広告会社といえば、まず電通の名前が思い浮かぶという方も多いかもしれません。
最近では、働き方の問題など多くニュースに取り上げられた電通ですが、そんな電通も変わろうとしています。
具体的にはどのようなことをしている会社なのでしょうか?
今回は、電通の企業情報から平均年収、採用情報、またそれだけでなく企業を知る上で重要な広告業界の動向などをわかりやすく説明します。
株式会社電通の会社概要!従業員数や売上高は?
項目 | 詳細 |
本社所在地 | 東京都港区東新橋1-8-1 |
代表者 | 山本敏博 |
設立 | 1901年 |
事業内容 | メディア事業、デジタルマーケティング事業、プロモーション事業など |
従業員数 | 60,064名 |
売上高 | 9,288億円 |
広告業界では国内最大手。マス4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)において他社を圧倒しています。
欧米を中心にM&Aを積極的に進め、2013年には英広告会社イージス・グループを買収し、売上総利益ベースで世界第5位、海外比率は5割強まで伸びています。
一方で、国内では社員の過労自殺問題を機に働き方改革を最優先の課題としました。
会社の成長よりも社内の業務効率化など制度改革を優先し、社内環境の改善に取り組んでいます。
電通の事業内容まとめ!
「Good Innovation」を企業理念としてもつ電通は、社会、環境、生活者の変化にも対応した多様なサービスを提供しています。
主な事業は以下の8つとなっています。
【主な事業】
- マーケティング
- デジタルマーケティング
- クリエーティブ
- プロモーション
- メディア
- コンテンツ
- PR
- グローバル・ビジネス
事業内容①:クリエイティブ
既成概念やデジタル、伝統を超えた、アイディア・メディア・人材を多くの形で最適なソリューションを提案します。テーマとして『イノベーティブなクリエーティブ』があります。
クリエーティブ・オブ・ザ・イヤーを全27回中25回受賞しました。
事業内容②:プロモーション
店頭コミュニーケーションだけでなく、SNSやWEB動画、スマホ、O2O関連ツールなどデジタルソリューションを提供しています。インターネットの発展による消費者の生活の変化にも対応しています。
【ビジネス・フィールド】
- 体験価値ブランディング
- 購買行動データ/モデル
- チャネル・ソリューション
- デジタル・アクティベーション
事業内容③:グローバル・ビジネス
グローバルなネットワークを生かして世界の色々なコンテンツホルダーと協力し、広告主への新たなソリューションの展開を進めています。
2013年に英広告会社イージス・グループを買収したのと同時に、海外本社「電通イージス・ネットワーク社」をロンドンに立ち上げました。145ヶ国・地域で海外事業運営を展開しています。
【ビジネス・フィールド】
- アウトバウンド・アカウント業務
- インバウンド・アカウント業務
- グローバル・コンテンツ業務
電通の売上総利益、営業利益は?
直近3年間の売上総利益、営業利益の推移グラフ
電通の売上総利益は直近の3年間で順調に伸びていることがわかります。2016年から2017年にかけて、約1,000億円も増加しています。
営業利益は、2015年から2016年にかけて飛躍的に伸び、その後はその成績を保っています。
会社の経営はとても順調と言えそうです。
電通の年収、平均年齢、勤続年数を競合他社と比較!
ここでは広告会社と呼ばれる博報堂、アサツーディケイ といった競合他社と比較してみます。
会社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
株式会社電通 | 1,248万円 | 40.3歳 | 14.1年 |
株式会社博報堂 | 1,088万円 | 40.2歳 | 14.7年 |
株式会社アサツーディケイ | 827万円 | 41.7歳 | 13.4年 |
株式会社サイバーエージェント | 779万円 | 32.0歳 | 4.0年 |
競合他社と比べて、平均年収では第1位に輝きました。
平均年齢や平均勤続年数は博報堂やアサツーディケイとあまり変わらないのにも関わらず、平均年収では差がついています。
日本人の平均年収が約400万円なことからもやはり十分高いことがわかります。
電通の社長ってどんな人?
