厚生労働省が2020年までに男性の育児休業取得率を13%にすることを目標として掲げましたが、まだまだ実現には難しいのが現状です。
そんな状況の中、男性の育休にも力を入れている会社は存在します。
今回は、男性社員が育休を取りやすい会社をランキング形式でお伝えします。
ランキングの上位は取得率100%の会社やそれに近い会社も多数あります。また、男性の子育て支援にも力を入れている会社が具体的にどのような取り組みを行なっているのかも合わせてご紹介します。
育休中の手当(給付金・給与)についてもご説明しているので、ぜひ本記事を参考に夫婦二人のライフプランあった会社を探してみてください。
男性が育休を取りやすい会社ランキング!50位〜11位を一挙公開!
今回は東洋経済「『男性社員が育休を取りやすい会社』トップ50をもとに作成しました。
対象となった企業は、「CSR企業総覧(雇用・人材活用編)2017年版掲載の1408社です。
順位 | 社名 | 業種 | 男性取得率(%) | 育児休業取得者(人) | ||
男性 | うち1週間 | 男女合計 | ||||
11 | 丸井グループ | 小売業 | 65.5 | 57 | 55 | 222 |
12 | みちのく銀行 | 銀行業 | 62.2 | 23 | 23 | 64 |
13 | SOMPOホールディングス | 保険業 | 61.7 | 266 | 265 | 831 |
14 | 千葉銀行 | 銀行業 | 61.6 | 69 | 65 | 151 |
15 | 帝人 | 繊維製品 | 54.1 | 80 | 78 | 164 |
16 | コネクシオ | 情報・通信業 | 46.6 | 63 | 63 | 213 |
17 | 昭和電工 | 化学 | 46.0 | 69 | 66 | 86 |
18 | 東京センチュリー | その他金融業 | 45.5 | 106 | 36 | 140 |
19 | リコー | 電気機器 | 44.5 | 10 | 10 | 23 |
20 | 東京海上ホールディングス | 保険業 | 44.4 | 116 | 116 | 860 |
21 | 日本出版販売 | 卸売業 | 41.7 | 11 | 10 | 40 |
22 | 花王 | 化学 | 40.0 | 70 | 67 | 157 |
23 | 宇部興産 | 化学 | 36.1 | 44 | 44 | 48 |
24 | 住友生命保険 | 保険業 | 32.9 | 49 | 44 | 787 |
25 | テルモ | 精密機器 | 31.5 | 45 | 18 | 98 |
26 | 武田薬品工業 | 医薬品 | 30.3 | 105 | 46 | 343 |
27 | 積水ハウス | 建設業 | 28.6 | 144 | 139 | 284 |
28 | ワコールホールディングス | 繊維製品 | 28.0 | 7 | 7 | 125 |
29 | JXホールディングス | 石油・石炭製品 | 25.8 | 61 | 21 | 86 |
30 | サッポロホールディングス | 食料品 | 22.2 | 18 | 15 | 33 |
31 | MS&ADインシュランスグループホールディングス | 保険業 | 21.4 | 92 | 90 | 707 |
32 | クボタ | 機械 | 20.8 | 80 | 71 | 119 |
33 | レンゴー | パルプ・紙 | 19.6 | 31 | 29 | 54 |
34 | ミズノ | その他製品 | 17.2 | 11 | 11 | 43 |
〃 | ヱスビー食品 | 食料品 | 17.2 | 5 | 5 | 14 |
36 | 不二製油グループ本社 | 食料品 | 17.1 | 6 | 2 | 21 |
37 | 中外製薬 | 医薬品 | 15.6 | 35 | 15 | 142 |
〃 | トクヤマ | 化学 | 15.6 | 35 | 15 | 142 |
39 | ハウス食品グループ本社 | 食料品 | 13.6 | 11 | 11 | 39 |
40 | 日油 | 化学 | 11.1 | 7 | 6 | 12 |
41 | 小田急電鉄 | 陸運業 | 9.2 | 13 | 4 | 26 |
42 | NTT都市開発 | 不動産業 | 9.1 | 1 | 0 | 6 |
43 | 安藤ハザマ | 建設業 | 8.3 | 8 | 1 | 19 |
44 | アルプス技研 | サービス業 | 8.1 | 3 | 0 | 28 |
45 | 住友林業 | 建設業 | 7.8 | 13 | 13 | 53 |
46 | あすか製薬 | 医薬品 | 7.7 | 1 | 0 | 2 |
47 | アートネイチャー | その他製品 | 6.8 | 4 | 2 | 47 |
48 | 大日本住友製薬 | 医薬品 | 6.7 | 9 | 5 | 99 |
49 | 味の素 | 食料品 | 6.6 | 11 | 3 | 124 |
50 | ロック・フィールド | 食料品 | 6.3 | 2 | 1 | 36 |
男性が育休を取りやすい会社ランキング10位〜6位!
