華やかなイメージがある化粧品業界。日常生活にも馴染みがあり、女性人気が高い業界の一つです。
今回は、化粧品業界へ転職を考えている方に向けて、化粧品業界の年収ランキングをご紹介します。資生堂やポーラなど、有名企業がひしめく中、平均年収が高い企業はどこでしょうか。
また、昨今の化粧品のインバウンド需要、業界動向を取り巻く状況についてもまとめています。
化粧品業界に関心のある方は是非ご覧ください。
化粧品業界の平均年収ランキングTOP5!資生堂や花王は何位?
第5位 資生堂 723万円
- 売上高 1兆50億円
- 営業利益 804億円
- 従業員数 37,438名
- 本社 東京都中央区銀座7-5-5
- 設立年 1927年
化粧品市場シェア第1位の最大手となっています。
マキアージュ、インテグレートなどもブランドも資生堂グループです。
最近は、外国人観光客が、資生堂の高級化粧品を求め、デパートやショッピングセンターのコスメ売り場を訪れています。
第4位 ポーラ・オルビスホールディングス 754万円
- 売上高 2,443億円
- 営業利益 388億円
- 従業員数 4139名
- 本社 東京都中央区銀座1-7-7ポーラ銀座ビル
- 設立年 2006年
高級コスメブランドポーラ、通信販売のオルビスなどのブランドを展開しています。
17年1月にしわを改善する薬用化粧品「リンクルショット」を販売し、ヒットを起こしました。
第3位 花王 780万円
- 売上高 5860億円
- 営業利益 576億円
- 従業員数 33,560人
- 本社 東京都中央区日本橋茅場町1-14-10
- 設立年 1940年
ビオレやアジエンス、エッセンシャルなど、シャンプー・石鹸類のブランドイメージが強い花王。
06年にカネボウ化粧品を買収しました。それから国内首位級の化粧品メーカーとなりました。
花王ソフィーナ、エスト、プリマヴィスタ、キュレル、ルナソル、KATE、コフレドールなど多数のブランドを持っています。
資生堂に次ぐ業界2位のシェアを占めています。
第2位 コーセー 835万円
- 売上高 3,033億円
- 営業利益 484億円
- 従業員数 7,758人
- 本社 東京都中央区日本橋3-6-2
- 設立年 1948年
ジルスチュアートやヴィセ、雪肌精、エスプリーク、ファシオ等のブランドを有しています。
様々な価格帯でブランドを展開していることが特徴的です。
近年は国内のみならず、海外事業の拡大も目指しています。
第1位 マンダム 838万円
- 売上高 813億円
- 営業利益 84億円
- 従業員数 2,731人
- 本社 大阪府大阪市中央区十二軒町5-12
- 設立年 1927年
年収の第1位には、化粧品業界大手の花王、資生堂を抑え、男性用品化粧品のギャッツビー・ルシードで有名なマンダムが輝きました!
大阪本社の会社で設立は1927年と、業界の老舗企業といえますね。
化粧品業界の年収は平均と比べて高い?低い?
- 40歳全体の平均年収・・・600万円
- 40歳時点での化粧品業界の平均年収・・・585万円
化粧品業界の平均年収は、業界全体の平均と比べて「15万円」ほど低い結果となりました。
平均年収1,000万円に届く会社は無かったものの、化粧品業界の年収上位の会社は、全体の平均年収を大きく上回っており、同じ業界内でも大きな差があると考えられます。
化粧品業界各社の平均年齢、勤続年数、残業時間は?
