31歳の平均年収・年収の中央値・手取り金額・貯金額をご紹介します。
今回は、男女別・職種別・最終学歴別・都道府県別に31歳の平均年収をまとめました。
また、平均年収だけでなく男女別31歳の年収中央値・30代の貯金額・手取りの計算方法も網羅しました。
国税庁『平成28年度分民間給与実態統計調査』、厚生労働省『平成29年賃金構造基本統計調査の概況』doda『年齢別平均年収ランキング』を参考にしています。
【この記事で分かること】
- 男女別31歳の平均年収と中央値
- 業種別・都道府県別・最終学歴別の31歳の平均年収
- 30代の平均貯金額
- 31歳の平均手取り額と計算方法
31歳の平均年収と中央値【男女別】
30歳〜34歳の平均年収
国税庁のデータをもとに作成しました。
年齢階層(歳) | 男性平均年収(万円) | 女性平均年収(万円) |
19以下 | 157 | 106 |
20~24 | 275 | 241 |
25~29 | 383 | 309 |
30~34 | 457 | 315 |
35~39 | 512 | 300 |
40~44 | 563 | 302 |
45~49 | 633 | 299 |
50~54 | 661 | 296 |
55~60 | 649 | 288 |
60~64 | 479 | 228 |
65~69 | 387 | 195 |
70以上 | 368 | 207 |
年齢計 | 521 | 280 |
30~34歳の年収は男性だと457万円、女性だと315万円になります。
続いてdodaのデータをもとに、1歳ごとに細かく平均年収をまとめました。
年齢階層 | 男性年収平均値(万円) | 女性年収平均値(万円) |
27歳 | 380 | 340 |
28歳 | 397 | 351 |
29歳 | 411 | 363 |
30歳 | 427 | 361 |
31歳 | 443 | 358 |
32歳 | 456 | 370 |
33歳 | 467 | 379 |
34歳 | 485 | 373 |
35歳 | 505 | 392 |
31歳の平均年収は男性で443万円、女性で358万円だと分かります。
31歳の年収中央値
27歳~35歳までの年齢階層別に中央値を調べました。
dodaのデータを参考に表を作成しました。
年齢階層(歳) | 男性年収中央値(万円) | 女性年収中央値(万円) |
27歳 | 360 | 320 |
28歳 | 383 | 330 |
29歳 | 400 | 350 |
30歳 | 400 | 350 |
31歳 | 420 | 347 |
32歳 | 430 | 350 |
33歳 | 440 | 351 |
34歳 | 450 | 350 |
35歳 | 480 | 360 |
年収中央値で考えると31歳男性で420万円、31歳女性で347万円となりました。
中央値で年収を考える理由
中央値とは、データを昇順(降順)に並べたときに「ちょうど中央に位置する値」のことです。
平均年収では、一部の高給取りの影響で平均金額が上昇してします。したがって「一般的な人はどれくらいの給料をもらっているのか」を知るときには、平均年収よりも年収の中央値を見たほうが良いです。
業種別・最終学歴別の31歳平均年収
業種別の平均年収
業種別に年平均賃金をまとめました。
厚生労働省のデータを参考にまとめました。ただし、以下の金額は時間外手当(残業代)や賞与(ボーナス)を反映していません。
業種 | 31歳男性(万円) | 31歳女性(万円) |
建設 | 362.7 | 166.1 |
製造 | 326.9 | 160.4 |
情報通信 | 396.7 | 170.2 |
運輸・郵便 | 267.1 | 126.5 |
卸売・小売 | 320.5 | 166.3 |
金融・保険 | 464.2 | 205.3 |
学術研究、専門・技術サービス | 400.7 | 181.0 |
宿泊・飲食サービス | 299.9 | 159.2 |
生活関連サービス・娯楽 | 321.8 | 161.3 |
教育・学習支援 | 392.9 | 176.5 |
医療・福祉 | 345.2 | 162.5 |
その他サービス業 | 302.0 | 146.6 |
31歳で平均給料が高い業界は「金融・保険」「学術研究、専門・技術サービス」「情報通信」となっていることが分かります。
最終学歴別の平均年収
最終学歴別に31歳の平均年収を計算しました。
こちらも厚生労働省のデータもとに作成したため、以下の金額は時間外手当(残業代)や賞与(ボーナス)を反映していません。
最終学歴 | 男 | 女 |
大学・大学院 | 385.6 | 328.9 |
高専・短大 | 320.4 | 284.6 |
高校 | 305.3 | 242.2 |
最終学歴が高くなるにつれ平均年収も高くなる傾向があります。
都道府県別の30代平均年収ランキング!