「男性が働きやすい会社ランキング」の上位10社をランキング形式でお伝えします。
第10位 三井住友フィナンシャルグループ 69.6%
三井住友フィナンシャルグループの業種は銀行業、男性取得率69.6%、男性育児休業取得者466人、うち1週間424人、男女合計1,262人となり第10位となりました。
国内最大級の金融グループ。「三井住友銀行」「SMBC日興証券」「日本総合研究所」などがグループ会社、米モルガン・スタンレーは持分法適用会社となっています。
SMBCグループ会社では、各社が独自の育児と仕事の両立支援制度を設置しています。
例えば、「三井住友銀行」の育児休業制度は1歳6ヵ月までで、保育所がみつからない等の理由がある場合は最長で2歳まで認められ、男女ともに取得可能です。「SMBC信託銀行」では、1歳までで保育所がみつからない場合は最長で1歳6ヵ月まで、その他の条件を満たす場合が最長で2歳2ヵ月まで3段階に分けられています。
第9位 大和証券グループ本社 73.1%
大和証券グループ本社の業種は証券・商品先物、男性取得率73.1%、男性育児休業取得者196人、うち1週間161人、男女合計693人となり第9位となりました。
独立系大手では国内2位の証券会社。三井住友とのホールセール業務における提携を解消し、独自の路線で行くと決めました。
「育児休職」として子が3歳に達する前日まで取得することができ、配偶者の出産時や復職時等に取得可能な「育児サポート休暇」もあります。具体的な数値目標として「男性の育児休職取得率」を100%にすることを掲げています。また、グアムにも法人契約施設があり長期休暇などで使用することができるなど福利厚生も充実しています。
第8位 アサヒグループホールディングス 80.0%
アサヒグループホールディングスの業種は食料品、男性取得率80.0%、男性育児休業取得者88人、うち1週間83人、男女合計119人で第8位となりました。
飲料業界では国内3位。「ワンダ」「ウィルキンソン」「十六茶」「三ツ矢」など多数有名商品を販売しています。高利益立なのが特徴です。
アサヒグループの男性育児休業取得後の復職率は93.1%と育児休業取得率共に高いことが分かります。長時間労働防止対策として、上長に従業員の出勤時刻とパソコンのログオン・ログオフ時間の情報を確認することができるようにすることで適正な労働時間管理を行なっています。
第7位 朝日生命保険 81.6 %
アサヒグルホールディングスの業種は保険業、男性取得率81.6%、男性育児休業取得者31人、うち1週間31人、男女合計68人となり第7位となりました。
相互会社形式を取っている生命保険会社で、古河グループの古河三水会理事会社の一つでもあります。
「産前産後休暇」「育児休暇」「勤務時間の短縮制度」など出産・育児への制度は整っています。福利厚生も充実していて、不動産売買仲介手数料の割引や東京ディズニーリゾートチケットの割引などもあります。
第6位 第一生命ホールディングス 85.5%
第一生命ホールディングスの業種は保険業、男性取得率85.5%、男性育児休業取得者136人、うち1週間109人、男女合計243人で第6位となりました。
保険業界では国内大手の金融持株会社。元々は「第一生命保険株式会社」でしたが「第一生命ホールディングス株式会社」へと商号を変更しました。
子育て支援として、「育児サービス経費への補助」や「短時間勤務」を備えています。女性だけでなく、男性および家族にも優しい制度が充実しています。ワークライフバランス・男性の育休取得促進にも力を入れています。
男性が育休を取りやすい会社ランキング!5位〜1位を発表!
第5位 明治安田生命保険 94.4%
明治安田生命の業種は保険業、男性取得率94.4%、男性育児休業取得者136人、うち1週間111人、男女合計810人で第5位となりました。
明治安田生命は相互会社形式をとる、日本初の生命保険会社です。明治生命保険(三菱グループ)と安田生命保険(芙蓉グループ)が合併してできました。
子育て支援制度が充実していて、子どもが小学校3年生まで1年に5日取得することができる「キッズサポート休暇」、保育所等を利用した月ごとに1万円の補助が出る「保育科補助支給制度」があります。育児休職は子どもが満2歳に月の末日まで取得することができます。
第4位 T&Dホールディングス 97.2%
T&Dホールディングスの業種は保険業、男性取得率97.2%、男性育児休業取得者138人、うち1週間133人、男女合計58人で第4位となりました。
「T&Dフィナンシャル生命」「太陽生命」「大同生命」の3つを主なグループ企業とする、国内大手の保険会社です。
男性育児休業取得者は2013年度に71名だったのが2014年度には153名と倍以上に増えました。男性育児休業後復職率は2013、2014年度の2年連続で100%、2015年でも98.6%を高水準を保っています。
第3位 シーボン 100.0%
シーボンの業種は化学、男性取得率100.0%、男性育児休業取得者1人、うち1週間0人、男女合計58人となり見事第3位となりました。
化粧品などの美容機器等を製造・販売・輸出入業を行なっている会社です。
シーボンは女性社員比率が92.3%とほとんどが女性社員という特徴があります。女性管理職率も85.7%と高く、「女性管理職が多い会社」では2年連続の1位となりました。そのため男性社員が少ないですが、男性育児休業取得率は100%となっています。
第2位 古河機械金属 100.0%
古河機械金属の業種は非鉄金属、男性取得率は100.0%、男性育児休業取得者4人、うち1週間3人、男女合計5人で第2位となりました。
当初は鉱山開発でスタートし、今では産業機械、金属、電子材料などを製造・販売する会社です。近年では不動産業など幅広く展開しています。
働き方改革の一つとして、時間外労働の際には事前申請と承認が必要としていてしっかりとした労働時間管理を行なっています。また、フレックスタイム制やノー残業デーなども設けています。男性育児休業取得者36名全員が取得し100%となっているため、男性の育休を取りやすさは十分備わっていると言えるでしょう。
第1位 日本生命保険 100.0%
日本生命保険の業種は保険業、男性取得率100.0%、男性育児休業取得者340人、うち1週間339名、男女合計1,922人で見事第1位に輝きました。
相互会社形式を取る国内大手の生命保険会社です。国内保険関連会社10社、海外保険関連会社7社を持ちます。
育児休業は子どもが最長で2歳半まで取得することができ、休業から7日目迄有給として扱われます。育児短時間勤務制度は最大で6時間まで勤務時間を短くすることができます。保育所を利用している場合に最大で月1万円の補助を受けることができる保育所利用補助制度があります。
育休が取りやすい会社の子育て支援とは?
