どの業界が年収が高いのだろう?
なんとなく年収が高い業界のイメージを持っていても、それぞれの業界の具体的な順位までは分からない人も多いと思います。
そこで今回は、気になる業界別の平均年収をランキング形式でお伝えします。
給与水準がちょうど伸び盛りの40歳のモデル年収でランキング付けしました。
是非、初任給や30歳年収だけでなく40歳の時の年収にも目を向けてみてください。2019年度版「会社四季報の業界地図」を参考にまとめました。
業界別の平均年収ランキング!全64業界の順位発表!
順位 | 業界名 | 平均年収 (万円) |
1 | コンサルティング | 1316 |
2 | 総合商社 | 1232 |
3 | 放送 | 879 |
4 | 携帯電話事業者 | 839 |
5 | 投資事業・投資ファンド | 815 |
6 | メガバンク | 798 |
7 | 石油 | 784 |
8 | 海運 | 776 |
9 | 證券 | 755 |
10 | 総合重機 | 745 |
11 | 医薬品 | 731 |
12 | 自動車 | 723 |
13 | 電機・家電大手 | 706 |
14 | 複写機・プリンタ | 702 |
15 | 映画・アニメ | 695 |
16 | トイレタリー(日用品) | 690 |
17 | 飲料・酒類 | 689 |
18 | 損害保険 | 673 |
19 | 建設 | 671 |
20 | パチンコ・パチスロ | 648 |
21 | 不動産・住宅・マンション | 647 |
22 | 倉庫 | 636 |
23 | 生命保険 | 633 |
23 | 化学 | 633 |
25 | 広告 | 632 |
26 | ゲーム | 629 |
27 | ITサービス、ソフトウェア | 627 |
28 | 工作機械 | 626 |
29 | Webサービス | 624 |
30 | 半導体製造装置 | 622 |
31 | 建設機械 | 612 |
32 | ネット広告 | 609 |
33 | 電子部品 | 608 |
34 | 自動車部品 | 602 |
35 | 創薬ベンチャー | 601 |
36 | ネット通販 | 600 |
37 | 医療機器 | 598 |
38 | 鉄道(JR・民鉄) | 597 |
39 | 鉄道車両 | 594 |
40 | 鉄鋼・非鉄金属 | 594 |
41 | 化粧品 | 585 |
42 | 産業機械 | 583 |
43 | 食品 | 573 |
44 | 文房具・事務用品 | 556 |
45 | 通販 | 537 |
46 | カー用品 | 537 |
47 | スポーツ・フィットネス | 536 |
48 | ドラッグストア | 527 |
49 | コンビニエンスストア | 527 |
50 | 教育・学習塾 | 527 |
51 | 人材サービス | 522 |
52 | 旅行 | 519 |
53 | レジャー・テーマパーク | 518 |
54 | 陸運 | 500 |
55 | 繊維・アパレル | 500 |
56 | スーパー | 493 |
57 | 外食 | 491 |
58 | 中古車 | 488 |
59 | ホームセンター・ディスカウントストア | 485 |
60 | 家電量販店 | 482 |
61 | リサイクル・中古 | 466 |
62 | ホテル | 464 |
63 | 百貨店 | 452 |
64 | 介護 | 401 |
全業界の40歳時の平均年収は600万円ですが、トップのコンサルティング業界と最下位の介護業界では、年収格差が3.28倍あることがわかります。
また今年度は、総合商社や化学業界の伸びが目立つ一方、海運業界や旅行業界は平均年収が下落しました。
次の章で伸びた業界と下落した業界について見ていきます。
2018年度に平均年収がアップした業界は?
