転職時の企業研究のやり方・コツを分かりやすく解説!

大喜びする男女

「転職活動でも企業研究は大切」という言葉は、転職活動中の方であればよく聞くでしょう。企業研究は、転職活動の成否の鍵を握ると言っても過言ではありません。

しかし、一口に企業研究と言っても「企業研究の方法は?」「何をどこまで調べればいい?」「企業研究を選考でどのように活用する?」「そもそも時間がないから企業研究なんてできない」といった悩みを持った方も多いと思います。

そこで、この記事では企業研究のやり方のコツ・ポイントをまとめました。

企業研究や業界研究を怠らずに事前準備をしっかりとして、人事へ入社意欲の高さを伝え、納得のいく転職活動にしてください。

本記事を読むメリット転職活動の企業研究の目的が分かる

具体的な企業研究のやり方と面接での活用方法が分かる

時間がない時に最低限抑えるべき企業研究のポイントが分かる

なぜ、転職活動では企業研究が必要?

クエスチョンとビックリマーク

 

まず、企業研究の目的を意識することが大切です。

「内定を得るため」に企業研究をしている方も多いかと思います。

確かに、企業の特徴や特色を知ることで志望動機や自己PRが作りやすくなり、内定に近づきます。(この記事でも企業研究を転職面接に活用する方法をまとめました。)

しかし、企業研究では「自分が実現したい働き方が転職先の企業で実現できるか」「今の会社でのキャリアを捨てて、この企業に転職しても良いか」を知ることを目的としてください。

もちろん内定を得るための企業研究も大切ですが、転職活動において内定はゴールではありません。

今後のキャリア全体を考えた企業研究が大切になります。

企業研究のポイント①:企業の情報収集方法12個

PCと机に広げた青い紙に書き込む人の手

企業ホームページ

企業がアピールしたいポイントをまとめたのが「会社のホームページ」です。多くの場合、企業の沿革・企業理念・業績が書かれています。

まずは、HPでざっくりと会社の全体像をつかみましょう。

また、社長あいさつ・社員の写真・従業員構成・事業所の数といったところからも会社の様子が分かるでしょう。

さらに公式ホームページでは「プレスリリース」も見てください。プレスリリースとは、企業側が報道機関に対して新商品や新サービスを告知する文書です。最近の企業動向を知ることができます。

新卒採用ページ

新卒向けとあって、企業のホームページよりも分かりやすく説明されています。

幅広く人材を集めるために書かれたページであるため、転職活動時にも十分参考になります。

転職フェア

多くの企業が参加する転職フェアでは、応募前に複数企業の採用担当者と直接会話することができます。

疑問に思ったことがあれば、その場で質問できるのことも魅力の一つです。転職者向けのイベントのため、各企業のブースでは会社情報と採用情報の両方が分かります。

採用意欲がある企業が集まる転職イベントのため、効率的に情報収集できるでしょう。

会社四季報

会社概要や業界内のシェアを知ることができます。

平均年収・平均年齢・離職率・有給消化比率といった客観的なデータが分かります。

多くの企業を同じデータで比較することができるため、1冊購入しても良いですし、四季報on-lineを活用すればネット上でも情報が見られます。

新聞

業界の最新動向を知ることができる媒体です。ネットの情報と違い、信頼度も高いのが嬉しいところ。

最近は各新聞社とも電子版が充実しています。気になるワードを登録しておくと、そのワードが含まれる記事を読むことができ、忙しい人でも隙間時間に情報をキャッチアップ可能です。

ビジネス雑誌・業界誌

ビジネス雑誌や業界誌は、最近のホットな話題に関する特集がまとめられています。

転職前に業界動向を知っておくためにも目を通しておくのがおすすめです。

また、経営層へのインタビュー記事も頻繁に掲載されます。気になる企業の特集がないか、バックナンバーを振り返ってみてください。会社が求める人材のヒントがつかめる場合がもあります。