次に化粧品業界の年収ランキング上位企業の平均年齢、平均勤続年数、残業時間、有給日数を見ていきましょう。
ここでは、年収だけを比較するのではなく、残業時間や平均年齢など複数の視点で企業分析をすることでより深い企業理解をすることができます。
平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 残業時間(月) | 有給取得日数(年) | |
マンダム | 838万円 | 41.0歳 | 16.1年 | ‐ | ‐ |
コーセー | 835万円 | 43.6歳 | 19.9年 | 5.5時間 | 9.8日 |
花王 | 780万円 | 41.6歳 | 18.1年 | 19.8時間 | 14.2日 |
ポーラ・オルビスホールディングス | 754万円 | 40.6歳 | 14.6年 | 13.3時間 | ‐ |
資生堂 | 723万円 | 40.8歳 | 17.2年 | 24.7時間 | 14.9日 |
年収や平均年齢はどの会社も近しいものの、企業によって残業時間が大きく変わるのが意外ですね。
残業時間が最も少ないコーセーと最も多い資生堂では、月間で約20時間も残業時間が異なります。
なお、上記のどの指標を重視するかは人それぞれ違うでしょう。ここでは分析のポイントをいくつか紹介します。
1.平均年齢は何歳か・・・年収が多少低くても平均年齢が低ければ生涯給与は高い可能性がある。
2.有休消化日数は何日か・・・有休取得可能日数と実際の消化日数を比べることが大切。取得率が低ければ有休申請しづらい社風の可能性も。
3.残業時間は何時間か・・・いくら平均年収が高かったとしても残業時間が多く、体を壊してしまっては元も子もない。
化粧品業界の業界動向!市場規模や今後の課題は?
化粧品業界の市場規模
化粧品の市場規模は、国内1兆6370億円と巨大なマーケットを誇ります。
高級スキンケア商品の売り上げが好調でインバウンド需要が上がっていることもあり、市場規模は拡大傾向です。
また、国内市場は、資生堂と花王グループで市場の4分の1を占めていますが、昨今、国内市場にも海外企業が多く進出し始めています。
エスティ―ローダーカンパニーズやロレアル、韓国のアモーレパシフィックなど海外の化粧品メーカーがその例です。
シアモーレパシフィックは、ETUDE HOUSEやinnifree、HERA、LANEIGEなどのブランドを有している韓国の代表的な化粧品会社。こうした会社が日本に進出していることで、国内市場は競争が激しくなっています。
さらに、ドラックストア、コンビニで比較的安価に購入できるプチプラコスメ人気も拍車をかけ、競争が激化している業界の一つといえるでしょう。
こうした国内市場の動きを受けた、日本の化粧品メーカー各社は、海外進出の動きを強めています。
例えば、資生堂は中国、アメリカ、イタリアなどに海外拠点を持ち、コーセーは中国、香港、韓国、タイ、インドネシアなどに支社を持っています。
化粧品業界の動向・トピックス
訪日外国人の増加
日本の化粧品は、質が良いと評判で、外国人が日本を訪れた際に化粧品を買い求めます。
実際に、日本の化粧品輸出額は、2017年に過去最高の1752億円を記録しました。
今後も訪日外国人の数は増加が見込まれ、日本の化粧品の需要は、高まると考えられます。
化粧品業界の課題
美容部員(BA)不足
化粧品のカウンセリング、店頭販売を行うスタッフをBAと呼びます。訪日外国人の増加により、美容部員の需要が上がっています。
オリンピックに向け、更に訪日外国人数は増えると見込まれており、女性の働きやすい職場が求められています。
異業種から化粧品業界への参入激化
2006年に富士フィルムが化粧品業界に参入しました。
富士フィルムといえばカメラの印象が強いですが、写真フィルムの分野の研究を活かし、独自ブランド「アスタリフト」が成功しています。
ロート製薬の肌研、Obagiや大塚製薬のインターシグナルなども新規参入した例です。
今後も競争が激化していく業界といえるでしょう。
化粧品業界の売上高、営業利益ランキング!
化粧品業界の売上高ランキング
ここでは売上高ランキングをご紹介します。
- 資生堂 1兆50億円
- 花王 5860億円
- コーセー 3033億円
- ポーラ・オルビスホールディングス 2443億円
- ロート製薬 1117億円
売上高ランキング1位は、資生堂が輝きました。資生堂が、2位以下を大きく引き離す結果となりました。
化粧品業界の営業利益ランキング
- 資生堂 804億円
- 花王 576億円
- コーセー 484億円
- ポーラ・オルビスホールディングス 388億円
- ロート製薬 154億円
営業利益ランキング1位は、資生堂が輝きました。売上高・営業利益ともに国内トップの資生堂。日本を代表する化粧品会社といえますね。
おわりに
化粧品業界は華やかでありながら、近年競争が激化している分野であることが分かりました。
インバウンド需要の増加により、売り上げは好調である企業が多数ありますが、今後業界を取り巻く状況が変化する可能性は高く、外資系との競争も起きています。
化粧品業界への転職を考えている方は、今後も業界を注視していく必要がありそうです。