2017年度の業界平均と比較して伸びた業界は、次の3業界です。
- コンサルティング業界
- 総合商社
- 化学業界
それぞれ解説していきます。
コンサルティング業界は前年比76万増で安定のトップ
2018年度の上場企業の40歳時平均年収ランキングの上位10社のうち、4社はコンサルティング業界です。
具体的な社名だと、M&Aキャピタルパートナーズが3515万、ストライクは1915万、GCAは1630万と際立っています。
中堅企業以上のデジタル化対応と中小の事業承継が追い風となり、需要は堅調です。
総合商社は前年比117万円アップ
各社ともに業績好調を反映し、前年比大幅アップとなりました。
40歳モデル年収上位35社に総合商社から「三菱商事」「伊藤忠商事」「三井物産」「丸紅」「住友商事」「双日」「豊田通商」の7社がランクインしています、
資源高を追い風に、各社が絶好調です。また、2015年度に資源価格の下落があった影響で、各企業ともに資源価格に左右されないビジネスモデルを構築し始めたことも貢献しています。
化学業界はじわりと年収上昇中
世界的な需要拡大が影響し、突出して年収が高い企業がないものの、業界全体の給料は上昇気味です。
電気自動車の普及で、車体軽量化のための化学製品の需要増加や、新興国の生活水準向上による食品などの包装シートのニーズが高まっています。
今後も需要は拡大すると考えられていますが、ナフサ価格変動の影響を受けやすい面もあります。
2018年度に平均給料がダウンした業界は?
2017年度の業界平均と比較して下落した3業界についても解説します。特に下落したのは、次の3業界です。
- 海運業界
- 生命保険業界
- 旅行業界
それぞれ見ていきます。
海運業界は前年比32万円ダウン
業界別年収ランキングも4位から8位に後退しました。
海運市況は、2016年を底に緩やかな回復基調をたどっていますが、米中の貿易戦争の激化は、海上輸送を利用する資源や自動車の貿易が停滞する可能性を持ちます。
また、ここ数年のコンテナ船事業で各社とも採算確保に苦しみ、日本郵船・商船三井・川崎汽船の大手3社はコンテナ船事業を統合しました。
今後は、自動運行など次世代技術への取り組みで、優位性を発揮する必要がありそうです。
生命保険業界は前年比33万円ダウン
当面の課題は、「2025年問題をどう乗り切るか」にありそうです。
2025年問題とは、団塊の世代全員が75歳以上になることです。生命保険会社からすると、主要契約者が減り、支払いが増えていくことを意味します。
人口減少や少子高齢化で国内市場は厳しさを増し、マイナス金利の長期化で資産運用も難しくなりそうです。
生き残るため、各社とも銀行窓口といった販売チャネルの強化に努めています。
旅行業界は前年比41万円ダウン
市場の拡大は続いていますが、競争激化により年収が下落しました。
業界で勢いを増すオンラインの旅行会社に、JTBやHISといった伝統的な旅行会社が苦戦している状況です。
伝統的な旅行会社は、オンラインの旅行会社に侵食されにくい出張や法人向けで利益を確保しようとしています。
オンラインの旅行会社も、競争激化から利益率が低く、世界的に成長産業であるにも関わらず、利益は伸び悩みそうです。
業界ごとに平均年収が開く要因は?
業界によって、平均年収が異なってくる理由は以下の2点です。
- 利益率
- 一人当たりの生産性の高さ
それぞれ解説していきます。
利益率
利益率の高い業界のほうが、利益率が低い業界に比べて平均年収が高い傾向にあります。
理由は、利益率が高いことで、企業は資金に余裕が生まれ、稼いだお金を人件費に回しやすくなるからです。
一人当たりの生産性の高さ
一人当たりの生産性が高い業種や業界ほど収入は高くなります。
1億円の利益を上げるのに1000人の力が必要な会社より、100人で1億円の利益を上げられる会社のほうが、一人当たりの給料が高くなるということです。
これには、業務形態がBtoBかBtoCかも影響しています。
BtoBであれば、企業間の取引であるため一回の契約で大きな金額が動くことも多く、結果的に一人当たりの稼ぎが増えます。
一方のBtoCでは、従業員一人が相手にするお客様も一人のため、取引価格が大きくなりにくく、結果的に一人当たりの稼ぎが少なくなります。
おわりに
このようにみると、業界ごとに年収は大きく開いていることがわかります。
ただし、平均年収が高い業界が必ず良く、平均年収が低い業界が悪いというわけではありません。
もし転職をお考えの方がいらっしゃれば、あくまでも業界の年収は参考程度にして、それ以外の魅力や特徴にも目を向けてみるといいと思います。