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
貴社にご迷惑をおかけすることのないよう、十分に配慮いたしますので、今後とも変わらぬご愛顧のほどお願い申し上げます。
==================
署名
退職報告後、後任が単独で挨拶に行く時のメール
あなたと後任が一緒になってご挨拶に伺わない場合は、このように書きます。
・件名
退職のご挨拶(株式会社○○、氏名)
・本文
○○株式会社
××様
お世話になっております。
株式会社○○、○○部の(氏名)です。
私事で恐縮ですが、この度一身上の都合で退職することになり、●月●日●曜日をもって退職することになりました。
××様には、在職中、大変お世話になりましたことを、心より御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。
本来であれば、直接ご挨拶をさせていただくべきところ、メールでの急なご連絡となってしまい申し訳ありません。
後任は、同じ部署の○○という者が務めさせていただきます。
改めて○○がご挨拶に伺いますので、変わらぬご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
末筆ではございますが、貴社のご発展と××様のますますのご活躍を心からお祈り申し上げます。
==================
署名
退職の挨拶メールに関するよくある疑問
Bcc.を使って一斉送信してもいいですか?
はい。Bcc.を使いましょう。
一斉送信の場合は、To.に自分のメールアドレスを入れ、送信先のメールアドレスは全てBcc.に入れるようにします。
他に誰にメールを送ったかを分からないようにするためです。「誰にまで挨拶メールを送ったか」といったトラブルを避けられます。
退職メールが届いたときに返信は必要ですか?
退職の挨拶メールに対する返信は必須ではありません。
退職者は大量にメールを送っていることを考えると、ビジネスメールとしてあえて返信しないというのもマナーの一つです。
親しい間柄であったり、どうしても伝えたいことがある場合のみ返信しましょう。
感謝をこめたあいさつをしてから退職しよう
退職メールでは、今までお世話になった社内の方や取引先に感謝の気持ちを伝えることができます。
転職先の会社の業務で、思いがけず以前の取引先や退職した会社の同僚と関わることがあるかもしれません。
円満に退職して、次の会社で新たな人生をスタートさせましょう。