dodaを参考に、30代の都道府県別平均賃金を表でまとめました。
都道府県 | 平均賃金(万円) |
北海道 | 392 |
青森 | 395 |
岩手 | 371 |
宮城 | 410 |
秋田 | 386 |
山形 | 429 |
福島 | 412 |
茨城 | 436 |
栃木 | 441 |
群馬 | 425 |
埼玉 | 448 |
千葉 | 465 |
東京 | 492 |
神奈川 | 484 |
新潟 | 381 |
富山 | 430 |
石川 | 385 |
福井 | 414 |
山梨 | 440 |
長野 | 440 |
岐阜 | 422 |
静岡 | 437 |
愛知 | 447 |
三重 | 460 |
滋賀 | 424 |
京都 | 421 |
大阪 | 420 |
兵庫 | 442 |
奈良 | 417 |
和歌山 | 409 |
鳥取 | 381 |
島根 | 359 |
岡山 | 406 |
広島 | 423 |
山口 | 395 |
徳島 | 424 |
香川 | 392 |
愛媛 | 411 |
高知 | 370 |
福岡 | 400 |
佐賀 | 412 |
長崎 | 391 |
熊本 | 404 |
大分 | 383 |
宮崎 | 380 |
鹿児島 | 408 |
沖縄 | 332 |
47都道府県中、30代の平均年収上位には「東京都(492万円)」「神奈川県(484万円)」「千葉県(465万円)」と関東勢が続いた後、4位には「三重県(460万円)」、6位には「愛知県(447万円)」と東海勢がランクインしています。
30代の平均的な貯金額は?
勤労者世帯の世帯主年齢別貯蓄残高をまとめました。
年齢 | 貯蓄残高(万円) |
29歳以下 | 265 |
30歳~39歳 | 670 |
40歳~49歳 | 1,026 |
50歳~59歳 | 1,639 |
60歳~69歳 | 2,133 |
70歳以上 | 2,100 |
平均 | 1,309 |
30代では、平均的に670万円程度の貯金があると分かります。
この670万円の貯金は、14年間月平均4万円の貯金を続けると貯まる金額になります。
31歳の平均手取り額は?
31歳の平均手取り額【年収450万円の場合】
以下の3つの場合の手取りを計算していきます。
- 31歳・年収450万円・独身の場合
- 31歳・年収450万円・配偶者が専業主婦(夫)または年収103万以下の場合
- 31歳・年収450万円・配偶者が専業主婦(夫)または年収103万円以下・70歳の母と同居の場合
表にまとめました。
31歳・年収450万円 | 毎月の手取り額 |
独身 | 約29.5万円 |
配偶者が専業主婦(夫)または年収103万円以下 | 約30万円 |
配偶者が専業主婦(夫)または年収103万円以下・70歳の母と同居の場合 | 約30.6万円 |
手取りの計算方法
手取り金額の計算方法は、ざっくり以下の計算式で算出出来ます。
手取り金額=年収-(所得税+住民税+社会保険料)
所得税の調べ方
所得税の計算式は以下の通りです。
所得税=課税所得(年収-{①給与所得控除+②所得控除+③社会保険料控除})×税率-税額控除額
①給与所得控除
給与所得控除は、年収に応じて、無条件に給与から差し引かれる控除のことです。
給与所得控除額は、以下の表から求められます。
年収(万円) | 給与所得控除額 |
180以下 | 収入×40% |
180~360 | 収入×30%+18万円 |
360~660 | 収入×20%+54万円 |
660~1000 | 収入×10%+120万円 |
1000以上 | 220万円 |
- 年収が300万円の場合の給与所得控除額は、300(万円)×30%+18万円=108万円
- 年収が450万円の場合の給与所得控除額は、450(万円)×20%+54万円=144万円
②所得控除
所得控除は、給与所得控除と違い、ある一定条件を満たした人が受けられる控除のことです。(ただし、基礎控除のみ誰でも受けられる)
扶養控除など、世帯人数等によって使える控除が異なるため、一旦ここでは基礎控除のみ該当することとします。
所得がある人なら、収入に関わらず一定の控除を受けることができます。
- 所得税の基礎控除:38万円
③社会保険料
社会保険料とは、毎月の給与から控除されるもので健康保険の保険料や厚生年金の保険料があります。
社会保険料は収入の約14%程度です。したがって、
- 年収300万円であれば、300(万円)×14%=42(万円)
- 年収450万円であれば、450(万円)×14%=63(万円)
になります。ただし、社会保険料の金額は勤務先の会社や地域によって異なるため目安程度にお考え下さい。
社会保険料控除は、その年に実際に支払った保険料が全額控除対象となります。
上記の①〜③を元に、所得税を計算してみましょう。
《課税所得》
- 年収300万円のケース
所得税の課税所得:300万円-(基礎控除38万円+給与所得控除108万円+社会保険料42万円)=112万円
- 年収450万円のケース