インターネット

インターネット検索をうまく活用しましょう。無料で多くの情報を手に入れられます。

例えば、「○○(会社名) 評判」「○○(会社名) 年収」「○○(会社名) 社長」「○○(会社名) 売上」「○○(会社名) 転職」といった感じです。

自分の知りたい転職情報に合わせて、検索キーワードの掛け合わせを変えてみてください。

IR情報

IR情報は、企業側が投資家から投資を集めるために、財務状況や経営計画を分かりやすく教えてくれるツールです。

企業研究に業績理解は欠かせません。IR情報を活かすことで、企業の売上・営業利益の変遷が数字で分かります。

また、経営成績が変化した要因と今後の会社の方向性について、業界に詳しくない人でも分かるように説明してくれています。

近年の売上・営業利益が伸びているのか落ちているのかを知り、応募者として入社後にどう貢献するかを考えながら読んでみてください。

求人票

求人票には、会社概要・事業内容・企業からのメッセージ・募集背景が分かります。さらに社員インタビューが含まれる求人票だと、会社の雰囲気までつかむことができるでしょう。

会社見学

興味のある会社がBtoCのビジネスを行っていた場合、実際の店舗等に訪れてみると雰囲気が分かります。ネットや書籍では分からないものを肌で感じてみてください。

また、入社の意思が固まりつつある場合は「オフィス見学」を申し出ることが可能です。現場社員と話す機会とともにオフィスを見学させてくれる企業があるので、選考終盤に頼んでみてはどうでしょうか。

企業研究はネットや書籍だけではありません、足を使って現地の情報を取りにいくことも大切です。

知人・口コミ

気になる企業に勤めている人、過去に選考を受けたことがある人や、気になる企業と同じ業界に属する人に会社の雰囲気や仕事内容を聞くと参考になります。

また、口コミサイトでは会社の中で働く人たちのリアルな意見を知ることができます。口コミサイトにはネガティブな情報が集まりやすいですが、福利厚生の利用実績や給与レンジを知ることが可能です。

転職エージェント

転職エージェントは数々の転職希望者の転職活動をサポートしてきました。そのため、各応募者に合わせて企業情報や業界情報を簡単に教えてくれます。自分で企業研究をする手間を省きたい人にはオススメです。

また、転職エージェントは、各企業の裏側を知っている場合があります。担当のキャリアコンサルタントと信頼関係を築くことで、企業のリアルを教えてもらえるかもしれません。

転職時の企業研究のポイント②:準備時間・シートの作り方

ペンと執筆に悩む男性

1社につき、どれ位企業研究の時間をかける?

新卒の就活生転職の場合は、企業研究に15時間の時間をかける必要があると言われています。

一方で働きながら行うことも多い転職活動ではあまり多くの時間をかけられません。

上の章でお伝えした12個の方法全てに取り組もうとせず、効率的に企業研究を行うことが大切です。

筆者のオススメは「IR情報」です。現在の企業側の良い面と悪い面を数字を使って表してくれているため、企業の様子がよくわかります。

また本当に忙しい応募者の方は、転職エージェントのサポートを受けながら転職活動を行うと、効率的に企業研究が進むかもしれません。

企業研究シートを公開

企業研究が十分にできているか分からなくて不安という場合は、以下の「企業研究で調べるべきことを網羅したシート」を企業ごとに作ってみると安心できます。

以下の表の右側の項目について、各企業分用意してみてください。

①自宅で行う企業研究
  • 企業の特徴(ウリ)
  • 採用担当者
  • 売上高(過去5年)の変遷とその理由
  • 営業利益率(過去5年)の変遷とその理由
  • 経営理念や価値観
  • 社長名とその発言内容
  • 事業内容
  • 中期経営計画
  • 現在の主力商品
  • 過去のヒット商品
  • 企業ホームページで気づいたこと
  • 新聞や業界誌で分かった関連情報
②足を使った企業研究
  • 見学した工場やオフィス(可能であれば)
  • 話を聞いた社員の名前とその内容
  • 上記2点で自分が感じたこと
③①と②を元に自己分析
  • 転職先でやりたい仕事内容
  • 自分が貢献出来ること
  • 仕事で活かせるビジネススキルやキャリア経験