元代表取締役社長執行役員の石井直氏の後任として、2017年の1月19日山本敏博氏が就任しました。
山本敏博 (やまもと としひろ)
1958年5月31日生まれ
1981年4月 当社入社
2008年7月 当社コミュニケーション・デザイン・センターEPM
2009年4月 当社コミュニケーション・デザイン・センターセンター長
2010年4月 当社コミュニケーション・デザイン・センターセンター長兼
当社MCプランニング局長
2011年4月 当社執行役員
2014年6月 当社取締役執行役員
2016年1月 当社取締役常務執行役員
2016年3月 当社常務執行役員
2017年1月 当社社長執行役員
2017年3月 当社代表取締役社長執行役員(現任)
慶應義塾大学を卒業後、株式会社電通へ入社。
過労自殺の問題が起き、その引責で辞任した石井直前社長の後を引き受け就任した山本氏。産経新聞のインタビューでは、今後の企業改革については以下のように語っています。
やらなければいけないことは、2つ。まずは、待ったなしで対症療法的にやらなければいけないこと。もうひとつは、対症療法ではなく本質的に改革しないといけないことだ。
対症療法は法令を守ること、それから社員の健康を守ることだ。これは『しばらく検討してからやります』というわけにはいかない。
これらのことを、2年という具体的な目標を立てて成し遂げると語りました。
仕事の質を上げること、顧客の満足や評価を上げることで社員のやりがいへと繋げることを具体的な対策としています。
電通の口コミ情報まとめ!福利厚生や残業の実態は?
口コミ情報サイトは、退職者の書き込みが中心のためどうしてもネガティブ情報が集まりやすい傾向があります。情報をそのまま鵜呑みにするのではなく参考程度に留めておきましょう。
給与・ボーナス、福利厚生は?
給与に関して不安を抱えている人はあまりいないようです。
ですが、残業代の占める比重が重いため、近年の働き方改革による制約の影響で以前より少し減少しているという口コミも見られました。
基本的には年功序列のようで、残業代がしっかりとつくこともあり、30歳で1,000万円が目安だという人もいました。
組織体制や社風は?
いまだに年功序列や体育会系が残っているという意見が多く見られました。
近年では、海外への進出に力を入れていることやAIなどの新たな技術を取り入れたりしていることもあり、大企業でありながらも新たなことにチャレンジする社風もあるようです。
また、体育会系が残るためチームで一つのプロジェクトを行うような場面が多いようですが一人一人プライドを持って仕事をしているという口コミも見られました。
労働時間や休日、残業は?
ワークライフバランスはやはり、所属する部署によることが大きいようです。
営業、マーケティング、メディアなどは仕事も忙しく、あまりプライベートの時間は無いようです。
そのため、ワークライフバランスを比較的に取れているという人もいれば、あまり取れずプライベートの時間はほとんど無いという人と意見がバラバラでした。
しかし、全体的には働き方改革によって以前とは少し変わってきたというのを多くの人が感じているようです。
転職前後のギャップはある?
大きな会社で大きなことをしたいと期待を持って入社を決めている人が多いようです。
入社後は、多くの仕事を任されそれにもやりがいを感じるようですが、やはり仕事の多さにギャップを感じている人が多いように感じました。
この会社で何をしたいのかという具体的な強い思いがなく、ただ入りたいから入社してしまった人には入社後のギャップが強く生まれるようです。
電通が属する広告業界の動向、今後の課題は?