所得税の課税所得:450万円-(基礎控除38万円+給与所得控除144万円+社会保険料63万円)=205万円
課税所得がわかったところで、最後に税率と税額控除額を調べて、所得税額を求めましょう。所得税は、課税所得学に応じた累進課税となっており、以下の表で計算できます。
課税所得金額(万円) | 税率 | 控除額(円) |
~195 | 5% | 0 |
195~330 | 10% | 97,500 |
330~695 | 20% | 427,500 |
695~900 | 23% | 636,000 |
900~1800 | 33% | 1,536,000 |
1800~4000 | 40% | 2,796,000 |
4000~ | 45% | 4,796,000 |
《所得税額》
- 年収300万円のケース
課税所得は112万円。税率は5%になります。
したがって所得税は、112(万円)×5%=5.6万円になります。
- 年収450万円のケース
課税所得は205万円になり、10%の税率をかけた後に9万7,500円を控除します。
すると所得税は、2,050,000円×10%-97,500=10万7,550円になります。
住民税の調べ方
住民税は、所得に応じて支払う「所得割」と、所得に関係なく同じ税額を支払う「均等割」の2つの部分に分かれて徴収されます。
所得割は、基本的に全国一律10%です。
均等割の標準税額は、5000円です。均等割は地域のよって金額が少しずつ異なるため、詳しい金額を知りたい場合は、お住まいの自治体のホームページでご確認ください。
- 年収300万円のケース
住民税額:115(万円)×10(%)+5000(円)=12万円
- 年収450万円のケース
住民税額:210(万円)×10%+5000(円)=21万5000円
社会保険料控除の調べ方
前述した通り、社会保険料は収入の約14%程度です。
- 年収300万円であれば、300(万円)×14%=42(万円)
- 年収450万円であれば、450(万円)×14%=63(万円)
基礎控除以外に使える控除は何がある?
①配偶者控除
配偶者控除とは
配偶者の収入が103万円以下の時に適用される控除のことです。
所得税の配偶者控除:38万円
住民税の配偶者控除:33万円
上記の金額が、独身の場合の課税所得からひかれます。
所得税・住民税の金額は?
ここでは、結婚して奥さんが専業主婦になった、年収が450万円の夫の所得税・住民税を計算してみます。
所得税の課税所得:独身時の課税所得205万円-配偶者控除38万円=167万円
所得税額:課税所得167万円×5%=8.35万円
住民税の課税所得:独身時の課税所得210万円-配偶者控除38万円=172万円
住民税額:課税所得172万円×10%+5000円=17.7万円
配偶者控除を利用すると、税負担が独身の場合と比べて年間6.2万円軽くなります。
②扶養控除
扶養控除とは
16歳以上の子どもがいる場合、もしくは両親の生活費を援助している場合に扶養控除を利用することが可能です。
扶養控除は、扶養している人の年齢によって控除金額が異なります。以下の表をご覧ください。
年齢 | 所得税の扶養控除(万円) | 住民税の扶養控除(万円) |
0~15歳 | 0 | 0 |
18歳 | 38 | 33 |
19~22歳 | 63 | 45 |
23~69歳 | 38 | 33 |
70歳以上(同居) | 58 | 45 |
70歳以上(別居) | 48 | 38 |
所得税・住民税の金額は?
ここでは「31歳・年収450万円・配偶者の収入が103万以下・70歳の母と同居」の会社員を例に見ていきます。
この場合、配偶者控除に加えて扶養控除も利用可能です。
所得税の課税所得:独身時の課税所得205万円-配偶者控除38万円-扶養控除58万円=109万円
所得税額:課税所得122万円×5%=5.45万円
住民税の課税所得:独身時の課税所得210万円-配偶者控除38万円-扶養控除45万円=127万円
住民税額:課税所得127万円×10%+5000円=13.2万円
扶養控除と配偶者控除を利用することで、独身の時に比べて税負担が13.6万円分軽くなっています。
おわりに
31歳の平均年収や年収の中央値のデータや、手取りを知るための所得税や住民税の計算方法をまとめてきました。
現在のご自身の給与水準と、世間一般での給与水準に違いはあったでしょうか。
給与を上げたいと思った場合は、2つの選択肢があります。
1つは、今の会社での昇進を狙う方法です。日本の雇用体系は年功序列を採用している企業がほとんどのため、昇進できれば賃金水準が大きく上がります。
もう1つは、転職してキャリアアップを目指す方法です。31歳という年齢は、ビジネスパーソンとしてのご自身の実力が分かってくる年齢です。今まで身につけた専門性を活かした転職活動を考えてみるのも有効です。
ご自身の能力が評価されれば、転職で給料アップにつながる可能性は十分あります。ただし、目先の給料に惑わされず持続的に給料が上昇するかのご確認も忘れないようにしてくださいね。