企業研究をまとめたサイトもオススメ

最近はネット上に、企業研究をしたものが一定数あります。自分の気になる企業があるか探してみてください。

また気になる企業がなかったとしても、リサーチの切り口など参考にできる部分も多くあると思います。同サイトに以下のような記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください。

転職面接で企業研究をどう活かす?志望動機、自己PRへの活用方法

疑問を感じるスーツ姿の男性

志望動機

企業研究を深くすることで、志望動機に「他社にはない○○に取り組みたい」や「××の特集で拝見し、○○の事業に感銘を受けた」等話すことができるようになります。

こうすることで、面接で「その志望動機なら他社でもいいんじゃないの?」といったことを採用担当者に言われることがなくなるでしょう。

自己PR

新卒の就職活動と転職活動の大きな差が「就業経験の有無」です。転職活動では、企業のことを知れば知るほど、具体的に自分の経験やスキルをどのような業務で活かすことができるかをアピールできます。

さらに、転職先企業が進む方向性を捉えておくことで、数年後を見据えても活躍できる人材だと訴えることも可能になります。

企業側が求める人物像に合わせて、ご自身の強みをアピールすることが大切になります。

逆質問

企業研究をしても分からなかったこと・疑問に感じたことを逆質問の機会に質問してみましょう。企業研究を念入りに行ったアピールにもなります。

IR情報をもとにした今後の展望に関する質問は、入社後のご自身の働くイメージを膨らませることにもつながります。

1時間で終わる企業研究の方法【時間がない転職者向け】

高層オフィスビル

ここまでは、企業研究の理想的な取り組み方についてご紹介してきました。しかし、転職希望者の方の中には「時間がない」という方もいらっしゃると思います。

この章では「これだけはやっておきたい企業研究」として、1時間で終わる内容を3ステップでご紹介します。

本命ではない企業を受ける時や、現職の業務に追われて面接前日を迎えたという場合にご活用ください。次の3ステップで行います。

ステップ①:会社内容・サービス内容 20分

面接を受ける会社の「事業内容」と「ビジネスモデル」は最低限調べましょう。面接を受ける企業に対してのマナーです。

「何を」「誰に対して」「どのように」提供し「利益はどのように入るのか」は必ず押さえます。企業によっては、いろいろな事業を展開している場合もあると思いますが、時間を削る場合は「応募した部署の事業」「応募した企業の主力事業」の2点だけは調べておきましょう。

Google検索で「株式会社〇〇 商品名」と調べれば、応募した会社の商品の最新情報を手に入れることができます。

ステップ②:競合他社とのリサーチ 20分

応募企業にどんな競合会社が存在するかを知っておくことで、応募企業の業界内での立ち位置が分かります。

Google検索で「商品名 競合」と検索すると何かしらの情報が出てくると思います。

ざっくりと競合の存在を知っておくと、競合と比較した応募先企業のサービスの良い点悪い点が見えてきます。

ステップ③:社長インタビュー 20分

最後にまだ時間があれば、社長の価値観を調べてみてください。

「社長名 インタビュー」でGoogle検索すると、今後の方針や課題を語っている記事が見つかるかもしれません。

また「社長名 経歴」でGoogle検索すると、社長のバックグラウンドが分かり、会社の組織風土がイメージできる場合もあります。

おわりに

カップを持つ男女

転職で必要な企業研究の手法はイメージできたでしょうか。

インターネットを使って手軽に情報を集められる時代になったからこそ、情報収集でほかの応募者に負けないように頑張ってください。

特に在籍中の方は、企業研究を行う時間を確保することは大変だと思います。悔いの残らない転職活動にするためにも、効率的に応募先企業の情報を集めましょう。

皆さんの転職活動がうまくいくことを応援しています。

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