広告業界の市場規模
6兆3,907億円(2017年の広告費、電通)
ネット広告は近年とても順調で毎年2倍増の成長を見せています。一方で紙媒体のような既存のメディアは減少傾向にあります。
上記の2017年の総広告費は前年比1.6%増と6年連続でプラス成長となりましたが、テレビや新聞などの既存の媒体は2兆7,938億円と前年比2.3%減で3年連続でマイナス成長となってしまっています。
世界的には、ネット広告がテレビ広告を上回っています。平成21年には、新聞広告を抜いています。
広告業界の動向・トピックス
変化する広告形態
近年の広告業界では、紙媒体などの、掲載期間や金額、出稿内容(掲載面、配信料、掲載内容等)があらかじめ定められている予約型広告から、ネット広告のような回の広告表示につき幾らかのお金をもらったり、1クリックで何円というような運用型広告へと移っています。
媒体費全体では、運用型が77.0%を占めています。
メディアの3極化
現在では、テレビCM、ネット広告、電車やビルの電子広告の3つが主な広告となっています。
これら3つの広告が成長する中、既存の新聞やラジオといった媒体は減少していくと思われます。
またそれだけでなく、VR(バーチャルリアリティ)などを駆使した新たな広告が生まれてくることのも予想され、さらに既存の媒体が弱まったいくのではないかと思われます。
広告業界の課題
働き方改革
電通での過労自殺などの問題が起きてからは、国内全体で働き方改革が進んでいます。
長時間労働の見直しや、業務の効率化をはかることが主な対策のようです。
2018年2月13日の電通のニュースリリースによると、有給所得率は56.0%から64.0%へと増えました。2017年の一人あたりの労働時間は2,031時間、そこから2019年には1,800時間まで減らすという目標を立てました。
多くの時間を仕事にかけて、一生懸命働くという観念から、仕事の質や効率重視へと意識が向かっています。
大手広告会社の平均年収、売上高ランキング!電通は何位?
平均年収ランキングTOP3
第1位 株式会社電通 1,275万円
第2位 株式会社博報堂 1,088万円
第3位 株式会社アサツーディ・ケイ 827万円
大手広告会社の中でも堂々の第1位となりました。
国内の多くを占める電通と博報堂の2社の給料はやはり高いようです。
売上高ランキングTOP3
第1位 株式会社博報堂DYホールディングス 1兆3,350億円
第2位 株式会社電通 9,288万円
第3位 株式会社サイバーエージェント 4,195億円
売上高では、博報堂が第1位となりました。
平均年収同様、売上高も博報堂と電通の2社が圧倒しています。
電通の中途採用情報を紹介!
中途の募集職種
電通では、正社員と契約社員の2つの中途採用を行なっています。
公式HPでは、以下の事業内容・職種で募集を行なっています。
正社員
デジタル事業領域
契約社員
2019/2020 スポーツビジネス要員
具体的な仕事内容、募集条件は?
正社員
【業務内容】
- デジタル広告領域におけるメディアプランニング業務
- デジタル広告領域におけるコンサルティングおよび広告運用業務
- データ分析に基づく統合マーケティング戦略立案業務
- データ分析に基づく広告配信や各種ソリューションの提案業務
- AI、機械学習などを活用したプラットフォーム / 事業開発業務
- 関連するシステムおよびツールの開発
【応募資格】
3年以上の業務経験のある方
契約社員
【業務内容】
- 「ラグビーワールドカップ2019日本大会/2020東京オリンピック・パラリンピック」その他
大型国際スポーツイベントに関わる業務全般 - マーケティング、セールスプランニング、ブランド管理、ライセシング、チケッティング、イベント対応、クライアント対応、等
【応募資格】
- 広告、プロモーション、イベント実施運営等、広告関連業務経験者
- スポーツイベントに関心が高い方
- 英語力(必須ではないが、英語力も加味して選考する)
詳細が気になる方は電通の公式HPをご覧ください。
以上です。
今回は株式会社電通の企業情報から採用情報、広告業界の動向などをまとめました。
最近では、過労自殺の問題などが大きく取り上げられ電通も大きく変わろうとしています。働き方が変わることを知っておくことは、転職する際にとても大切な情報の一つです。
また、海外への進出も盛んに行われているため英語力が必要になってくるかもしれません。
国内最大手であるが故に、やはり仕事は忙しいようですがその分やりがいも感じられるようです。広告によって世界を知ることができたり、逆に世界に発信することができます。
そんな広告を通じて世の中のために何かをしたい人にとってはとても向いてると思います。
その中で、少しでも電通に興味があるひとは今後も自分でニュースなどをチェックするといいでしょう。