派遣社員として妊娠した際、産休や育休は取れるのでしょうか?
休暇中に契約期間が切れたらどうなる?職場復帰はできるの?知らないことも多いですよね。
今回は、派遣社員が産休・育休を取得するための必要な条件、休暇後の仕事復帰についてご紹介します!
派遣社員でも産休・育休はとれる!しかし条件も!
産休(産前産後休暇)は取得可能!
産休取得の条件は「労働者」であること。働いている女性であれば、正社員や派遣社員、パート・アルバイトなど雇用形態に関わらず産休を取得することが可能です。
また、転職して入社すぐなど、勤続年数も関係なく取得できます。
産休取得には、派遣会社へ申請が必要となります。妊娠が分かった時点で申し出を行い、派遣元にも産休の旨を伝えましょう。出産予定日の6週間前から取得が可能です。
育休(育児休暇)取得には条件がある!
産休が妊娠出産をする全ての女性労働者を対象としているのに対し、育休はある一定の条件に適している必要があります。その条件が以下の通りです。
- 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている
- 子どもが1歳6ヶ月になるまでに労働契約期間が満了しないこと(更新される場合には、更新後の契約)
つまり、派遣社員としての勤務が1年以上経過していて、育休後も半年以上引き続き契約が継続される場合、派遣先が変わっても同一の派遣会社から派遣されていれば、育休を取得することができます。逆に同じ派遣先で働いていたとしても、その期間が1年未満だと育休は取れません。
子供1歳以降の雇用見込みに関しては、派遣会社から書面または口頭で示されていれば大丈夫です。
育休に入る1ヶ月前までに休業の申請を行う必要があります。産休と同様、派遣会社へ申し出を行い、派遣元にも育休の旨を伝えましょう。
産休・育休期間中に派遣社員が貰える手当・給付金
派遣社員の方が産休・育休中に貰える手当や給付金は以下になります。
- 出産育児一時金
- 出産手当金
- 育児休業給付金
以下にそれぞれの支給額や申請方法を解説していきます。
①出産育児一時金
支給額
子ども一人につき42万円。双子以上の多胎妊娠の場合は「子どもの数×42万円」を受け取ることができます。
受給条件
- 自身が健康保険組合に加入している被保険者であること、もしくはパートナーの健康保険組合または国民健康保険扶養に入っていること
- 妊娠4ヶ月(85日)以降の出産であること
申請の手続きとタイミング
出産予定日の2ヶ月以降に医療機関で申請を行います。出産後に申請を行う場合は申請書を健保組合、または市区町村の役所に提出します。
申請期間は出産の翌日から2年間です。
②出産手当金
支給額
1日あたりの支給額の計算式は下記になります。
- 支給開始日以前から1年間の標準報酬月額の平均額÷30日×3分の2×98日(産休期間)
仮に標準報酬月額(月給)が25万円だった場合、出産手当金は、539,000円になります。
対象条件
- 会社の雇用保険に加入している
- 産休期間中に給料が支払われていないこと
- 妊娠4ヶ月(85日)以降の出産であること
申請の手続きとタイミング
申請は、会社(派遣会社)の担当または所属する健康保険の窓口で行います。産前・産後のどちらに申請しても構いません。多くのママは産後に産前休暇分もまとめて申請することが多いようです。
産休開始日から2年以内に申請すれば、全額支給されますが、2年を1日でも過ぎると経過日数分支給額が減額していきます。
③育児休業給付金
支給額
支給額は以下の式で求められます。
- 労働者の育児休業開始時賃金日額×支給日数の67%(出産後6ヶ月経過した後は50%)
対象条件
- 1歳未満の子どもがいる
- 会社の雇用保険に加入していること
- 育休以前の2年間で1ヶ月で11日以上働いた月が12ヶ月以上あること
- 休業中に職場から賃金の80%以上を支払われていないこと
- 休業している日数が対象の期間中毎月20日以上であること
申請の手続きとタイミング
育児休業給付金の申請は、会社が本人の代わりにやってくれるか、もしくは会社が用意した書類を使って自分で手続きするかのいずれかになります。
申請の期間は育休開始4ヶ月後が含まれる月の末日までですが、申請が遅れるとその分受け取り日も遅れてしまいます。
多くの場合は、育休に入る一ヶ月前までに手続きを完了させているようです。
育休明けは、以前の派遣先に復帰できる?
産休や育休を取れたのは良いものの、派遣社員が元の職場に復帰することはできるのでしょうか。
同じ派遣先に戻れないことが多い
正社員など直接雇用で育休をとる場合は元の職場に戻ることが多いですが、派遣社員の場合はすでに代わりの人材が派遣されています。
育休後も働きたいと考えていても、元の職場に戻ることは難しいというのが現状です。
可能性はゼロではありませんが、戻ることは難しいと考えておいた方が良いでしょう。
しかし、派遣会社によっては融通を効かせてくれる場合もあるので、気になる方は派遣会社の担当者に相談してみましょう。
育休明けから働く場合は、複数の派遣会社に登録しておくとベター
子どもがいる場合、風邪などの急な欠勤、行事の予定等で仕事に穴を開けることが多くなってしまいます。
また、保育園の送り向かえなどで残業も難しいですよね。
復職しようと思っても、出産前と求める勤務条件が一致しないた、中々派遣先が見つからないという可能性もでてきます。
そのため、育休明けから早速働きたい場合は、以前に働いた派遣会社だけではなく、いくつかの派遣会社に登録して案件をカバーしていくのがおすすめです。
いかがでしたか?
派遣社員が産休や育休を取得できるようになったのは比較的最近のこと。
知らなかった方も多いのではないでしょうか?制度を上手を活用し、安心した出産や子育てを迎えましょう。