東洋経済「『育休が取りやすい会社』ランキング」をもとに作成しました。
ここでは育休取得者の男女合計人数、そのうち女性の人数、女性の取得率、30代従業員の合計とそのうち女性の人数を紹介します。またそれだけでなく、それぞれの会社でどのように子育て支援に力を入れているのかもチェックしてみてください。
3位 日本電信電話 1,749人
取得者合計1,749人のうち女性1,677人、取得率の掲載はなし、30代従業員合計728人のうち女性100人で第3位となりました。
育児休職を満3歳まで取得することができ、子どものを託児所へ送迎する時間などの確保を目的とした勤務時間のシフトが可能であるスライドワーク、育児を理由に一度退職した社員を一定期間以内に再採用する制度などがあります。
また日本電信電話では、育休前から育休後に渡ってのサポートに力を入れています。育休前から三者面談を行い、育休中は上司との連絡を取ることで社内情報の共有をすることで復職しやすくし、復職後も子育てと仕事の両立しやすいように三者面談を行なっています。
2位 日本生命保険 1,997人
取得者合計1,997人のうち1,681人、取得率100%、30代従業員14,673人のうち女性12,854人となり第2位となりました。
日本生命保険の育児休業取得率は100%で男性社員が育休を取りやすい会社ランキングでは第1位となっています。
育児休業を最大で2歳半まで取得することができ、休業開始後7日までについて有業扱いとなっています。産前産後休暇は全期間において有給扱いとなっています。保育所を利用しながら働く社員に対して費用の一部を補助する保育所利用補助制度があります。保育所を紹介してくれる制度もあり、ニチイ学館が運営する保育所を積極的に紹介してもらうことができます。
1位 三菱UFJフィナンシャル・グループ 2,640人
取得者合計2,640人のうち2,085人、取得率の記載はなし、30代従業員合計8,650人のうち女性5,867人で見事1位に輝きました。
育児休業を子どもが2歳になるまで利用することができ、10日間が有給扱いとされます。小学校3年生まで育児短時間勤務、在宅勤務制度などを利用することができます。
他にも様々な仕事と育児との両立支援制度が設置されています。セレクト時差勤務、シッターサービス、託児補助、ベビーシッター割引など特に出産後の育児中の支援が手厚いのが特徴です。
育休中の手当は?給付金・給与はもらえる?
子どもができ、いざ育休を取得しようと思っても「働いていない間の給与はどうなるの?」と男性社員の育休中の手当がどうなっているか、まだあまり知らない方も多いと思います。
ここでは男性社員が育休を取る際の手当についてにご説明します。
給与が支払われない場合、育児休業給付金というものを雇用保険から受け取ることができます。
育休取得開始してから6ヵ月の間は育児休業開始前賃金の67%、それ以降になると50%が育児休業給付金として支払われます。また、所得税、社会保険料、雇用保険料はかかりません。
もし父親と母親の両方が半年ずつに分けて育休を取るとすると、最大で1年間に渡って育児休業前賃金の67%を給付金として受け取ることができます。
男性が育休を取りやすい会社TOP50のランキング、育休中の手当などについてお伝えしてきました。
厚生労働省によると2016年の男性育児休業取得率は3.16%とまだまだ男性が十分に育休を取れているとは言えません。
近年「イクメン」という言葉も流行しました。「育児を妻だけに任せず、妻のサポートをしながら一緒に子どもの成長を見守りたい」そう考える男性も増えてきていると思います。
育休を取ろうと考えている方は夫婦で話し合うも当然ですが、会社の同僚や上司ともしっかりと育休について相談することが重要です。
ぜひ、本記事のランキングや各社の育休制度などを参考に今後の夫婦二人のライフプランを立ててみてください。